唯一している副業？

今日は身体の痛みが酷い。
昨日の仕事の影響だろう。

芸人以外にしている唯一の仕事かな。

引っ越しをして空き家になったご家庭が、
不要になって置いて行った家具などを、
回収して捨てる仕事。
これは、とある先輩から紹介して頂いた、
マジシャンの方が、やっている仕事だ。
マジシャンと不動産業を平行させ、
全国各地へ飛び回るやり手だ。

その方がその関係で始めたという、
掃除屋さんの手伝いをさせてもらっている。

なぜ僕が手伝う事になったのか、
これは余談だが
トラックの運転と力仕事は僕の得意分野だ。
僕の隠れた特技？
元々はトラックドライバーをしていた。
８ｔのトラックは、
ほぼ軽自動車くらいに扱えていた。
そして、足場屋もしていた関係で
力仕事は勿論、
特殊小型クレーンの免許も持っている。
だから、クレーン車も運転できるし、
ちゃんとクレーンを操縦出来るし、
物も吊れる。
こういう事が好きなのだ。

話しを戻すと、
そのおかげで、
トラックドライバーと力ある事が評価され、
お世話にならせていただいた訳だ。

話す事は、仕事の事は勿論だが、
営業の事、業界の事、
様々なためになる話が聞ける。
最近は、マジックショーの手伝いにも
連れて行ってくださるので、
会話の仕方や、テンポ、
抑揚などはこの方から学んでいる。

小さい頃からマジックが好きで、
学校の発表会で手品を披露してた、
僕にとっては物凄くテンションの上がる日々だ。

ここで、密かに魔法を教わり、
特技としている。

そんな方々と家の掃除をしている。

唯意義な日々だ。
車の運転は気分転換になるし。

楽しい。

現場についてすぐの家は、
大量の家具や生活雑貨などが多く置かれている。
しかも、驚くほどにそのまま。
まるで、昨日まで”その人”がまだ住んでいたんじゃないか、
そう思わせる程、
なんなら、作業している途中で、
「ただいま」と声が聞こえてきそうな程、
生活感が溢れている。
片付けを始めながら、大体目にするものがある。
棚に置かれた資料だ。
「〇〇老人ホーム」
つまりそういう事なのだろう。
だから、家財が取り残されているのか。
食器、衣類、食料、ベッドやソファまで、
全てが置かれている理由を悟った。
トラックにひたすら積み込む。
棚や机など大きいのは解体してから。
これが僕の密かな楽しみ。

家の中をめちゃくちゃに壊す。
なんか悪い事しているみたいで、
わざと机を蹴りで壊したり、
棚を殴って壊したり、

ふと後ろに気配を感じる。
「ムサシ君、何か不満があるなら聞こうか？」
いや、ストレスが原因じゃねぇよ。
壊し方に問題があったのか。

ただ楽しく仕事をしていただけなのに、
素手で家具を壊す奴を目の当たりにする機会が無いのか。

とにかく細かく壊し、
トラックに詰め込んでいく。
満載になったトラックに乗り込み、
捨て場に向かう。
コーヒーとタバコ、そして運転している僕。
懐かしい。
この姿がたまらなく好きなのだ。
トラック野郎感が凄い。

そして、その結果が。

次の日、身体が痛い。