推しと行くソロキャンプが楽しすぎた話
11月29日から30日にかけて、約1年ぶりのソロキャンプに出かけてきた。
今回お世話になったのは、山梨県の本栖湖エリアにある『洪庵キャンプ場』さん。
『ゆるキャン』の聖地としても有名。
本栖湖と富士山が並ぶ壮大な景色を前に、オートサイトでのキャンプを楽しむことができる。
コロナ禍から日常に戻るにつれて、一時の白熱したキャンプブームは去りつつある……なんて話をちらほら聞くが、この日は平日にも関わらず場内はかなり混みあっていた。
お昼ちょうどにチェックインすると、人気の湖畔サイトはずらりと並ぶテントでいっぱい。林間サイトもめぼしい場所はふさがっている。
私のソロキャンプは星空撮影を目的にしているので、なんとしても湖畔はおさえておきたい。
湖畔サイトのうち、水際は地面がかなりやわらかく、車がスタックしやすかったりテントの設営が難しいという話を聞いていたので、水際より少し離れた、ちょっと傾斜のある場所を選ぶことにした。
本当は水際からかなり離れた、平たい地面エリアを狙っていたのだが……そちらはすでにいっぱいだった。来るのがちょっと遅すぎたかもしれない。
富士山もばっちり見えるロケーションを確保。
ヨッシャヨッシャとさっそく設営を始めたが、この日はかなり風が強く、結構手こずってしまった。
おまけになぜか小雪まで散らつきだした。
エッ・・・これ帰った方がいい、ってコト?!(積もったりしたらおうちに帰れない!!!)等とびびり倒したものの、小雪は数分程度で止んだ。
相変わらず続く強風に、オーナーの意向を完全スルーして千の風になって飛び立とうとするシートやテントや椅子に翻弄されまくりながらも、なんとか設営完了。
この日のマイサイト。
おわかりいただけるだろうか……
画面中央の椅子に、何やらちいさくてかわいいやつが鎮座ましましていることが。
そう、今回のソロキャンプのテーマは
『推しと一緒に楽しむ』!
半年ほど前突如として恋に落ち、以来私の生活とお財布に多大なる影響を与え続けている『ちいかわ』のうさぎにご同行願い、野外で一夜を共に(キャア~・・・!)することにしたのだ。
テントの中はこんな感じ。キャンプ時の必需品である鼻セレブは、推しを意識してうさぎモチーフにした。
ととのえたテントにて、さっそく推しにくつろいでいただく。
(ブランケットもちいかわ柄です)
プルャさん(うさぎの愛称)……ど、どうだろうか。
我が寝袋の寝心地は???
『スピー・・・スピー・・・プルルッ』
よかった。お気に召していただけたようだ。
この時点で気温は5℃くらいだが、mont-bellの叡知を結集したこのダウン寝袋ならば、プルャさんもぬくぬくと過ごせるだろう。
すぐに晩ごはんを作るから、それまでゆっくりしててね♡
さて、設営後はすぐに宴の支度に入る。
ソロキャンプに来て酒が切れることほど恐ろしいことはないので、今回も抜かりなく用意したつもりだが、果たして足りるだろうか。
今回のキャンプ飯はずばり『カレーライス』。
王道キャンプ飯だが、10回以上来ているソロキャンプで未だに食べたことはない。だってほら、ねえ……独り分カレー作るのって難しいじゃないですか。ふだん家で作っても3人家族なのに8人前くらいできちゃうし……
なので今回はいさぎよくレトルトカレーを用いることにした。
レトルトと言ってもただのレトルトではない。
『ちいかわ鬼辛カレー』だ。
界隈では「ちいさくてかわいいやつらのパッケージで売っちゃいけないやつ」「間違えて食べた子供が号泣するやつ」等、いくつもの武勇伝を持つ本格辛口カレー。
辛いのがあまり得意でない私は、まず手を出さないジャンルだ。
しかし、ちいかわ原作中ではうさぎがこの鬼辛カレーをウルウル言いながら貪り喰らうエピソードがあるし、ゴブリン監獄編(マジでそういうエピソード回がある)で囚われの身になっていたうさぎがカレーを食べたがっている描写も出てくる。
推しと出かけるはぢめてのキャンプ、これ以外のメニューは思いつけなかった。
カレーはレトルトだが、ごはんはしっかり自分で炊く。久しぶりのメスティン炊飯だ。
蒸らしタイムに入ったところでプルャさんが起きてきた。おそらくおこげのにほひに誘われたのだろう。
せっかくなので蒸らし監督をお願いする。
さて、上手に炊けているだろうか。
アラやだ~!いい感じじゃないのォ!!!
写真撮り忘れたけど、おこげもほんのりできてる!
これを皿に盛りつけ、自宅で作ってきたトッピングのからあげとフライドポテトを添えてできあがり。
さっそく推しに提供する。
プルャさん……ど、どうだろうか。
カレーは間違いないと思うけど、ごはんの炊き加減、お口に合うかしらん……
『ウルウルウルウル』
ハァーッ・・・よかった!お気に召していただけたようだ。
たーんとおあがり♡♡♡
この鬼辛カレー、最初の一口は普通の口当たりだが、後からじわじわと辛みが追いかけてきて口の中がビリビリになる。気温5℃以下の屋外で食べても顔が火照るほどの辛さなので、本当に辛いのがダメな方には厳しいかもしれない。だが、辛いのをこらえて食べていると、その向こう側にあるコクや旨みが徐々に『理解』できるようになる。レトルトと侮るなかれ!これ、結構本格派の味わいです。辛いけどむちゃうまーい!
こっくりと深みのある味わいは、赤ワインのアテとしてもかなり優秀。ついつい酒がすすんでしまう。
そうこうしている内に、日が暮れてきた。
ほんのりと紅に染まる富士山がうつくしい。いつの間にか強風もおさまり、場内のあちこちからは焚き火の香ばしいにおひが漂ってくる。
鬼辛カレーを食べて満足げにしているプルャさんには、再び寝袋でくつろいでいただいた。
私は防寒着を着込み、ソロキャンプの最大目的である星空撮影に出陣。
ピーカン!とまではいかないものの、すっきりと晴れた夜空。風もなく、星撮りには申し分ないコンディション。
私が唯一認識できる星座ことオリオン座もばっちり見える。
場内をうろつき回ってしばし撮影したのち、湖畔にカメラと三脚をセッティングして星シャー真(星影写真)の撮影に入った。
星シャー真の撮影には時間がかかるので、自サイトに戻って焚き火も始める。
目の前にある富士山と、頭上に広がる満天の星と、刻一刻とその姿を変える炎の揺らめきを眺めながら呑むひととき。
至福、としか言いようがない。
ハーッ・・・
焚き火は、『良い』・・・
永遠に眺めていられるな。
1時間後、こんなん撮れてました↓
撮影場所を変えて、もう1枚。
幸運なことに流れ星もカメラにおさめることができた。
久しぶりの星撮りに満足し、日付変更近くにプルャさんと共に寝袋に潜り込む。
この日は明け方にぎりぎり氷点下くらいの寒さだったせいか、よく眠れた。
薪ストーブや電気毛布といった玄人向け本格機材を持っていない身にはありがたい気候で助かる。
翌朝、6時に起床。氷点下2℃。
まだ寝息をたてているプルャさんを起こさないように注意しつつ、カメラと椅子を持って湖畔に移動。
星空と富士山もすばらしいが、夜明けの富士山もまた格別だ。
数分単位で色を変えていく、そのドラマティックな光景から目が離せなくなる。なのでソロキャンプの時はついつい早起きしてしまう。
東の空が極上のカクテルのような色に染まり始めた。
日の出が近い。
おっ・・・
キマシター!!!!!
撮れない!
全ッ然撮れないよッ日の出!!!
難しすぎんだよ日の出!!!!!
おろおろしている内にあっという間に太陽が昇ってしまった。
敗北感…………
ダイヤモンド富士とか皆さんどうやって撮ってらっしゃるのかしら…………
次回はもっと色々勉強してこよう、と新たな決意を胸に秘めて自サイトに戻ると、ちょうどプルャさんも目を覚ましたところだった。
うむ。日の出こそ上手に撮れなかったけど、推しと富士山のツーショはきっと上手に撮れるはず。
何しろ私の推しは……いつも大自然の中を自由気ままに駆け回れる肉体と、雄大な気質と、おおらかでうつくしい魂を持ち、見るもの全てを魅了せずにはおれない圧倒的な存在なのだ。
かの山との相性はばっちりのはず。
さっっ……プルャさん!
記念撮影と参りましょうや。
湖畔にプルャさんをお連れし、アングルに試行錯誤しながらもパチパチと撮影。
プルャさん……どうだろうか。
今日のこの、
澄んだ空と湖と、壮大な富士山。
君も気に入ってくれたかな。
そして、
楽しい一夜を過ごしてくれたかな???
『イヤァーッハァアアア!!!!!』
うん、ウン……そうかぁ。よかった……君に喜んでもらえて何よりだよ。
また一緒にキャンプに来ようね♡♡♡