用語集: 「プロポジション47」
今回は「プロポジション47」について見て行きましょう。
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「プロポジション47(Proposition 47)」: 2014年11月にカリフォルニア州で住民投票により可決された「プロポジション47」は、「住環境・学校安全法」(Safe Neighborhoods and Schools Act)とも呼ばれ、以下の内容を含む法改正のことです。
概要
950ドル以下の物品窃盗、650ドル以下の麻薬所持を軽犯罪に再分類
軽犯罪の刑罰を、罰金、社会奉仕活動、または窃盗防止プログラムへの参加に限定
軽犯罪の前科者でも、就職や住宅取得の際に不利にならないよう記録を抹消
この法改正の目的は、非暴力的な軽犯罪で刑務所に送られる人を減らし、更生プログラムや薬物治療へのアクセスを改善することでした。
期待された効果
刑務所人口の削減と経費節約
非暴力犯罪者の更生率向上
薬物依存症の治療プログラムへのアクセス改善
犯罪被害者への補償制度の拡充
問題点
しかし、プロポジション47施行後には、以下のような問題も指摘されています。
小売店の被害増加: 万引きなどの窃盗被害が急増し、店舗の閉店やセキュリティ対策強化に費用がかさむ
組織的な犯罪の増加: プロポジション47の抜け穴を利用した組織的な窃盗団が活動
犯罪者への更生プログラム不足: 十分な更生プログラムが用意されておらず、再犯率の減少に効果がない
犯罪被害者への影響: 軽犯罪化により、被害者からの不満や不安が高まっている
評価と議論
プロポジション47は、施行から10年近く経過した現在も、その効果と問題点について議論が続いています。
賛成派は、更生プログラムへの参加率向上や再犯率減少などの成果を強調し、犯罪者の人権保護と社会全体の安全性の向上に貢献していると主張しています。
一方、反対派は、小売店の被害増加や組織的な犯罪の横行などの問題を指摘し、法改正による負の影響を懸念しています。