【毎週ショートショートnote】執念第一
「お客様、だいぶ執念深いですね」
リハビリ中に訪れた脱毛サロン。
『毛深いじゃなくて?』
「はい。【体毛】というのは【大望】と関係がありまして。つまり、毛深いというのは、大きな望みが人よりも深いということなんです」
衝撃だった。
サッカー選手の俺は魅せるプレイがこだわりであり、それは執念ともいえた。
その反面、故障しがちで今後のプレイスタイルについて考えていたのだ。
「うちは執念もサッパリできますよ」
『お願いします』
「では、特に執念深いVIO脱毛はいかがです?」
下半身半疑の俺。
「【V】はVictory、【I】はIdentity、【O】はOriginalityという執念ゾーンです」
『それは個性では?』
「濃すぎると【我】も強くなるので」
こうして、俺の施術が始まった。
何度か通い、脱毛&脱執念は完了。
そして、公式戦にも無事復帰した。
派手なプレイはなくなったが、お陰様で無駄なケガない。
(400字)
【副題】脱執念サロン
今週も参加させていただきました。いつもありがとうございます!
どうか、楽しんで読んでいただけますように。
そして、毎週ショートショートnote1周年おめでとうございます!!!
8月から参加させていただいた後発組ではありますが、1年間、毎週企画をやり続けるということは本当にすごいことだと思います(その間にお仕事や他の作品も執筆しているわけですし)。
ショートショート道場的なこの毎週ショートショートnote。
敷居は低く、間口は広く。
それでいて、一筋縄ではいかないお題たち。
創作初心者から創作玄人まで、多くの書き手が集まる素敵な場。
改めて、そんな場を作り続けた、たらはかにさん、いつもありがとうございます!
最近のあれこれといたしましては、
本日、ついに映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観てきました。
震えました。
文章表現ではなくて、本当に体が震えているのがわかりました。
ワールドカップも終わった2022年の年末に、また、ものすごいものを全身で浴びた気がしました。