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【旅log】松山/広島1泊2日スポーツ観戦旅

 毎月何を書こうかと悩むnoteの題材ですが、今回は6月17日・18日に行った松山と広島の旅logでも書きたいと思います。小学生時代以来の約20年ぶりとなる松山・毎年恒例のマツダスタジアムでの野球観戦となる広島の瀬戸内海対岸コースとなります。

 ◆1日目・松山

愛媛の鯛めし

 昼前に松山空港に到着し松山市街に移動。まずは大街道にて宇和島名物の鯛めしを堪能。鯛めしといえば鯛を丸ごと1尾使って土鍋で炊き込んだご飯のイメージもあるかもしれないが、宇和島を中心とする愛媛県の南予地方では、醤油と溶いた卵に鯛の刺身を潜らせ、薬味を加えたタレをご飯に乗せて食べる方式。イメージとしては鯛の入った卵かけご飯や、名古屋名物ひつまぶしの鯛バージョンといったところだろうか。
 今回お邪魔したのは伊予鉄道の大街道電停から北側、ロープウェイ通りに3店舗を構える”宇和島鯛めし もとやま"さんの本店。宇和島鯛めしと、これも同じく愛媛名物のじゃこカツのセットを注文。こちらのじゃこカツは、西側の豊後水道の対岸である大分出身の私にも馴染みのある味。地酒や焼酎によく合う磯の味で私はとても好きな味。
 さて肝心の鯛めしですが、タレに潜らせる前に1切れだけそのままの鯛を頂いてみたが、漁師町出身の私も納得の味。これをタレに絡めて頂く鯛めしは、何だかとっても豪華な気分でもあり、賄いの味のような感覚もあり庶民派な気分でもある。鯛の美味しさは文句なく堪能出来る美味でオススメの味。
 ちなみに店の前では、愛媛あるあるの都市伝説としてよく語られる”蛇口からみかんジュース”を実現した蛇口もある。1回200円ではあるが、まさにSNS映えも抜群なスポットだろう。

もとやまさんの絶品な鯛めし
蛇口からみかんジュースを再現

現存天守・松山城

 松山城は日本に12しかない現存天守の城であり、松山のシンボル。街の中心にそび立っていてアクセスは容易なのだが、平山城なので天守に登る時は少しばかりの登山となる。
 アクセスに関しては徒歩ルートの他にロープウェイとリフトが一般的。今回はリフトで天守のある本丸広場へ登頂したが、晴れている日であれば気持ちいい風を受けながらなのでこれが結構オススメ。ただ私は特段の高所恐怖症という自覚はないが、スキーなどの経験もほぼなくリフトに不慣れな部分もあり、少しだけソワソワする感覚はあった。とはいえ運賃以上の価値を感じさせてくれると思う。

松山の空気を味わえるリフトでの移動

 さて本題の本丸及び天守についてだが、城というのは防衛・堅守の拠点としてが本来の機能なので、いかに敵に遠回りさせるか、いかに道を狭くさせるかなどの点に注目して見るのが個人的なチェックポイント。松山城は冒頭にも述べた通りに、松本城や姫路城のような現存天守であり、もちろん細かく補修や保存工事などは行う必要があるが、当時の建築様式を概ね残しているのが特徴。上層階に繋がる階段などは手すりがないと昇れない程の急勾配、昇降する人がすれ違うことすら難しい程の狭い階段など、とにかく相手を寄せ付けない、多くの人を1度には移動させないということが徹底している。それは天守だけでなく石垣なども同様で、熊本城の武者返し等が有名。
 また天守は敵の突入を監視する目的もあるが、結果的にそれが見晴らしの良さにも繋がっているのも城の定石で、現在の大きく発展した城下の都市を見渡せる。松山の街の場合は西と北側に海を見渡せる好立地。都市の作り方を含めこういうのも地理学を学んでいた私には大いに注目するポイント。
 注意点として現存天守なので史跡保護の観点から飲食は一切禁止。ただロープウェイ・リフト乗り場に和菓子を頂ける売店、天守下の本丸広場にもかき氷などを売っているお店があるので、特にこれからの暑い時期には天守内にエアコンなども付けられないのもあり、涼を取るのにも重宝するだろう。松山観光の大定番であり、絶対訪れたいスポットである。

松山城の天守から眺める松山の街
坂の下から眺める石垣と天守
間近から見る天守閣

道後の街並みとレトロなカフェ

 松山市内の移動に便利な伊予鉄を利用して道後温泉へ。いわゆる全国的に有名な道後温泉の本館は保存の為の改修工事中。しかしながら多くの観光客が連ねていた。道後温泉はこの本館だけではないので、色々な温泉を楽しむのも醍醐味。

道後温泉のシンボルの1つと言えるからくり時計
味のある水辺の風景

 また道後温泉街は商店街も大正・昭和レトロの街並みや建築物を残しており、それらが好きな人にとっても楽しめる街であるが、私は2店のカフェにお邪魔した。
 まずは道後温泉駅を出て左手側、道後商店街にある「道後の町屋」さん。古民家を改築したレトロなカフェで、今回は先約のお客さんが居たので行くことは出来なかったが、店内奥には奥座敷か存在し、まさに昭和レトロな雰囲気が味わえる。店内の手前側は昔ながらの喫茶店の雰囲気であり、庭園が見える席もあるのでゆったり過ごせる他にビジネスの打ち合わせでも利用出来そうな雰囲気。

チーズケーキと昔ながらのアイスコーヒー
庭園の見える座席は雰囲気も抜群

 2件目はお馴染みSTARBUCKS COFFEEの道後温泉駅舎店。スタバは日本全国に存在する誰もが知るカフェだが、駅舎店ということからも分かる通りに道後温泉駅の駅舎がスタバになっている。現行の駅舎は復元駅舎ではあるが、明治末期に建設された駅舎を再現した大正レトロの雰囲気でまさにオシャレ。また2階の窓側の席からは伊予鉄のホームが見えるので、鉄道ファンにも楽しめるカフェ。大正レトロの雰囲気という意味では非常に再現度の高いカフェだと思う。

雰囲気満点の駅舎とSTARBUCKSの文字
大正レトロを感じる内装
落ち着きとレトロを感じる窓際席
階段もオシャレさを感じさせるレトロな内装

奥松山に聳え立つ愛媛FCの聖地

 夕方から夜にかけては愛媛FCのホームゲームを観戦。ホームスタジアムのニンジニアスタジアムはJ2時代は臨時のシャトルバスが用意されていたが、J3に降格してからは路線バスのみに。基本的には松山市駅や県庁前から乗車する形になるが、松山市街地から南東に一本道で約10km、途中で各バス停に停車するので、今回は大きな渋滞もない中で45分程度とかなり長い時間の所要時間を有する。ナイトゲームの場合は臨時でシャトルバスを出してくれるが基本的に試合前日までの要予約であり、試合後は基本的に指定された数箇所のみの停車。しかし松山市駅まで約35分を有したのでアクセスには課題があると言わざるを得ないのが現状。
 スタジアムとしては1980年のインターハイ開催に向けて建設された40年戦士のスタジアム。諸所で改修を入れているが、基本設計や通路の狭さやトイレの導線等はどうしても古さを感じてしまう部分ではある。屋根もなくスタジアムの評価としては厳しいと言わざるを得ないのが現状ではある。
 しかしながら2006年のJリーグ参入以降、苦しい時代や2015年のプレーオフ進出、2021年のJ3降格など、その全ての歴史を見守ってきた愛媛FCの聖地である。ずっと使い続けるのは厳しいとは思うが、愛媛FCの歴史を紡き続けていることは言うまでもなく事実。

ニンスタのパノラマ写真

◆2日目・松山→広島

松山市にもある海の見える駅

 2日目もまずは松山から。愛媛県は瀬戸内海と豊後水道に囲まれた海の見える県ではあるが、海の見える駅として伊予市にあるJR予讃線の下灘駅は全国的にも有名でありJRのポスターに起用されたこともある。しかしながら予讃線は内子線経由の短縮路線がメインとなり、海側路線は時間帯によっては3時間に1本程度の場合もあり、訪れるには難易度が高い。
 しかしながら松山市内にも下灘駅と同様に海がすぐそこにある駅が存在する。伊予鉄道高浜線の梅津寺駅である。松山市駅から約20分・本数も概ね15分に1本なので訪れやすい駅である。但し無人駅かつ、駅の周りにはみきゃんパークぐらいしかないので注意が必要。ただ、みきゃんパークにはカフェが併設されており、オレンジジュースなどは頂くことが出来る。

ホームの下はもうすぐそこに海がある梅津寺駅
愛媛県イメージアップキャラクター”みきゃん”をあしらったみきゃんパーク梅津寺

 また駅すぐ隣には人工芝グラウンドである愛フィールド梅津寺がある。現在は主にサンパークを利用しているが、かつては愛媛FCのメイン練習場でありクラブハウスも併設されている。現在もサンパークが利用不可の場合に使用されている他、ユース生が利用している。この日も午後からユース生の試合が行われたそうだ。

愛媛FCにとって重要拠点の1つである愛フィールド梅津寺

フェリーで瀬戸内海縦断

 梅津寺駅から1駅先、高浜線の終点である高浜駅から広島行きのフェリーが出航する松山観光港までは徒歩10分。高浜駅から連絡バスが出ている他に松山市駅やJR松山駅からも路線バスが出ているのでアクセスは容易。
 今回乗船したのは広島までノンストップのスーパージェット。広島までは出航後1時間10分。通常のフェリーは車輌等も詰め込めるが、このスーパージェットは旅客のみという違いがある。今回は思い切って2Fのグリーン車に相当するスーパーシートを選択。差額は800円なので首都圏の普通列車グリーン席や関西の新快速Aシートのような感覚。フットレストやコンセントもあり座席のグレードとしては非常に快適だったように思う。ちなみにフェリーといえば心配なのが船酔いだが、私は人並みの感覚だと思う。ちょっと気持ち悪くなりそうな時もあったが、飴やガムといった口に含む物を入れていると落ち着く感覚があったので個人的にはオススメ。

乗船したスーパージェットには道後の文字

 途中の車窓としては音戸大橋・第二音戸大橋の真下を潜る場面や、海上自衛隊の潜水艦を横目に見れるなどフェリーならではの光景を見ることが出来る。

海上自衛隊の潜水艦を捉えた迫力の光景
音戸大橋・第二音戸大橋と2度橋梁の真下を通過する

 到着後、広島側のアクセスとしては路面電車の広島港電停がターミナルを出てすぐの立地。広島駅までは約30分であり、ここら辺の所要時間は松山市側とほぼ同じである。

15年目を迎えたボールパーク

 広島に到着した後はマツダスタジアムへ。日本生命セ・パ交流戦の広島東洋カープと埼玉西武ライオンズの試合を観戦。マツダスタジアムは2009年の開場から今年で15年目、今年日本ハムのホームであるエスコンフィールド北海道が開場したことにより、12球団の本拠地として最新のスタジアムではなくなった。しかしボールパーク化のパイオニアとして、今も野球観戦に留まらないエンタメを提供し続けている。
 私の楽しみ方として、まずは広島駅からスタジアムに向かうカープロードのパネル。主力選手のパネルが左手側の線路沿いに掲載されているが、毎年それが変わるので楽しみの1つではある。また既に有名になっているが、ローソンや東横インが赤くなっていたりとカープと広島の街への密着を感じる風景ではある。
 スタジアム内はコンコースをぐるりと一周しながらグラウンドが見れる、最近のトレンドの先駆けとなった構造。プラチナチケット化した時は逆にこれが問題にもなったが、開放感を感じる天然芝のMLB型スタジアム。地味に嬉しいのは席間のシートピッチが一般のスタジアムに比べて広めな部分。宿泊してそのままバックを持って入場することが多いので、ここら辺はすごく助かる。一方でビジター席の問題等は以前より言われている部分だが、死角部分も含めて構造的に短期での改善は不可能ではある。但し今すぐにでも改善して欲しいのはペットボトルの持ち込みが不可な部分。ビン・カン持ち込み不可は多いが、ペットボトル持ち込み不可は特に初夏にテーゲームが組まれている日程では熱中症予防の観点からしても不便ではある。
 とはいえこの時期にはミストシャワーがあったり、子供が遊べるスペースがあったりと野球観戦以外でも楽しめる部分にも趣向を凝らしていてファミリーで楽しめる、まさに”ボールパーク”となっている。

緑の芝生と青空とカープの赤が映えるボールパーク

定番・広島の味

 今回は試合が終わったらすぐに帰る予定とはいえ、ちゃんと時間を確保して広島というのは昨年のマツダ参戦以来1年ぶりとかだったので、定番の味のお好み焼きを頂いた。広島駅は絶賛工事中であり訪れる度に風景が変わるが、2023年現在は駅ビルekieが主に広島の味を提供している。
 この日は3連戦の最終日かつ日曜ということで、西武ファンや遠征の広島ファンに一般の観光客も混じって大混雑。1Fのekie DININGのお好み焼き店は軒並み行列で、食べ終わるのに1時間半ぐらい要するぐらいの長さ。そんな中で私が頂いたのが2Fのお土産店街の奥にある電光石火さん。店舗の位置が少し奥まっていて有名店の割に行列が少なめの穴場店。東京だと渋谷のセンター街にも店舗を構え、広島以外でも堪能出来るが、広島の蒸し焼きスタイルの最高峰とも言える定番の電光石火。ファンにはお馴染みのTHE BLUE HEARTSの曲名を題したお好み焼きで、他のメニューもBLUE HEARTSの曲名を題した品名であり、そういう部分でも楽しめる傑作店。

椅子席でも鉄板で提供されるのが嬉しい名物の電光石火

 お土産には楓乃樹さんのメープルもみじフィナンシェをチョイス。もみじの形をしたフィナンシェで、実食した感じだとこれは老若男女に愛される味だと感じた。もちろん定番はもみじ饅頭だが、毎回それは飽きるという人や餡子が苦手な人には好まれる選択肢(もみじ饅頭は今はクリームやチョコ、抹茶など多くのバリエーションが存在する)でもあるが、単体でも非常に完成度を誇る銘菓だと感じた。

シンプルに味としてもお土産としても素晴らしいメイプルフィナンシェ

まとめ

 今回は約20年ぶりとなる松山と、毎年恒例のマツダスタジアムでのカープ観戦という2本立ての日程でした。特に松山は久しぶりにがっつりとベタな観光という感じだったが、期待値よりも遥かに高い満足感だったとは感じています。観光として軸になるスポットが複数ある街や城のある街は見どころ満載だと思う。そして魚が美味しいのもポイントが高い部分。そして長距離のフェリーに乗るのも長崎の五島列島に行った時以来で、そういう意味でも非日常感を味わえたと感じています。
 広島ではマツダスタジアムでの試合こそ大差で敗れてしまいましたが、年1のズムスタに久しぶりのお好み焼きも食べることが出来て、個人的には今回も非常に満足でした。

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