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『君の瞳に恋してない』
Noteを書きたいと思った次の日にこの文章を書いている。私は文章を書くことが好きではあるが苦手だ。読みづらかったり言葉遣いを誤っていたりしたらそれはすまん。これは私の脳内を文章化するために書く私のためのnoteである。
Noteを使ってやりたいことは基本的に邦ロックについてだ。とは言っても私は楽器を何一つやっていないため、歌詞についての記事が多くなるだろう。素人が聞いて感じたことや考察を好きな時に並べていきたい。
早速本題に入る。今回はUNISON SQUARE GARDEN『君の瞳に恋してない』の歌詞についてだ。2018年発売の『MODE MOOD MODE』に収録されている曲であり、私の大好きな曲のひとつだ。
聞いたことのない人は是非聞いてほしい。
この曲はリード曲でもなければタイアップでもないがMVは1000万回再生を超えている。つまり世間が神曲と認めているのである。
そのためこの曲に関する記事が多数あるが、私はこの曲の歌詞への愛をダラダラと書き綴りたい。
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Aメロ
コンフューズド、困った!
ちぐはぐなんでなんだっけ
さりげなく答えを覗きたくなる悪い癖だね
confusedは困惑しているという意味だ。
違和感を覚えてちぐはぐしているしている主人公がそのちぐはぐの原因を探っている様子。だが主人公はその原因を知っているかのように思える。"答えを覗きたくなる"より、答えはそこにあるけど見ていない、つまり ちぐはぐの原因に薄々は感づいてるということだ。答えを見ることを"悪い癖"として原因を見たいけど見ない、知っているけど悟らない、そんな狭間にいる様子だ。したがって歌いだし"困った!"は、ちぐはぐの原因が分からなくて困った!ではなく、心がちぐはぐしていて手の施しようがなくて困った!ということだろう。
アンビエント、不穏だ!
さりとても咀嚼中で
必ず助けてみせる苦い思いの渦から
綺麗に前半と対応している歌詞である。しかし個人的にここの歌詞は一筋縄ではいかないと思っている。少しずつ解釈していきたい。
ambientとは環境の、周囲の、という意味。置かれている環境を不穏と思いながらも噛み砕いて受け入れようとしている様子だ。
ここで疑問が出てくる。
主人公は誰のどんな環境を不穏と思っているのか
自分が置かれている環境についてなのか、相手が置かれている環境についてなのか。
話すのが遅くなってしまったが、この曲はお察しの通り男の子の女の子への思いが歌われているラブソングである。ここでは敢えて男の子のことを自分、女の子のことを相手と呼ぶことにする。こちらのほうが淡々としていて(私が)好きだから。
話を戻す。
パターン1:自分の置かれている環境についてここで"不穏"と思っているのは、好きと口に出せない環境や引っ込み思案な自分のことだろう。この曲はラブソングだが後にも先にも"好き"や"愛してる"とは一言も出てこない。おまけにタイトルには"恋してない"とまである。相手のことが好きと知っているけど悟りたくない、口に出せない、そんな状況を"不穏"と言っているのだろう。前半と同じような内容だ。
パターン2:相手が置かれている環境についてこの場合、"不穏"の正体は考察のしようがない。だが、この場合は次の歌詞"必ず助けてみせる苦い思いの渦から"と繋がりができる。相手が陥っている不穏な状況=苦い思いの渦 から自分が助けてあげるからね、と筋が通る。
つまり、"不穏"の主語を自分にしても相手にしても前後の歌詞との繋がりが持てる。したがって"アンビエント~咀嚼中で"の部分の主語は決まっていないという結論に至った。
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Bメロ
間違った虚像煎じて間違った未来像
そろそろ止めたらいいのにと思うけど
やっとBメロにきた。
ここの"像"は妄想のことだと思った。"虚像""間違った未来像"は現実でありもしないようなことを妄想していることで、そんなことをしている自分に対して"そんなこと止めたらいいのに"と自嘲気味に言っているのだと思う。
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サビ
ここでサビに入るのだが、一番サビが私がこの曲の歌詞のなかで最も好きな部分なのだ。1回通して見てほしい。
せめて君くらいの声はちゃんと聞こえるように嵐の中濡れるくらい構わないからバスタオルは任せた
金色に揺れる太陽照らす世界でもうちょっと生きてみようと思ったのは君のせいかも
後悔したまま死ぬかもしれないし保証なんかどうせ役たたず
甘い一瞬に騙されて?
良い。良すぎる。好きすぎる。本当に主人公は相手のことが大好きなのだろうなと微笑ましくなる。
聞き初めの頃はbacknumber『高嶺の花子さん』とどこか似ている感じがすると思っていたのだが、この2曲はスタートとゴールが同じなだけであってゴールに辿り着くまでの過程は真逆だと思っている。何が言いたいのかというと
スタート:自分と相手は付き合っていない
ゴール:自分が相手と付き合う
この2点は同じなのだ。逆に言うと、この2点しか同じでないと思っている。具体的に違う点は自分と相手との関係性だ。『高嶺の花子さん』は相手が自分には釣り合わない遠い存在なのに対して、この曲『君の瞳に恋してない』は相手と自分との距離が近く親しい関係にある。サビの歌詞"バスタオルは任せた"から、相手との信頼関係が垣間見える。
このサビの部分は3つに分けて解釈していきたい。
せめて君くらいの声はちゃんと聞こえるように嵐の中濡れるくらい構わないからバスタオルは任せた
ここで触れたいのは言わずもがな"嵐の中濡れるくらい構わないからバスタオルは任せた"の一文だ。君の声が聞こえるのだったら嵐で濡れても構わない、その代わりに君の元についたら濡れた頭くらい拭いてよねという無邪気さもあるようなこの歌詞。好きだ。この言い回しが好き。"バスタオルは任せた"なんて普段使うことがないのにこの曲のこの位置に入れた途端とんでもない破壊力を持つ。"任せた"っていいよなあ。
金色に揺れる太陽照らす世界でもうちょっと生きてみようと思ったのは君のせいかも
どの単語を切り取ってもキラキラしてるこの歌詞もかなり好きだ。だが、ここも疑問がある。
"金色に揺れる太陽照らす世界"はいつのことか
パターン1:今
つまり前まで色の無かった世界が君を好きになったことで太陽の輝く世界になったということ。ベタなパターンだ。
パターン2:今及び君を好きになる前
これは主人公の性格から導き出したパターンだ。この曲の主人公は引っ込み思案で中々前へ行けないような、嫌われてるわけじゃないけどクラスの端で一人で読書をしているような男の子だと思う。なので主人公はこの世の中は自分には輝かしすぎて不釣り合いと思っていたが、君を好きになったことでこんな世界だけどもう少し生きてみようかと前向きになった、ということを表している可能性もあるのではないかと思った。パターン2は私の妄想である。
どちらにせよ、主人公は君がいるからもう少し生きてみようと前向きになった。生きる理由が"君"って創作でしか有り得ないと思うのは私だけだろうか。生きる理由の一つとして好きな人がいるのは分かるが、この曲のように好きな人のためだけに生きている人はいたとしても極めて少数派だと思う。私の恋愛経験が乏しいからこのような思考回路を辿ってしまうのか。まあ、そんな非現実感も含めて大好きな歌詞である。
後悔したまま死ぬかもしれないし保証なんかどうせ役たたず
甘い一瞬に騙されて?
最後の歌詞だよな。"甘い一瞬に騙されて?"
この"?"のあざとさが伝われば私は万々歳である。この"?"が良い。「甘い一瞬に騙されて」だと後に省略されている言葉が「よ(騙されてよ)」など強制の意味があるのに対して、"?"が入ると「みない?(騙されてみない?)」や「もいいんじゃない?(騙されてもいいんじゃない?)」と提案の意味になる。この"?"マークは主人公をよく表している重要なマークだと思う。
そして前の歌詞も良い。どうせ未来は保証されないのだしなるようにしかならない、だったら僕に騙されても(身を預けても)いいんじゃない?ということだ。先に"死ぬ"や"役たたず"のマイナスの言葉を入れてからの"騙されて?"は反則だ。やはりこの曲の歌詞、好き。
初めは1曲初めから終わりまで書いていくつもりだったが、一番だけでこの長さになるとは思っていなかった。疲れたのでここで一区切りとする。続きは気が向いたらやることにする。続きはやらないで別の曲についてやるかもしれない。
いったんおわり。