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News20241023 欧州独立系ブルワリーを示すマーク

独立醸造者協会(the Society of Independent Brewers and Associates、略称SIBA)が開始したキャンペーンが注目されています。その名もIndie Beer。

IndieはIndependentを意味し、このキャンペーンで強調されるのはこちらです。

インディペンデントビールは、生産するビールの品質と風味を本当に大切にする本物の人々によって手作りされています。

独立系ビールを選ぶと、世界的に大量生産されているビールよりも、はるかに多くのスタイルとフレーバーの選択肢があり、おいしいパイントを楽しめます。重要なのは、地元のビジネスをサポートし、地元のパブを保護し、より持続可能な選択をすることになるということです。

https://indiebeer.uk/index.php

具体的な取り組みとしては、醸造所が大手の傘下になく独立しているかどうかを確認できる醸造所チェッカーと、醸造所が本物のクラフトビールであることを示すために使用できる保証マークが含まれています。このマークが付いている独立系ビールを積極的に選び、ローカルビジネスをサポートしていくのを啓発する活動です。

どこかで聞いたことのある話ですね…

こういう動きはすでにアメリカでありました。

シールが生まれたのは3つの理由があってのことです。

  • ①調査会社による調査によると、独立していることに共感する人が81%

  • ②ミレニアル世代が特に顕著であるが、ビールの飲み手は口にするモノに関して「透明性」を重視する

  • ③透明性と会社の所有に関することが購買行動を促進する

アメリカで先行していた状況が欧州でも顕在化し、英国の媒体であるThe Drinks Businessで下記のように示されています。

調査対象者の75%が、ビーバータウン、カムデン、フラーズなどかつては独立していたクラフトビール醸造所からビールを購入する際に消費者が誤解されていると考えていることがわかった。これらの醸造所は現在、それぞれ世界的なビール大手のハイネケン、バドワイザー、アサヒの傘下となっている。
調査対象者は、かつては独立系だったが世界的なビール会社に買収された5種類のビールの画像を見せられた。ビーバータウン ネック オイル(ハイネケン)、フラーズ ロンドン プライド(アサヒ)、カムデン ヘルズ(バドワイザー)、ブリクストン リライアンス ペール エール(ハイネケン)、シャープス ドゥーム バー(モルソン クアーズ)である。これらのビール醸造所は実際には独立したものではなく世界的な会社が所有していると伝えると、調査対象者の75%が消費者が騙されていると感じたと答え、調査対象となったビール愛飲家では消費者が騙されていると考える割合がさらに高く、81%が消費者が騙されていると考えた。

https://www.thedrinksbusiness.com/2024/10/beer-fans-can-now-identify-true-independent-breweries/

こうした動きになるのはある意味自然である気もするのですが、私にはマークやシールが素敵な飲用体験を保証するとは思えません。聞こえの良い大手商品の不買運動にも見えて、少々距離を取りたくなります。証明シールを敢えて付けないスタンスというのもあり、個人的にはこういう考え方に共感を覚えます。

冒頭で引用した文章の中に出てくる「本物」という言葉は原文だとGenuineという語が当てられています。偽物ではないという意味だと考えて良いのですが、大手も中小も作っているのは間違いなくビールであり、それ自体味わいや香りによって区別出来るものではありません。情緒的な価値をGenuineによって、つまり相手を下げることによって生み出すのはちょっと嫌だなぁと感じます。他にぴったりの言葉があるような気がしてなんだか少しモヤモヤするのでした。

そもそもIndependentであることの意味や価値とは何でしょうか。今日のこの文章がそんなことを考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

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ヲキトシヒコ/CRAFT DRINKS
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