イメージの旅-Travelling Without Moving-
エンタテイメントは記憶を喚起するための触媒となりうる。
解説は対象に張り付くが、感想は観客に張り付く。
記憶、感覚、感情を呼びさますような化学変化を促す。
それが、エンタテイメントの触媒としての働き。
昨夜、いつもながらに深夜、職場から自宅までタクシーで帰宅した。
カーラジオから立て続けに3曲、Jamiroquaiが流れる。
Travelling Without Moving・・・懐かしい曲も。
深夜のドライブにこれほどぴったりとくるのは、Jamiroquaiを置いて他にない。
彼の楽曲の中には、エンジンの回転音を取り入れたものもあるのだから、この感覚は間違っていない。
ギアチェンジの加速フィーリングさえ再現。
90年代の、心軽い音色。
昔、Mちゃんが「私、ジャミ好きだよ」と言っていた、Jamiroquai。
私も好きだった。
今聴いても、好き。
身体が軽くなる感じ。
あのみょうちきりんな帽子。
ある時期、深夜のテレビで目にしない日はなかった「virtual insanity」のPV。
白く奥行きの長い部屋で、彼は踊る。
一緒にニースを旅行したとき、Mちゃんは「私、マティス好きだよ」とも言っていた。
私は、マティスよりシャガールが好き。
ニースの丘の上、人気も少ない一軒家のシャガール美術館で半日もぼんやりと過ごした。
スペースの中央に置かれたグランドピアノを、シャガールその人が弾く様を想像した。
会社から自宅まで20分ほどの間に、どこまででも行けるイメージの旅。
「Travelling without moving」
まさに、タイトルどおりだ。
Travelling Without Moving(1997年・英)
音楽:Jamiroquai
■2004/12/3投稿の記事
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