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「新茶2021」に込めた想いと、裏話をちょっとだけ。

新茶の販売開始から約1ヶ月半が経ちました。

収穫の早い産地では、4月には新茶の販売が始まるので、6月の販売開始というのはとても遅く、この時期まで「新茶」として販売しているお茶屋さんも少ないのかもしれません。

美濃加茂茶舗のSNSなどでは今年の新茶の特徴について話してきたけど、まだ少し話し足りないことがあるので、noteにまとめてみようと思います。

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今年の東白川村の新茶の収穫状況

東白川村のお茶は全国の茶産地の中でも標高が高く、寒さの厳しい気象環境で育ちます。
毎年、山間に点在している茶畑のどこかでは、5月上旬に顔を出した新芽が寒さで枯れてしまう被害が発生してしまいます。
今年は特にその被害を受けた茶畑が多く、ブレンドに使用する茶葉の選定なども難しい年だったと茶業者の皆さまも口を揃えて仰っていました。

そんな中でも素晴らしい茶葉を使って納得のいくブレンドに仕上げられたのは、茶農家の皆さま、パートナーとして支えてくださる茶師のお二人のお力添えがあってこそと感謝しています。

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今年の新茶は"東白川村らしさ"にこだわりました

昨年の新茶は、美濃加茂茶舗が独立して初めての新商品だったこともあり、新茶の特徴であるフレッシュさ、ほのかに果実味も感じられる程の爽やかな味わいに仕上げました。

昨年の新茶も、悩みに悩み抜いて納得のいくブレンドとして販売することができましたが、それから1年が経ち、今年の新茶のブレンドの構想を考える中で、自分たちが心から好きだと思える、"東白川村らしさ"が存分に堪能できる新茶にしようと決めました。

もし、このお茶がおいしくなかったら東白川村のお茶の評価を落としかけないという緊張感もありましたが、「このお茶を使っておいしくないなんてどう考えてもありえない」という絶対的な信頼もあったので、不安よりもワクワク感の方が大きかったです。

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夏にこそ飲んでほしい新茶

美濃加茂茶舗の新茶の販売は、6月上旬とかなり遅い時期の販売のため、ホットで飲むだけでなく、冷たいお茶として飲む"水出し"や、氷の入ったグラスにお湯で淹れたお茶を注いで急冷する"オンザロック"で楽しむことを想定しました。

ちなみに、僕が初めて飲んだ東白川村のお茶が、名古屋で開催されたイベントで飲んだ「水出し煎茶」でした。
そのときの味わいが衝撃的に自分の好みに合っていて、「このお茶ってどんなブレンドで作っているんですか…?」って茶師に聞いたのを今でも覚えています。
新茶らしいフレッシュさは大切にしつつ、そのときに飲んだ味と香りのイメージを再現した"東白川村らしい"山の香りを堪能できるブレンドにするのが今年の新茶の目標でした。

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目標とする味と香りはイメージできていたので、何度か試作しているうちにかなり完成に近いところまでたどり着くことができましたが、"東白川村らしさ"が存分に表現できているブレンドではない。

それから何度繰り返しても、間違いなくおいしいお茶ではあるけれど、あと一歩...。
納得感のあるブレンドがなかなか決まらない。

「去年もこんな感じで悩んでたなぁ」と一年前を思い返しながら、適宜、茶師のアドバイスをもらいながら仕上げていきました。

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試飲を繰り返すたびに徐々に胃が重くなっていく感覚を味わいながらも、理想のお茶に近づけていく作業はとても楽しく、自分は本当にお茶が好きなんだな、と再確認することができた充実した時間でした。

美濃加茂茶舗を立ち上げる前、興味本位で東白川村を訪れた"ただのお茶好きの人"に戻れたような感覚でした。

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お湯で淹れた場合の香りや味わいが確認できたら、水出しやオンザロックで淹れてジメジメした雨の日や、暑い夏の日にも楽しめるお茶として全力でおすすめできるお茶なのかもテスト。

こうして、自信を持って最高だと思える「新茶 2021」が完成。

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うま味と渋みが調和した味わい。

どうやって淹れてもおいしい。

"東白川村らしい"山の香りのお茶。

ごくっと飲み干したあとの清涼感も最高です。

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ブレンドが完成したあと、茶師の田口さんから、「数ある茶葉のサンプルの中からこのお茶たちを選んでくれたのは嬉しかった。生粋の東白川村のお茶好きが選ぶお茶だよ」と言われた僕も嬉しかった。

夏におすすめの淹れ方は"オンザロック"です。
ぜひ、こちらの動画を参考にしてみてください。

水出しやオンザロックの淹れ方については「新茶 2021」商品ページにてご紹介しています。

ラベルカラー「裏葉色(うらはいろ)」に込めた意味

新茶のパッケージのラベルには「裏葉色(うらはいろ)」という日本の伝統色を採用しています。

裏葉色は、木の葉や草の裏側のような淡く渋い薄緑色で、平安時代から使われている伝統色です。

ちなみに昨年の新茶は、新芽の若々しさ、新茶ならではのフレッシュな香りをイメージしてブレンドしたので、「若芽色(わかめいろ)」という色を選びました。

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対して今年は、新茶らしい爽やかさだけでなく、東白川村の特徴である澄んだ山の香りと、程よい渋みが感じられるブレンドの特徴をイメージして、昨年より落ち着いた色をラベル色にしています。

そんなラベルの「裏葉色」にも注目しつつ、新茶の味わいを楽しんでいただけたら嬉しいです。

ごちそう茶事

日本茶ドキュメンタリー映画「ごちそう茶事」オンラインイベントを開催

7月31日、日本茶ドキュメンタリー映画「ごちそう茶事」プロデューサーの高津さんとオンラインイベントを開催します。

「日本茶の新しいのシーンをつくる挑戦」をテーマに、美濃加茂茶舗のプロダクト「CHAPTER(チャプター)」や新茶についても詳しくお話しします。

イベント参加券に加え映画鑑賞券や、美濃加茂茶舗の「新茶 2021」がセットになった商品もご用意しております。
詳細については、こちらのページをご確認ください。

▼7/31(Sat) ごちそう美濃加茂茶舗 - 日本茶の新しいのシーンをつくる挑戦 -


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伊藤 尚哉(naoya ito)
最後まで読んで頂きましてありがとうございました!