ジョージアに乾杯!
うわぁー、何これ。なんて感覚なの…。とろけて自分の中に吸い込まれていくよう。どこまで落ちていくのかしら。
今までに、ワインをこんなに身近に感じたことなど、一度もなかった。いつも何処か気取りがあって、とげとげしていて…。でも、これが本当のワインなのね。
何処かでもう出逢ったような気がする…。気のせいかな。よく分からないけど、なんかとても懐かしいような…。
昔は南方思考だった。でも結局、西へ赴いた。ただ、今は東へ向かっている。ほら、どんどん夜が明けているでしょう。その内に、日本が見えてくるかな。ずいぶん前に飛び出しちゃったけど…。
今、確かにそっちへ向かっている。ところで、ここは何処…。
収穫の終わりに仲間が集うスプラ(ジョージア式晩餐会)。タマダ(進行役)の音頭とりで、官能的なポリフォニー(多重層合唱)が美しく響く。決して玄人ではない、先程まで畑で葡萄を穫っていた人たちの歌だ。誰かが歌い始めると、みながそれに合わせ、ハモる。三重にも、四重にも。見事というしかない。その素敵な調和に、得体の知れない感動が体を駆け抜ける。すると細胞の核で、ドブロクのようなワインがはしゃぎ出した。
私は酔っている。いいさ。この感慨を誰かに伝えられれば…、それでいい。