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森林浴

先日、疲れた心身を凝縮された森を喰らうことでごまかしたのだけれど、今日は凝縮されていない森の空気を吸引してきた。


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自宅から車で20分、そこから歩いて30分くらいのところにある、ミツマタの群生地。例年より少し早く見ごろを迎えていた。


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地元の有志の方々がお手入れをしてくださっているハイキングコース沿いから、ほの暗い木立ちの中の黄色い花を楽しむことができる。

昨日雨が降ったばかりなので、しっとりと水気を含んだ緑や落ち葉の匂いがしていて、その中に甘いミツマタの花の香りが漂っていた。ミツマタの花の香りを意識して嗅いだのは初めてだったけれど、なんとも甘やかですがすがしい。癒される。


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このようになかなかエグい斜面に群生しているので、しばらくは斜面の下から見上げる形で写真を撮っていた。……が、いい香りがすると傍に近寄りたくなるのが人情というもの。

お手入れをしてくださっている方の許可を得て、エグい斜面をよじよじとよじ登ってみた。


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間近で見ると、なんとも可憐な姿。そしてなんともかぐわしい香り……!ここぞとばかりに思う存分フガフガする。



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エグみのある斜度からローリング滑降しないよう、両足を踏ん張りながらシャッターを切った。が、エグみのある斜度をよじ登ったせいで、早くも両足は生まれたての小鹿みたいな有様になっている(動きがです。形状は立派に育ちきった三浦大根をイメージしてください)。絶え間なくプルプルしているため、手ブレ写真が順調に量産されていくが、気にしてはいけない。「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」の精神で、粘り強く撮影を続けた。


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へっぽこなりに自己満足できる玉ボケも撮れて満足。おひさまありがとうございます。


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ネコメソウ。花びらの一枚がお米粒並みに小さい。


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これはなんというお花なのか分からないけれど、ミツマタよりももっと淡い黄色がとても清楚でうつくしい。これもめちゃくちゃちっこい。


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小さきお花たちの褥となっていた苔も、まじまじと見ているととても面白い。


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先日春の香りを吸引させていただいた桜スポットでは、河津桜はほとんど葉桜になり、入れ替わりで玉縄桜が見ごろを迎えていた。

(プリティ&キューティ極まりないわんこさんが写っていますが、すぐ傍に飼い主さんがいらっしゃいます)


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こちらは彼岸桜。やっぱりこの春はお花たちのお目覚めがちょっと早いようだ。大本命である染井吉野も、もしかすると今月中に逢いにゆくことになるかもしれない。


昨年の春は、「今年こそ行くぞー!」と鼻息を荒げていたネモフィラも(千葉)、藤も(栃木)、コロナの野郎のせいで逢いにゆくことが叶わなかった。恋い焦がれる相手と無情にも引き裂かれ、涙(と鼻水)で枕を濡らした春~初夏だった。逢えない時間が育てた想いは、今や私の胸の内でマグマのように沸騰している。「いつでも準備オーケイだぜ!お望みとあらば、派手なやつをガンガンぶち上げてやるぜ?!」状態である。この熱い恋心を、今年こそ可憐な乙女たちに捧げられることを祈るばかりです。

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