【エッセイ】ダメだから正解。じゃなきゃ愛さない。
「コミュニケーションが一番大切ですぅ」って、よくそんなこと平然とした顔で言えますね?
お分かりですか? 僕たちの唯一のコミュニケーション方法。
ご存知でしょうか? 僕たちに許された唯一のコミュニケーション方法。
「言葉」です。自然言語です。まぁ、無駄ですよ。伝わるわけない。
原理的に不可能であることを証明するのに、A4の紙、一枚かかりません。
で?
「なんで好きだよって言ってくれないの?」って、聞いちゃうわけ?
「ふっ、無駄だからだよ」
って、シャー・アズナブルに騙されて殺された、自身の弟であるガルマの国葬で、兄のギレン・ザビの演説中にシャーが「坊やだからさ」って呟いたみたいに、そう言わせたいの?
とてつもない間違いをした時には、必ず、「ぜんぜん・・・」って言って呆れた表情をするのが、ボクの昔の上司の口癖だった。
でもね、それでイイの。聞きたいこと、聞いていいの。
なぜならば、この世界は十分、狂ってるから。
この世界は異常なほど、淋しいから。
おかしいでしょ?
いくら言ってることが正しくても、お金が大きい方を優先させるの。それが正解。
おかしいでしょ?
愛してもらえないと死んじゃう生き物が、ひとりぼっちで、誰だか知らん人の(にんげんって、ナニ?)子供として生まれてくんの。ひとりで、だよ?
原理的におかしいの。この世界は。
だから、いいんだよ。おかしくてイイの。ダメでイイの。いちいち言わなくてもイイの。知ってるから。
ダメじゃなきゃ、愛してあげないからね。