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番外編、KING GOLFという漫画はめちゃくちゃ面白い。

 サンデー系列の雑誌に掲載されている、ゴルフキングという漫画がある。私はこの漫画が好きだ。ざっとあらすじを伝えると、喧嘩無敗のヤンキーである主人公は、強豪の高校ゴルフ部に籍を置いているプロ入り間近の同級生とすれ違う。だが、その同級生は主人公に見向きもしなかった。その目線によってヤンキーの持つ喧嘩魂に火がついた主人公はゴルフ部に乗り込み、ゴルフ部のコーチと出会う。そこでたった一度だけボールを打ち、独特の快感を知る。魅力に取り憑かれた主人公は、地道な練習もできる真っ直ぐな男でもあったため着実に実力をつけ、大会に出場していく。

 この導入は、確かに説得力があった。気持ちよくショットを打てると、当然ながら気持ちが良い。ヤンキーだった主人公がその魅力に取り憑かれるのもわかる。その上でこの主人公と私の違いを述べるのならば、その快感を再び求めたかどうかだ。私は再び求めるほどの快感ではなかったのでハマらなかった、それだけ。しかも主人公はなかなか同じようなショットを打てなくても、地道な練習でそれを再現できるようになった。私は地道な練習を乗り越えるほどにはハマらなかった、それだけ。

 もっと語らせてもらうと、この漫画はゴルフの欠点をとにかく面白く書いてくれている。例えば駆け引きが無いという部分では、金銭を賭けてゴルフをするという展開になった際は、自分の一番得意なショットを利用して格上相手を打ち倒した。レベルアップのためにドラコンに取り組む展開では、ライバル選手たちの才能や肉体の老化などを引き合いに出し、ただ遠くに飛ばすだけの競技をカタルシスたっぷりに魅せてくれた。他にも、ヤンキーらしい破天荒な戦略が面白く、そこに肉薄したりそれを上回る技術を見せるライバルたち。ゴルフを競技として本気でやった時の緊迫感を伝えてくれる。しかも主人公はその攻撃的な性格によって様々な局面を乗り越える。主人公の成長っぷりは読んでいてワクワクするので、自分としてはすごくオススメだ。これだけゴルフをこき下ろしていた自分なのだが、遊びではなく本気でプライドや生活をかけてやれば、これぐらい興奮できる競技として取り組めたのかもしれない。そう思わせてくれる作品だ。

 ゴルフが好きとか嫌いとか関係なく、少年漫画好きなら読んでみてほしい。

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