ビールファンの皆様、今飲むべきはウイスキーですよ
突然ですが、ウイスキー飲んでいますか?ビールファンの皆様、今飲むべきはウイスキーですよ。矛盾しているように聞こえるけれど、本当です。
私は蒸留酒も大好きで、ウイスキーも、ブランデーも、ラムも何でも飲みます。無色透明のものよりも、茶色いものが性に合うようです。お酒の抜けも、翌日の体の軽さも蒸留酒の方が良いのではないかと経験上思います。まぁ、全く方向性が違うものなのでそもそも比べること自体がおかしいのですが。
さて、近年多くの醸造所から”バレルエイジ”のビールがリリースされています。”ウッドエイジ”と言ったりすることもありますね。簡単に言うと「木樽で寝かせたビール」のことですが、世界中にかなりのファンがいて発売すると即完売ということも珍しくありません。今注目のビールの1つであり、押さえておいて間違いないです。
私もとある小さなウイスキー蒸留所から樽を譲って頂き、DEVIL CRAFTやkakegawa farm brewingという実力派ブルワリーとご一緒してチャレンジしてきました。原料や発酵過程からは生み出せない独特の風味があって何にも代えがたい。
リリースはあるものの、発売本数が少なくてなかなか実際に飲む機会には恵まれません・・・一人のビールファンとしては非常に寂しいし、悔しいです。なかなか飲めないのには簡単な理由があります。樽はタンクより小さい。これだけです。樽の大きさを表す表があるので、こちらをご覧下さい。あまりシェリーバットを使用した話は聞きませんので、基本はバーボンバレルかホグスヘッドが中心でしょう。最近はワイン樽の使用も増えているようですが、どちらにせよ樽には300L程度しか入らないのです。タンク一本で数千Lも作っている醸造所が多い中、樽1個で300L。樽ごとに個体差があって味わいも違うので、平準化するのは大変です。結果、リリースされる本数が極端に少ない。ですから、値段が高くなっても仕方ないのです。美味いか不味いかは最早関係ない。
ふと思うのです。クラフトビールファンは蒸留酒を飲んでいるのだろうか?ウイスキーやブランデーを飲まずして、樽由来の熟成感が理解できるのか・・・疑問です。確かにバレルエイジしたものはいつもと違う風味がします。でも、それが質の高いものなのか、とってつけた偽物なのか。とりあえずそんなことは考えずに”希少性”自体を愉しんでいないかしら?と。
例えば、バーボンバレルの良い香りは”バニラやチョコレート”のようです。悪い香りは”油の酸化した古いバナナチップ”のようです。この違いは恐ろしく大きい。機会があれば是非ご自身で体験してみて下さい。