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僕とヤツの激闘の記録

皆さま、お疲れ様です。

今日もnote書いていきます。

今日はですね、神経をすり減らした戦いについて書いてみたいと思います。

激闘の序章 立ちふさがるヤツ

今日はなんだか気温も高くて、暖かいというよりは暑いと言って良さそうな天候でした。
日中、部屋で仕事をしていてもじっとり汗ばむくらいで、まだ夏なんじゃないかという感じでした。

19時くらいに仕事が終わって、嫁に頼まれていた買い物に出かけようとしたんです。19時というともう辺りは暗いので、自宅のドアを出て、草が生え放題の前庭を、スマホのライトで足元を照らしながら自転車まで10メートル弱くらいの距離を進んでいると……

心臓が、跳ねました。

身体が硬直して、息が詰まりました。

血の気が引いて、体の末端が急に冷たくなりました。

ヤツが……ヤツが居たんです。

そう。僕が地球上の生物で最も嫌いなヤツ。
夏場の夜、帰宅するとたいてい前庭の敷石の一つの上に鎮座しているヤツ。
嫁は「『無事帰る』ってことで、縁起が良いじゃん」なんてたわごと言っていた、まるで我が家の庭の主のようなツラをしている、ヤツ。

陽気に当てられてまだ冬眠の季節じゃないと思って出てきたんでしょうね。
カエルが自転車のそばの敷石の上に鎮座ましましていたんですよ。
横を向いて、じっとしています。

緊急退避

強張るからだを引きずるようにして、いったん玄関ドアの中に戻りました。

「死ぬ」

すぐに戻ってきた僕を不審に思った娘たちに向けて、僕は言いました。

「もう出かけるの嫌。俺はもうダメだ」

奴を見ると、たいていこういう反応をするので、娘たちはもう慣れています。あぁ、カエルが居たのね、くらいのうっすい反応で、リビングに戻っていきました。
僕の感じている恐怖を軽く見てるんです。ホントに怖いのに。

嫁に向かって、「俺はもう出かけない。買い物なんて行かない。今日じゃなくてもいいでしょ」と駄々をこねてみたのですが、まぁ綺麗に弾かれまして。

近寄ってその辺の小石でもければ道を空けるし、何ならまたいだって動かない事もあるんだから気にせずいけ、と。

いやいやいやいやいや。ヤツは近づくと動くじゃない。どっちに動くか分からんから怖いんじゃない。
近づいて急にとびかかられたら死ぬよ? 心臓止まるよ?

でもまぁ、抵抗空しく買い物には行くことになりました。

二度目の邂逅

意を決して玄関を出まして。戦場に再び向かいました。

…………

…………………こっち向いとる

奴は、迎撃態勢を整えて、まさに僕と正面で向き合うように体の向きを変えていました。

え? 刺激したらこっちに飛ぶじゃん

こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい…………
※50手前のオッサンの心の中です

ヤツまで3メートルくらいのところで止まり、庭の石を拾って投げてみました。
恐怖ですくんだ僕の体は思うように動かず、石はヤツにはかすりもしないどころか明後日の方向に飛んでいきます。

ならば足だとその辺の砂利をけってみますが、遠いからかヤツは全然動じません。

これは……本格的にクロスレンジの打ち合いをしなければならないのか……

こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい………
※何度も言いますが、50手前のオッサンの心の中です

じりじりと歩を進め、ヤツまで1.5メートルくらいまで近づきました。
相変わらずこちらを向いています。
そこから小石を蹴り飛ばしてみても、全然動じない。石を投げてみても、やっぱり動かない。

泣くぞ。オッサン、泣くぞ。

ある気付き

ここまで近づいても、小石が近くに飛んできても全く動じる様子がないヤツを見て、僕は家族のグループラインに感じている恐怖を投げかけます。
スマホでメッセージを打ち込みながら、視線はヤツから離さない。
ギャルより器用なことができている事に気づかぬまま、「怖くて動けん」「あいつどうやったら退くの?」「こっち向いとる」とか打ちまして。

すると嫁が、「いつも近くで小石蹴ったら退くけど。死んどるんじゃない?」と。

えっ!? 死んでる可能性あるん……?

確かに。全然動かんしね。小石は直撃してないけど、周りには散々投げられているのに、全く動じない様子を見ると、もしかして死んでる……?

いやいやいや、油断は禁物じゃよ。
もう一度小石を蹴散らして様子を見てみよう。

で、小石を蹴ると、ちょっと大きめの小石が顔面付近にヒット!
直撃したから動くかな、と思いきや、クタッとひれ伏すように崩れ落ちた……!

ん? ポーズ的には、子供のころによく見た、夏場の道路でペチャンコになって干からびたヤツのポーズに似ている……
動かないしな。
アレ? ホントに死んでる??

最後の一撃

死んでるならこのまま跨いで自転車にたどり着けるぞ。
よし、行くか……

いやまて。ヤツはトリックスターだ。突然動き出すことがあるかもしれん。
慎重を期すために、つんつんしてみよう。

ウチの前庭には、庭木を切った後の長めの枝が放置されているので、1メートルくらいの手ごろな枯れ枝を手に取ってそっと伸ばします。

つん。

動かない。
弱いかもしれん。ちょっと強めに……

つん

やっぱり動かない。

いやいや、油断するな。ちょうどヤツの5センチ手前に大き目の小石が落ちておる。そいつをはじいてヤツに当てて、それで動かなければ確定と考えよう。

よし……小石を枝で…ピシっ!


ビヨーーーーン! ビヨーーーーン!

どぅわっぁぁあっぁっぁぁぁっぁっっぁぁぁあ!!!!!!!

突然狂ったように跳ねたヤツは、僕の方ではなく、庭の草むらの中に飛び込んでいきました。
カエルって横にも飛べるんですね。

心臓止まるわ!!!!!!

思えば、恐らく顔面付近に直撃した小石の衝撃で、ヤツは気絶していたんでしょうね。だから、クタッとなっていたのではないかと。
周りに小石を飛ばしても動かなかったのは、冬眠が近くて眠かったのではないかと思います。
だいたい、最初に見たときと2度目に見たときで向きが変わってるんだから死んでるはずないんですよねw

ともかく、ヤツが草むらに逃げ込んだことで視界から外れ、道が開けたので大急ぎで自転車に乗って買い物に出かけました。

生活必需品やらいろいろ買いこんで、自転車に乗って帰宅。
前庭が自転車のライトで照らされ……

ラウンド2 ファイッ!!

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