「生きる資格」は自分で決める
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」というフィリップ・マーロウ(レイモンド・チャンドラー)の台詞がある。
なるほどいい台詞だ。だがこれを使うのはフィリップ・マーロウのような自他ともに認めるタフガイでなければならないと思う。これはヒロインから「あなたの様に強い人が、どうしてそんなに優しくなれるの?」と問われて言った言葉で、自分から言うようなものではないとも考える。自分から言うとしたら、「私はまじめです」「私は優しいです」と言う人のような空寒しさだけが残る。
日本では「生きる資格」を決められるのは裁判官と裁判員だけだ。そうでない人がそれを使うなら、自分に向けてでなくてはならない。賢しらに「生きる資格」をどうこう言う人には「偉そう感」がどうしても漂う。結局は「強くなろう」「優しくなろう」と誰にも言わず頑張っていくしかない。