FUJI ROCK FESTIVAL '24 来日決定!US新世代ハードコア・シーンの最重要バンドのひとつ、TURNSTILEをご紹介!
今回は8月27日にアルバム『GLOW ON』をリリースした、US新世代ハードコア・シーンの最重要バンドのひとつ、TURNSTILE(ターンスタイル)をご紹介したいと思います!
ハードコア・ミュージックというと<激しい音楽性>や<反骨精神あふれるラウド・ミュージック>なちょっと怖いイメージを持たれている方も多いと思います。
勿論、ハードコアの起源をたどっていくと、そういった潮流から誕生したシーンであり、社会的、政治的なテーマを背景に、音楽面に於いても思想面も激しく硬派なイメージは例に漏れず、ございます。
しかし、今日活躍している新世代のハードコア・ミュージックは、多種多様なエッセンスを取り入れることで、単一ジャンルで括るのが困難なほど細分化されてきています。
このTURNSTILEも、そんな先達たちのルーツをきっちりと継承しながらも、ハードコア、パンク、ラップ、ソウル、スラッシュ・メタル、サイケデリックなどの壁を飛び越え、自分たちのサウンド/スタイル/マインドセットをひたすら追求している、今、要注目の新世代ハードコア・バンドです。
日本でもファンが多く、ラウド・ミュージック界隈を中心に既に大きく注目されています。
USハードコア・シーンでは既にトップクラスの人気を誇るバンド、TRAPPED UNDER ICE(トラップド・アンダー・アイス)のドラマーでもあるBrendan(ブレンダン)を中心に、DIAMOND YOUTHやMINDSETといった名の通ったバンドで活動していたメンバー5名で2010年に結成されます。そして、2018年より名門RoadRunner Recordsに所属。
前作からおよそ3年ぶりにリリースされた新作アルバム『GLOW ON』は、<ハードコア・ミュージックの新境地を切り開く>作品として大きく話題になろうとしています!是非聞いてみてください!
2021年7月にオンライン上で実施された、Vo. ブレンダンのオフィシャル・インタビューの一部を掲載いたします!
インタビュアー:大野俊也氏(FLJ)
最後に来日したのは2018年だから、もう3年経つんですね。
ブレンダン:BLOODAXE FESTIVALに出演して、東京でもショーをやったね。あれは最高の旅だったな。日本は大好きだから、延泊しようと思ったんだよ。ファミリーマートのデザートが恋しいな。
2020年からのコロナ禍はどのように過ごしていました?
ブレンダン:音楽をやって忙しくしてたよ。新曲を作ったり、いろんなアイデアを考えたり、映像プロジェクトを始めたり。それ以外は、街を探検してみたり、バイクで旅をして道に迷って、いいところを見つけたりしてたよ。コロナ禍になるまでは、ツアーからツアーで忙しく、家にいる時間がほとんどなかったから、コロナには良い部分もあったんだ。
ターンスタイルの映像を見ていても、地元のボルティモアには自然がたくさんありそうですからね。
ブレンダン:そうなんだよ。コロナ禍になって自然を好きになる人も増えたしね。次に日本に行った時は都会じゃなく、地方の自然に触れてみたいね。
あなたのこれまでの音楽遍歴はどんな感じでしたか?
ブレンダン:最初はやっぱり家族の聴いてる音楽から始まるよね。モータウン、フランク・シナトラ、ジャズを聴いてたし、ミドルスクールからはオルタナティヴ・ロックを聴いて、ハードコア、パンクを見つけて好きになったんだ。音楽の好みが変わっていったというよりも、雪だるま式に好きな音楽が増えていった感じだね。前に好きになった音楽も変わらず好きなままなんだ。だからレンジが広いまま、どんどん新しい音楽を見つけては増えていく。そういう音楽のDNAから僕はインスピレーションを受けて、そこで音楽を作りたいってなるんだ。ターンスタイルに関しても同じことで、ターンスタイルはずっと変わらずターンスタイルなんだ。ターンスタイルは僕ら5人が変わらずやってるバンドだから。ハードコア、パンクの世界出身だけど、オープンにしてるから、あらゆるものから影響を受けるし、絶えず新しいものを発見しながら音楽作りをできてるんだ。
地元のボルチモアは元々ハードコア・シーンが強い街ですが、若い頃はどういうハードコア、パンクを好きで聴いていました?
ブレンダン:最初に地元でハードコアのショーに行った時は、怖かったし、出演バンドもスゴくヘヴィだったから、全く未知の体験だったね。ボルチモアは小さな街だけど、ヘヴィなバンドもメロディックなバンドもいるし、インディ・ロックも盛んで、いろんなバンドが同じショーでプレイすることが多かったんだ。そういうのは潜在意識に刷り込まれてたんだろうね。今ではジャンルごとにハッキリ分かれてるところが多いんだけど、当時のそういうジャンルがミックスしてたのには、今となっては感謝してるよ。
トラップド・アンダー・アイス(TUI)ではドラマーをやっていましたが、ターンスタイルでヴォーカルをやるようになった時、クリエイティヴィティ、音楽性における変化はありました?
ブレンダン:もちろんあったよ。僕は一緒に音楽をやる仲間に恵まれてるんだよね。みんなオープンだし、幅広く音楽が好きだから、一緒にやってるとウマが合ったんだよ。TUIにしても、いろんなヘヴィ・ミュージックから影響を受けてるんだ。ターンスタイルを結成した時、TUIで受けたのと同じような影響は残しつつ、進化もしたかったし、オープンにして間違いないと思うものはどんどんキャッチしていったから、新しいインスピレーションもどんどん入ってきたんだ。
ターンスタイルが新しい曲を出すたびに驚かされるのは、境界線がないっていうことなんです。曲はどうやって作るんだろうと思って。何でもありなのか、それとも何かターンスタイルとして決めているがあるのか。
ブレンダン:ターンスタイルの唯一のルールは、自分たちにとってエキサイティングかどうか。それだけなんだよ。どのレコードを作る時も、正直、他の人がどう思うのかはわからないんだよね。だから基準となるとは、僕たち自身が納得できるかどうかで、僕たちみんなが良いと思えるものなんだ。曲作りのプロセスは、どうスタートするかで常に変わってくるよ。ドラムのビートから始まれば、ビートに合わせて作るし、ギターのリフでいいのが浮かんだら、次はコード展開や歌のメロディを考えるし。一番最近だと、ピアノから作り始めた曲もあるよ。ピアノでコードを考えて、歌のメロディを作っていったんだ。その曲は特にターンスタイル用に作ってるつもりはなかったんだけど、さらにアイデアが出てきたから、ターンスタイルの練習でギターとドラムを入れてやってみたら、上手く形になったんだ。いろんなやり方からターンスタイルの曲が生まれるのは本当に面白いね。
スゴく曲を練って作っていますよね。メロディ、曲構成、リフとビートの絶妙な組み合わせ、すべてはディテールにこだわって作っているからだと思いますが。
ブレンダン:そうだね。出来た曲はいつも少し置いておくんだ。曲が間違いないかどうか確かめたいからね。すぐにピンと来ることもあるし、置いておいて1~2年後にもう一度チェックして、違う感覚でいけてると思うこともあるし、さらに新しいアイデアが浮かぶこともある。時間をかけて、曲のディテールまでこだわるのはスゴくエキサイティングなことなんだよ。曲が一旦出来たら、違う要素を加えて、その曲に装飾を施すようなことができる。僕にとってターンスタイルは、最もバンドという形式に忠実な存在なんだ。ライヴを想定してレコーディングをするんだけど、ディテールにこだわって作り込んで、納得できるまでビルドアップしていく。フィーリングを盛り上げるために、パーカッションやシェイカー、ピアノ、変わったフリーケンシーとかを足してみて、ベッドルームで曲を聴いた時に、さらに新たな音楽体験ができたらいいなと思ってるんだ。
ドリーミーなエレクトロニカのサウンドが入っているのもいいですね。
ブレンダン:ありがとう。どのアルバムでも心がけてるのは、一つのところにとどまる必要はないっていうことなんだ。ダイナミックでファストでヘヴィっていう方向性も好きだけど、それ以外にもいろいろやりたいしね。
ファンキーでソウルフルな要素は、どこから来ていますか?
ブレンダン:リズムで言うと、ターンスタイルにはドラマーが多いんだよ。ドラマーのダニエルは最高だし、フランツも僕もドラムを叩く。ブレイディもパットもドラムを叩くんだ。みんないろんな音楽が好きだし、ドラムとリズムは重要だから、いろんなリズムが好きなんだ。R&B、ラテンも好きだし、僕たちが小さい頃、ワシントンDCのゴーゴー・ミュージックを聴いて育ったのも大きいね。ゴーゴーはドラムとベースが主体のユニークなジャンルで、僕たちの音楽もそことつながってるんだよ。
アルバム『GLOW ON』が出て、今後のプランは?
ブレンダン:ライヴ・ミュージックがやっと戻ってきたから、ライヴの予定はいろいろ控えてるよ。アルバムを出して、できるだけたくさんライヴをやりたいね。これからも友達と一緒に音楽を作って、できるだけたくさんいい経験をしていきたい。
最後に、日本のリスナーにシャウトアウトを。
ブレンダン:日本で出会った友達はみんな素晴らしい人たちだったよ。僕たちをフックアップしてくれた人、僕たちを好きになってくれた人、みんなにまた会いたいな。日本に行くことは僕のリストのトップに入ってるよ。
NEW ALBUM『GLOW ON』 2021.08.27 OUT
『Time & Space』(2018年)以来、約3年ぶりとなるニュー・アルバム。
Mike Elizondoと、バンドのフロントマンBrendan Yatesとが共同プロデュース。
「HOLIDAY」、「NO SURPRISE」、「T.L.C. (TURNSTILE LOVE CONNECTION)」、「BLACKOUT」を含む全15曲収録。
ハードコアの既存のスタイル/概念を拡張し、“新たな可能性をセレブレイト”した作品に仕上がっている。
Tracklist
1. MYSTERY
2. BLACKOUT
3. DON’T PLAY
4. UNDERWATER BOI
5. HOLIDAY
6. HUMANOID / SHAKE IT UP
7. ENDLESS
8. FLY AGAIN
9. ALIEN LOVE CALL (FEAT. BLOOD ORANGE)
10. WILD WRLD
11. DANCE-OFF
12. NEW HEART DESIGN
13. T.L.C. (TURNSTILE LOVE CONNECTION)
14. NO SURPRISE
15. LONELY DEZIRES (FEAT. BLOOD ORANGE)