お茶は「味」だけじゃなくて「香り」も愉しい。
お茶の生育地で大まかに種類分けする時、「山のお茶」「里のお茶」と呼ぶことがあります。
お茶は育つ環境によって、味と香りが変わります。茶園の管理によってうまみ成分を増やすことができるのですが、さわやかな香りなど環境に依存する要素もあります。
ブレケル・オスカル著「僕が恋した日本茶のこと」−山のお茶と里のお茶 (40)
茶業に携わるようになった頃は、うま味や渋みといったお茶の「味」ばかりに気にして飲んでいたけど、この本を読んで以来、様々な産地のお茶を取り寄せては、産地や製法によって異なる「香り」も楽しむようになった。
僕がこれまで会ってきた茶業者の中でも、美濃加茂茶舗のお茶を監修している師匠田口さんと静岡県川根本町(かわねほんちょう)鈴木茶苑の鈴木さんは、特に香りの個性を大切にしたお茶作りをしている生産者だと思っています。
火入れ(焙煎)温度・時間やブレンドで香りを作る茶師である田口さんと、栽培方法や収穫後の製造方法で独特の香りを作る鈴木さんでは"香りの作り方"が違うというのもおもしろい。
僕自身、おふたりが作るお茶を通じて、お茶の香りの楽しみ方を教えていただきました。
産地や製法による香りの違いを楽しむようになって以降、もっとお茶のことが好きになったし、楽しめる幅が広がったように感じます。
美濃加茂茶舗は、岐阜県東白川村のお茶を扱っている日本茶ブランドなので、飲食店のメニュー監修やワークショップなどでしか他産地のお茶をご紹介できていなかったですが、昨年の新茶の時期にはじめて「山の新茶」という企画で数量限定で鈴木茶苑さんとコラボ販売をしました。
「山の新茶」では、美濃加茂茶舗のお茶が栽培される東白川村と同じく、山間部の茶産地である川根本町の鈴木茶苑と一緒にお茶をお届けすることで、お茶の面白さや新しい楽しみ方を提案できることに繋がると考えて企画しました。
昨年は、ほぼ同時期に新茶の収穫が行われましたが、今年は作柄上の都合もあり、美濃加茂茶舗の定期便でご一緒させていただくことになりました。
僕は、美濃加茂茶舗の立ち上げ前から何度もリピートしていて、産地である川根本町で開催されたイベントや、東京での出店にも参加する鈴木茶苑ファンです。
鈴木茶苑は、僕たちよりもっと長く、たくさんの方にお茶の楽しさを届けてきたと思いますが、それでも、美濃加茂茶舗として、僕個人としても本当に皆さまに楽しんでいただきたい香りのお茶があります。
今回も数あるお茶の中から個性が光る2種類のお茶を選びました。
それぞれの特徴と選んだ理由、鈴木さんからのコメントをご紹介します。
煎茶 いなぐち
「いなぐち」という品種特有の個性的で仄かに華やかさが感じられる香りとキレのある渋みが、美濃加茂茶舗どのお茶とも違う魅力を持っています。
淹れる温度の違いによって味わいが大きく異なるのも特徴のひとつですが、まずは「萎凋煎茶」と同じ淹れ方で、味と香りの違いをお楽しみいただきたく「煎茶 いなぐち」を選びました。
釜炒り茶 さやまかおり
釜香(かまか・かまこう)と言われる釜炒り茶特有の香ばしさだけでなく、華やかさと清涼感のある後味。しっかりとした個性はありつつも、クセがなく優しい味わいが、どなたにも楽しんでいただけるお茶だと思い「釜炒り茶 さやまかおり」を選びました。
萎凋煎茶
美濃加茂茶舗の「萎凋煎茶」は、昔の茶農家さんの営みの中で自然に生まれた、昔ながらのお茶の香りを再現したお茶です。
今のように大型製茶機械がなく、昼間に収穫した茶葉をその日のうちに、全て製茶(お茶を保存のきく状態まで製造・加工すること)することができなかった時代。
製茶しきれなかった茶葉は、次の日の製茶まで茶葉が痛まないように、なるべく涼しいところで静置して一晩保管しました。
その季節の東白川村の気温は約3℃で、この気温では、茶葉は僅かにしか萎凋(発酵)しません。
そのため、花のような香りはありつつも、ほのかに新鮮味が残る爽やかな口当たりが特徴です。
味わいはもちろん、それぞれのお茶の個性的な「香り」に注目してお楽しみいただけたら嬉しいです。
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