《WOMAN Next 国際女性デーinぐんま 紙面ミーティング(上)》
女性活躍推進に取り組む企業・団体を応援するキャンペーン「WOMAN Next 国際女性デーinぐんま2022」の一環で、協賛社社員によるミーティングを開催した。「女性が働きやすい環境」「女性活躍」をテーマに、各社が取り組む制度整備や課題などについて意見を交わした。
【参加者】
赤尾美沙子さん 赤尾商事ソリューション事業部
関口 記代さん 赤尾商事総務部企画グループ
矢島 歩美さん 群馬銀行駒形支店
田中 美帆さん 群馬銀行人事部
箱田千絵子さん 大樹生命保険太田営業部
宮本 裕子さん 大樹生命保険沼田営業部
周知が課題
田中さん 当行は、両立支援として配偶者出産休暇や不妊治療のためのチャイルドプラン休暇など独自の制度があり、安心して子育てできる環境整備に努めている。これらの制度をより広く周知するため、ワークライフバランスハンドブックの発行や諸制度について行内報などで紹介している。
矢島さん 第2子以降は育児サポート手当もある。5歳の息子と3歳の娘がいるので、会社が支援してくれありがたい。
赤尾さん 当社は主にガソリンスタンドの運営、LPガスや燃料・潤滑油を販売している。産休・育休、時短勤務、時間単位休暇など基本的な制度はあるが、男性が多い会社なので、現場の理解を進める必要がある。
関口さん 広告の企画や動画編集などを担当している。小学4年と年長の娘がおり、学校からの急な連絡や予防接種などで早く帰りたい時に時間単位休暇などを活用している。
箱田さん 基本的な制度は同様。生理休暇があり、私も取得していた。保険を扱う会社なので、人間ドックの負担補助など、従業員への健康サポートも手厚い。家族の介護を支援する制度も充実している。
宮本さん 高校3年と1年、小学6年の息子がいる。営業職は時間が調整しやすく、柔軟に働けるところが魅力。最大限に子どもと関われる。仕事の仕方は自分次第。
田中さん 当行も生理休暇は整備されているが、生理痛という理由だけでなく、休暇自体を自由に取れる環境が理想だと考えている。
箱田さん 当社も10年ほど前までは取りづらく、上司に嫌みを言われたことも。でも「このままじゃいけない」と思い、あえて生理痛の辛さをアピールした。次第に休暇を取りやすくなっていった。勇気がいるが、繰り返していけば伝わると思う。不妊治療はどのように意向を把握するのか。
田中さん 「1on1ミーティング」など業務だけでなくプライベートについて部下から上司に話す機会がある。相談された上司はプライバシーに配慮するよう徹底されている。
赤尾さん これまで事務職の女性はいたが、数年前から営業職の女性が増えている。現在は他社の制度を参考にしながら一つ一つ問題に対処し、女性を初めて受け持つ男性の上司に理解を促している状況だ。最近は、当社が運営するガソリンスタンドで女性のリーダーや店長職が活躍している。各部署で女性が活躍するのが当たり前になるといい。
キャリア形成
矢島さん 一般職として入行したが、人事制度の改定で総合職になった。昇進するには資格が必須だが、一人目の妊娠時には資格がなかった。産休前、女性の上司からもらった励ましの手紙をきっかけに一念発起して勉強し、臨月で試験を受けた。それ以降、必要な資格は定期的に取得している。融資業務にも携わりたいと思い、二人目の育休中に宅地建物取引士の資格を取得。現在は融資係に在籍している。キャリア形成は二人目が小学生になったら頑張るつもり。当時の上司はその後、支店長になった。手紙は今も大切にしている。
箱田さん 営業職の進路は営業分野の継続か、人材育成に分かれる。ファイナンシャルプランナーといった国家資格の取得には会社からの補助や、ステップに応じた講習がある。個人的には、資格取得を通じて勉強の大変さを子どもと共有できて良かった。
宮本さん 同感。独身の頃は事務職で、出産・育児で9年間主婦をしていた。新しいことに挑戦するのは大変だが、研修や試験を通して子どもの気持ちが分かるようになった。
多様な視点で
関口さん 私は派遣として2年働いた後、正社員登用された。独身の頃は都内で同様の仕事をしていたが、帰郷、出産後も同じ仕事に関われてうれしい。当社の女性活躍は道半ばだが、性別や育児を理由に仕事ができないと思われるのは悔しい。女性の数だけ多様な働き方があっていいと思う。若い世代がさらに働きやすくなるよう、率先して制度を活用していきたい。
赤尾さん 当社は女性やシニア、外国人が働きやすい会社を目指す「2030年ビジョン」を掲げ、女性社長の下で改革を進めている。女性が働きやすい会社は、男性も働きやすい会社だと思う。結婚・出産を含めたキャリアプランを考えることは大切。従業員が若いうちから得意分野に専念できるようサポートしたい。
矢島さん 行内の女性活躍促進チーム「L-NEXT」の提言により、勤務時間の見直しやタイムリー休暇などが導入されている。今後はダイバーシティー&インクルージョンの視点を持って取り組みたい。
箱田さん 部下には毎日、朝と夕方に声を掛けている。報告・相談しやすいよう、定期的に個室で話を聞く機会も設けている。仕事でもプライベートでも話してくれるのはありがたい。女性活躍といわれるが、実際に働きやすい会社は多くないと思う。やりがいを持って仕事できるありがたみを次世代に伝えていきたい。
(2022年1月25日付上毛新聞掲載「WOMAN Next」紙面ミーティング(上)を転載しています)