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News 20240909

非常に寂しいニュースが入ってきました。日本でもお馴染みのモダンタイムスがサンディエゴにある醸造所を閉鎖し、委託醸造専門の工場となります。


コロナという未曾有の危機があったけれども、それまでの拡大路線で借入が多かったり、metoo運動の中で差別問題で揉めたり、色々あって身売りすることになってマウイブルーイングを擁するクラフトオハラ傘下になったのもつい2年前のことです。激動の数年間だったことでしょう。

ティルレイやカナーキーなど新興グループが買収を通じて拡大しており、私はクラフトオハナもその一角を占めると見ています。これらはビールだけでなく様々なお酒、飲料を手掛けており、多角的な商品ポートフォリオです。委託醸造専門の工場にすることでグループ全体にプラスになると判断したのでしょうから、ここからどう動いてくるのか注目したいところ。

ちなみに、アメリカのクラフトビール全体の伸長は鈍化しており、頭打ちだと言う人も出てきています。

その裏でハードセルツァーをはじめとする他ジャンルへの参入も盛んです。それはボストンビアカンパニーのような超大手だけでなく、新興グループもその方向で進んでいてビールに主軸は置きつつも、いわゆるBeyond Beer(ビヨンドビール)にも手を広げた総合飲料メーカー化の流れは既に来ていると考えるのが妥当でしょう。

さて、日本はどうでしょうか。クラフトビール市場が現状どれほどで、まだまだ伸びるのかをまずは検討しなくてはなりません。その上で、飽和状態を見越して多角化の一手を打つことになるでしょう。日本にはレモンサワーに代表される最強RTDの缶チューハイがあり、大手が完全に市場を押さえていて隙間が全くありません。では、多角化する際にどこに向かうべきか。これは広く議論されるべきポイントかと思います。

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