オランダのDutch Design Week完全攻略ガイド🇳🇱【2024年情報】
Dutch Design Week(DDW)は、毎年10月にオランダ・アイントホーフェン(Eindhoven)で開かれる、ヨーロッパでも有数のデザインイベント。
私は今年2024年度に初めて行ってみたんですが、オランダや周辺国のあらゆるデザインが集結していてとてもいい経験になりました。ただ、何も計画せずに行くと広すぎてどこを見て回ったらいいのか分からなくなるかも…!そこで今回は、私が実際に参加して感じたことや、おすすめ展示エリアをまとめました。これから行く人の参考になれば嬉しいです。
0. 渡航前に準備しておくと安心なこと
DDWは大規模なイベントなので、渡航前に計画的にいくつか準備しておくと、当日安心して楽しむことができます。
①ホテルの確保
DDW開催期間中は、アムステルダムやアイントホーフェンのホテル価格がかなり高騰します。(デザインウィークの2週間ほど前の価格で、シャワー付き個室だと3万円前後から、ホステルでも2万円前後からしかありませんでした)私も少し出遅れてしまい、予算より高い宿に泊まることになったので、できるだけ早めに予約するのがおすすめです。
オランダは公共交通機関がしっかりしていて多少離れていてもアクセスしやすいので、費用を下げるために少し郊外での宿泊を検討してみても良いかもしれません。私は1泊は隣町のHelmondに宿泊しましたが、夜や朝にも電車はある程度頻繁に出ているので特に不便もなく、良い選択だったなと思います。
②デザインウィークのチケット購入
早めにチケットを購入しておくと、割引が適用されてお得です。前日までの購入で早割が適用され、通常のチケット価格より安く入手できます。公式サイトで確認しておくと良いでしょう。
なお、デザインウィーク当日はまず会場に点在するチケットカウンターでオンラインチケットをリストバンドに引き換える必要があるので、初日の計画の最初にチケットカウンターへの立ち寄りをぜひ組み込んでください。会期中はリストバンドをつけっぱなしにして、いくつかの有料会場ではバンドを提示する必要があります。
③現金(ユーロ)の用意
基本的にはクレジットカードがあれば大丈夫ですが、稀にデビットカードしか使えないお店や、現金のみのお店もありました。会場周辺ではクレジットカードのみで問題なかったですが、途中ユトレヒトに立ち寄った時にレストランやTheo Blom(ミッフィーの作者が通ったケーキ/クッキーショップ)でクレジットカードが使えず、焦ったことがあったので、最低でも30ユーロ程度の現金を用意しておくと安心です。万が一の時に役立ちます。
④防寒対策
日本ではまだ暑さが残る季節ですが、オランダはすっかり秋冬の気候で冷え込みます。私は上下ヒートテック+ニット+ウルトラライトダウン(ロングコート)ぐらい着込んでちょうどいいぐらいだったので、ぜひしっかり防寒対策されて向かうことをおすすめします。建物内は基本的に暖かいのですが、安い宿に泊まるときなどは暖房が十分でないこともあります。デザインウィーク中は外を長く歩くことも多いので、しっかり冬服を持って行かれると良いと思います。
⑤Google画像翻訳アプリ(オランダ語)
ほとんどの作品は英語・オランダ語で作品説明が併記されているのですが、まれにオランダ語のみの作品展示もあります。作品を楽しむために、事前にダウンロードして用意しておくと良いと感じました。
1. 事前に見たい展示を下調べ
アイントホーフェンの街全体が会場になるDDWは、展示が街中の広範囲にわたっています。アプリやウェブサイトで興味のある展示を事前にいくつかピックアップして会場エリアを調べておくと、当日スムーズに動けます。私は最初、ふらっと適当に回れば2-3日で一通り見れるだろうと思っていたのですが、広すぎて途中で挫折しました(笑)。行きたい場所をざっくり決めておくと、無駄な移動も減らせるのでおすすめです。
ちなみに、エリアマップや展示一覧の情報がまとめて見れる公式アプリもあるのですが、日本のApple Storeからはダウンロードできませんでした。マップは会場のチケット引換所で紙のものは手に入りますが、内容はオンラインサイトにあるマップと全く同じなのでこちらを見ながら計画されるのがいいと思います。
一つ注意点として、デザインウィークの一日の開場時間が短いことは覚えておくと良いかもしれません。基本的に展示はどれも11:00から18:00までオープンしており、意外と一日で見て回れる量が限られます。移動もあるとさらにタイムロスになるので、最低限どの日にどのエリアを見るかは計画しておくのがおすすめです。
2. 絶対に訪れたい会場
展示は街中に散らばっていますが、一つの大きな建物内に密集していて見応えのあるエリアもあります。効率的にいろんな展示を見たい!という方に、いくつかまとめて見やすいおすすめの会場をご紹介します。
Strijp-S
特に印象的だったのはStrijp-Sエリア。ここは元々工業地帯だった場所で、今はクリエイティブなスポットとして生まれ変わっています。とにかく活気があって、展示の内容も未来的で、ワクワクする空間でした。フードトラックやレストラン、フードコートもあるので食事もこのエリア内で取れるとスムーズです。
一番大きなホールKlokgebouwには、スペキュラティブデザインやサービスデザインなどの展示が集結(※2024年の展示内容)。マテリアル・素材系の展示も多かったです。オランダや周辺国のあらゆるデザインスクールの卒業展示が集まったコーナーもありました。かなり数が多く、じっくり一つずつ解説を読んでいくと3時間ほど一気に経ってしまうようなボリュームです。見応えたっぷりなので、ぜひじっくりと時間を使うことをおすすめします!
ホールのすぐ周辺の広場や建物にも展示が密集しているので、できればこのエリアのみで丸一日ほどかかると見てプランするのがよいかと思います。少し歩いたMicrolab Hallにも多くの展示が集まっていました。
Design Academy Eindhoven
もうひとつおすすめしたいのが、Design Academy Eindhoven。学生たちの卒業展示の作品が集められており、そのクリエイティビティや大胆さには思わず目を奪われました。ここもかなり展示数が多く、また学生から直接話を聞けることも多いのでぜひじっくり時間を取っていただきたいです。
私も気になる作品を見ていたら、制作した学生さんが話しかけてくれたことが何度かあり、作品に込めた思いをたっぷり聞けてとても貴重な経験になりました。相手も英語は第二言語だったりしますし、みんな親切に対応してくれます。勇気を出して話しかけてみる価値はありますよ!
その他、足を延ばすなら…
以下はそこまで一拠点での展示数は多くないので興味関心次第ですが、マッチするならぜひ訪れてもらいたいところです。
テクノロジーや未来、宇宙などが好きならNext Nature Museumが近未来的な展示が多くおすすめです。少し場所は外れていますが、Strijp-Sから歩いて15分程度で行くことができます。
クラフトやプロダクト系が好きなら、Sectie-Cまで足を運んでみるのはいかがでしょうか。ここはあまりアクセスが良くなく、バスだと時間がかかる上に本数も多くないのでシャトルタクシーがおすすめです。インテリアになるようなものから、体験型のプロダクトまでいろんなデザイナーやクリエイターの作品が楽しめます。
また、Centreエリアは最も中心でアクセスも良いですが、Phillips Museumはサービスデザイナーとしては企業での生の実践例が知れたのですごく良かったです。(会期中は、通常閉館の曜日も開いています)
3. 移動は公共交通機関か、自転車か、無料シャトルタクシー
アイントホーフェンは比較的小さな街ですが、展示が点在しているので、移動が少し面倒な時も。私はバスに乗ったり、離れたエリアだとバスの本数が少ないので会場を回っている無料のタクシー(スポンサーが提供している電気自動車が、決まったスポットに7分おきに来ます)を利用しました。自転車のレンタルもできますが、秋のオランダは基本的に天気が悪く雨も多かったので使いませんでした。
バスは立っているだけだと停まってくれないことがあるので、手を挙げて(パーではなく人差し指で!)乗るようにしてください。このことを知らずに私は本数少ないバスをうっかり目の前で見送ることになってしまいました。。
無料シャトルタクシー乗り場はマップにも書かれていますが、もし電話番号が使えるなら電話で呼び寄せることができます。バスよりは早く移動できますが、タイミング良く乗れないときもあるのでその点は注意です。同じ方面の参加者がいたら相乗りになります。他のタクシー乗り場のどこかを指定すると送ってくれます。それ以外のところには行けないと言われたのですが、他の場所でも降りている人を見かけたので対応はドライバーや係員によって違うかもしれません。
まとめ
いろいろと記載しましたが、Dutch Design Weekはとにかく広くてたくさんの展示があります。無理に全部を回る必要はなくて、自分が興味を持ったものをじっくり楽しむのが一番だと思いますが、いろんな作品に触れることで自分が何に惹かれるのかという興味関心を改めて知ったり、新たなデザインの世界を知れたりするので、ぜひいろんなジャンルに触れてみるのもおすすめです。もしDDWに行くなら、ぜひ自分なりのペースで楽しんでみてください。