ポタージュ:epilogue「月下獣」1
ラストにできませんでした。
なかなか指が進んでしまうんです。
それでもあと三つほどです。
一つの話のつもりですが、一話更新みたいな感覚で書いているので前後のつながりが変になってる時があるかもしれません。
全部書いたら手直しに入りたいと思います。
めっちゃお願いします。読んでください。
epilogue「月下獣」
みんな死ねばいい。本当の本当に全員。
七瀬和希はびしょ濡れで廊下を歩いていた。和希を見る目は様々であったが、それら全てが好奇であることに変わりはなかった。空は青い。私がどんな姿だろうと、どんなに怒ろうと。世界はいつも、誰にだって無表情だ。
私としたことが油断した。ミカの恋人が、ミカのことで悩んでいると言ってきた。そいつの恋人はミカなわけだから、うまく言って欲しいと思って話を聞いた。真剣に聞いたのに、ただ寝たいだけのクソ野郎だとは思わなかった。なんとかしてやりたいって気持ちが仇になった。いつもならこうはならなかったのに。てか、なんで男って話を聞いただけで勘違いすんの。
クソ野郎は「俺は何にもしてない。七瀬が先に手を出してきたんだ。」とかぬかしやがった。そしたら、クソ野郎のまわりはやっぱりクソ野郎なわけで「こいつがそんなことするわけないだろ。」と口を揃えて言うのだった。いつもは恋人をクソ野郎扱いするミカも「何私の彼氏に手出してんだよ。」とキレて、私に水をかけた。そして今に至る。
どいつもこいつも。普段はなあなあで、悪口言い合ってるくせに。立場が悪くなったり、テリトリーを荒らされた途端団結しやがって気持ち悪い。群れる奴らなんかみんな死ねばいい。何も知らないで教室で笑ってる奴らなんかも全員。
着替えるために体操服を取りに教室に向かうが、クスクスと笑ったり、二度見する奴らの視線がうざい。ほんと、死ね。
「なんだよ。」
「ごめん、なんでもない。」
そいつは他の奴らとは違って、泣きそうな顔をしていた。なんでお前が泣きそうなんだよ、泣きたいのはこっちだっての。同情なんてくだらない。そうやって他人の悲しみまで勝手に背負ってればいい。
なにも考えずに他人を傷つけることができれば幸せ。なんな苦労もせず、友達と楽しく過ごせる。それが青春。ふざけるな。これが青春っていうなら、私は残りの高校生活、ロックだけ聴いて孤独に過ごしてやる。いや、一人じゃなかったとかなんかなかっただろ。私はずっと独りだ。
ドロドロと、いつまでもいつまでも。あたしが独りじゃなくなる時は来るんだろうか。
この学校にDearRadioを聴くようなやつはいない。知るやつもいない。それがまた腹が立った。
あームカつく。「青春」って言葉を考えたやつ見つけ出していつか殺してやる。