諜報業界用語:  「(韓国)国家情報院」 <ー 落合信彦さんの小説にもでてくる、元KCIA

今回は「(韓国)国家情報院」について見て行きましょう。

「(韓国)国家情報院(NIS: National Intelligence Service)」 1961年に設立された韓国中央情報部(KCIA)を前身とし、1981年に国家安全企画部(ANSP)に改称、1999年に現在の名称である国家情報院(NIS)に改称されました。

KCIA時代は、朴正熙大統領の独裁政権を支える秘密警察としての役割を果たし、野党や反政府活動家に対する弾圧を行っていました。1979年の朴正熙大統領暗殺後、KCIAは解体されましたが、1981年に国家安全企画部(ANSP)として復活しました。

ANSP時代も、民主化運動に対する弾圧など問題がありましたが、1990年代以降は民主化の流れを受け、情報機関としての改革が進められました。1999年に国家情報院(NIS)に改称された後も、改革は継続されており、現在は情報収集・分析機能に重点を置いた情報機関となっています。

組織

NISは、院長の下に4つの局と1つの室が置かれています。

  • 局: 情報局、分析局、国内情報局、海外情報局

  • 室: 監査室

  • 情報局: 対北朝鮮情報活動、海外情報活動などを担当

  • 分析局: 収集した情報に基づいて、情勢分析や政策提言を行う

  • 国内情報局: 韓国国内の反政府活動やスパイ活動などの監視

  • 海外情報局: 海外にいる韓国国民の保護

  • 監査室: NISの内部監査

人員

NISの職員数は約4,000人です。

予算

NISの予算は約2兆ウォン(約2,000億円)です。

問題点

NISは、過去に政治介入や人権侵害などの問題で批判されてきました。近年では、改革が進められていますが、依然として課題が残されています。

  • 政治介入: 過去には、大統領選挙に介入したり、野党や反政府活動家に対する弾圧を行ったりした。

  • 人権侵害: 過去には、拷問や不当逮捕などの人権侵害を行った。

  • 情報漏洩: 過去には、情報漏洩事件が発生した。

改革

NISは、過去の問題点を克服するために、以下の改革を進めています。

  • 情報機関の民主化: 情報機関の活動に対する透明性を高め、国民の監視を強化

  • 人権尊重: 人権教育を強化し、人権侵害の再発防止

  • 専門性の向上: 情報収集・分析能力の向上

評価

NISは、韓国の情報機関の中核を担う組織であり、国家安全保障の維持に重要な役割を果たしています。近年では、改革が進められており、情報機関としての専門性を高めています。

参考

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