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元オタクが語る『バーニングアイス』2017
作品情報
主演:
秦昊(チン・ハオ)
鄧家佳(タン・ジアジア)
姚橹(ヤオ・ルー)
代旭(ダイ・スー)
寧理(ニン・リー) 他
原題:『無証之罪』/中国現代ドラマ(全12集)
日本語版配信メディア:Amazonプライム+U-NEXT+YouTube
キーワード:クライムサスペンス+心理戦+淡い恋心
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どんなクセにもなれるからすごい
近年の中国映画界ドラマ界は活況で、毎年いろんなジャンルの作品が作られている。
しかし日本ではとかく古装ドラマばかりが取り上げられ、こういう社会派ドラマは日本語字幕付きで観られる機会が少ない。
それが今、本作はYouTubeででさえ日本語字幕付きで観られるようになっているから、ぜひ観て欲しいと思う。
テレビドラマではなくネットドラマなので、全12話と取り掛かりやすいし、実際内容的にも12話で過不足がない印象だ。
ちなみに設定は架空の街だが、撮影地はロシア風の古い建物があちこちに残るハルピン。
大河まで凍りつくような北の街の冬が物語の舞台となるが、この街のこの暗さや古さがまさに、この作品の世界観を語る。
本作品は、人気ミステリー作家が原作者で「レッド・クリフ」の韓三平が製作総指揮の、クライムサスペンスだ。
2017年にネット配信で公開され、記録的な再生回数に至った話題作である。
犯人や事件の真相は、早い段階で判明する。
つまり、犯人を特定するまでの推理とか完全犯罪を目指すトリックとか、そういったものを見せるドラマではない。
犯罪の裏で絡む関係者たちの思惑や、非日常の中で変わっていく人の思考、人間の本能的な欲などを描いたものであり、心理戦や謀略の数々がそれらを鮮やかに浮かび上がらせる。
先が読めずハラハラさせる展開は面白いが、人の醜さや恐れが痛いほど描かれるので、観ていて辛い場面が多々あった。
暴力的でグロテスクなシーンももちろんあり、ポテチでもつまみながらお気楽に観られるようなドラマではないことを申し添えておく。
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正直あまりよく知らない
あらすじ(ネタバレ注意!)
2組の男女が物語を紡ぎ出す。
まずは警察署にて。
証拠より直感を信じ、犯人を特定するためなら手段を選ばない破天荒な敏腕捜査官、厳良。
そして、暴走しがちな彼を諌めながらもフォローし続ける冷静な女上司、林奇。
彼らは、犯人を雪だるまと名付けた猟奇的連続殺人事件の捜査過程で、事件の鍵を握るチンピラが殺されたことから、ある1組の男女に目をつける。
その男女が2組目のストーリーテラー、淡い思い出を持つ高校時代の同級生同士だ。
真面目を絵に描いたような弁護士見習いの郭羽と、美しさ故に何かと男性トラブルに巻き込まれる朱慧如は、あるとき偶然に再会する。
彼が彼女を助けようと手を差し伸べてから、二人の平穏な日常が狂い始める。
慧如がチンピラに襲われ、駆けつけた郭羽の目の前で、そのチンピラを刺し殺してしまうのだ。
そのまま自首すれば、過剰防衛といえども軽い量刑で済んでいただろうに。
動揺する二人の前に突然現れた謎の〝おじさん〟が、静かな声で提案する。
「もしも今起きたことの全てを変え、何事もなかったように今までの生活を続けていく方法があるとしたら、挑戦したいか?」。
二人は混乱したまま「そうしたい」と答え、〝おじさん〟の指示の下、原題タイトルの〝無証の罪(≒立証不可能な犯罪)〟が作り上げられていく。
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物語の陰の主人公たる〝おじさん〟、すなわち駱聞は、優秀な監察医だったが事業家へ転身し成功したという経歴の持ち主で、残りわずかな余命が尽きる前に消えた家族を探し出そうとしていた。
その駱聞の秘密を知って駱聞に信頼を寄せる慧如と、終始駱聞を警戒してだんだんと思いつめていく郭羽の対比が、印象的。
厳良と林奇の捜査の手は、徐々に郭羽と慧如へと延びていく。
そして次々と事件が起き、関わる人間たちの思惑が糸のようにもつれてほどけない。
追い詰められていく郭羽は、次第に秘密を多く抱えるようになる。
元オタクが思うこと
世の中の悪という悪を全て1つに集めて擬人化したような李豊田が登場してからの展開は、人間の犯す罪のほとんどは欲の権化なのだと改めて感じられる。
しかし本当の恐怖は、人間の尽きることのない自己愛であり、それはともすれば狂気にもなる。
一番怖いのは命を何とも思わないほどの金への執着なのか、それとも、尽きない人の欲深さか。
目が離せずつい一気見してしまう、だけど人間という生き物が怖くてずっとソワソワしている、そんな12時間を私は過ごした。
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他作品を観て それは彼の演技力の賜物だったと知る