さようなら1Kの部屋


社宅から出なければいけない。
業者さんに頼まず引っ越しをすることに決まり、回数を分けての引越し。
徐々に荷物がなくなっていく一人暮らしの部屋。
空っぽになりかけた部屋で寝っ転がって色々考えてみる。

前の家から今の家へ、終わらない引っ越し準備にひいひい言って
ミニマリストになると決意したこと(なってない)
荷物を搬入して荷解きでまたひいひい言って。
新しい場所での生活が少しずつ馴染んでいく嬉しさと
変化してゆく自分と周りと。
築浅のお家で玄関ライトが自動でつくことに感動した日。
久々に会える友達を呼んでたこパして楽しく過ごした日。
残業続きで帰って寝るだけ生活になり、家賃の元取れてんのかな?と
食べ放題みたいなこと考えた日。
今の家だけでも小さな小さな歴史があるんだなと実感した。

小中学、高校、大学、社会人と役割があった中から抜け出して
役割のない期間を初めて過ごす。
全ての時間を自分が考えたことだけに使える、
起きる時間も寝る時間も明日の予定も思い通り。
これが自由ってやつか?サイコー!なんて思っていた時期も通り過ぎて
今は将来への不安が付き纏っている。
増えることのないお金、休まず出勤すれば保証されていた毎月の給与。
会社が計算し天引きしてくれていた税金。
手続き云々が降りかかってくる。きゃーたいへん。

正直、会社を辞める決断をして実行する日が来るなんて思ってもみなかった。
結局安定、続けた方がいいに決まってる、なんてずっと心の奥底で思って
気が乗らないことも、逃げてしまいたいと思うことも
涼しい顔して「了解ですやります」っていうのが
仕事だよなーって悟りを開いていた自分が。
自分に裏切られたな、とエアコンが効き過ぎた部屋でそんなことを考える。

ただ、会社を続けていれば体験することのなかった世界線に来ている。
これも勉強だ。生きるために毎日勉強だ。
これからすることは山ほどあるしな。あゝ、人生。

気に入った今の家を引っ越すのは名残惜しいけど、自分が蒔いた種だ。
寝転がってぼけぼけしていても何も始まらないことだけはわかった。
さてと、荷造りの続き!これからは絶対ものを減らして生きてくんだ。
ガチャガチャ回してゲットしたフィギュアが可愛くって仕方ないんだから。


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