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JR東日本の大規模障害について考えてみた

JR東日本のやらかしを推察  先日、JR東日本がSuicaの大規模障害を発生させてしまったことは記憶に新しいが、その原因として電源工事にあたり予定していなかったブレーカを誤って落としてしまったことが発表され、一部界隈で大いに話題を呼んだ。このトラブルについて推察してみたい。  まず前提の話となるが、通常サーバの電源は別々の2系統(以後、0系統、1系統とする)から供給されるケースが多い。そのため、何らかの原因で0系統からの給電が途絶えてしまったとしても、1系統からの電源供給

    • コロナの3年間がいずれ野次文化を排除する

       つい先日の交流戦の時期、スタンドからの応援を巡って物議を醸す出来事が立て続けに3件起きた。 それぞれ、ロッテの牽制ブーイング、西武の働けコール、阪神のあと1球コールであり、詳細はリンクの記事を読んでいただければと思う。この場では是非についての言及は脇に置き、なぜ今になって注目を浴びることになったかを考察してみたい。  まず、この3件に関して共通しているのは、昨日今日唐突に始まったわけではないということ。ロッテの牽制ブーイングは遅くとも2000年代には行われていたし、「働

      • はじめてエスコンフィールドを訪れた話

        はじめに  4月29日、30日の二日間、新設されたばかりのエスコンフィールド北海道で野球観戦の機会に恵まれた。いざ訪れてみて、なるほど、これは既存の野球場とは明らかに異なるコンセプトで設計されている、ということを実感できたので、所感を残しておくことにしたい。 球場へ到着するまで  14時のプレイボールにあわせて、12時頃に新千歳空港に到着。ホテルは新札幌に予約していたが、ホテルには寄らず直接球場へ向かうことに。球場へのアクセス手段としては、鉄道で北広島駅まで向かいそこか

        • 「THE NOAH’S REGENERATION」をレビューしてみる

          はじめに  3/29に発売された「THE NOAH’S REGENERATION」。いわゆるエントランステーマ曲集の新譜で、自分も先日購入してから何度も聞いているのだが、これが過去のアルバムと比較しても実に良いのだ。曲ごとのメリハリがあって、聞き出すとつい頭から最後まで聞いてしまう魅力ある作品に仕上がっている。折角の名盤ということで、収録曲について腰を据えてレビューを書いてみたい。ここ最近はアート系の話題が続いていたけど、プロレスといえど音楽の話題でもあるので、まあ広義のア

          「佐伯祐三 自画像としての風景」展

           先日、東京ステーションギャラリーへ「佐伯祐三 自画像としての風景」展の鑑賞に行ってきました。  佐伯祐三という画家については、経歴や画風について多少知っている程度で、体系的に作品を鑑賞したのは今回が初めて。展覧会の概要については、リンクした公式HPに詳しく書いてあるので、ここでは自身の感想を記すことにします。  まず、生涯を通じて画風が暗い、というのが第一印象です。ここでの「暗い」とは、テーマが陰鬱であるとか、悲劇的であるというよりも、単純に色調が暗い。おおよそが鼠色

          「佐伯祐三 自画像としての風景」展

          初めて画廊で絵画を買った話

          画廊へ足を運ぶに至るまで  最初に断りを入れておきますが、決して「無理やり展示会に連れ込まれて、クリスチャン・ラッセンの版画を法外な値段で売りつけられた」とか、「エウリアンに言葉巧みに高額ローンを組まされた」といった冒険譚ではありません。あくまで真っ当に商いをしている画廊で、真っ当に絵画を購入した話です。  さて、あなたは画廊という場所に足を踏み入れたことはあるでしょうか。昨年秋に初めて敷居をまたぐまでは、私にとっては仏具屋や競艇場と同じレベルで縁遠い、未知の場所でした。

          初めて画廊で絵画を買った話

          「戦争とプロレス」感想

          イントロダクション ある日、Twitterでフォロワーさんと「プロレスラーの書いた本」について会話をしていたときのこと。  なんと、TAJIRI選手から直々に引用リツイートされてしまったのである。もともと、20数年前にホームステイ先のニュージーランドで見たWWF(当時)が入口となってプロレスに触れた自分にとって、TAJIRI選手という存在はあらゆる意味でスーパースター。熱狂する異国の会場で戦うさまを、九州の片田舎からCS放送のSMACK DOWN中継で見ていた雲の上の存在で

          「戦争とプロレス」感想