ポガチャル
昨夜はジロ・デ・イタリアが休息日ということで、前日のSTAGE15を観た。夫いわく、「ポガチャルがすごかった」ということで、普段は寝てしまって見ることの少ないレース終盤の10kmほどをじっくり観戦。
結果はもうわかっているけど、最後の山岳コースに入る手前まではポガチャルというスターはまだ集団の中に居て、トップ2からは大きく離れているので、実況も解説も、「さすがのポガチャルも今日は狙わないでしょ」という雰囲気。
というのもこの日のコースは、最難関シリーズなのだそう。
つまりは最長にして最高の山岳コースであり5つの峠を超えた後、ゴールの瞬間まで坂を登り続けなければならない、最後の最後まで選手を痛めつけるようなコース。
ところがポガチャル、徐々にスピードを上げていき、集団から抜け出すと、まさかの山岳コースに入ってからグングンとスピードを上げ、あっという間にトップを捉えてしまった。
残り3kmぐらいになったところ、じわじわと近づいて一気に抜き去る盛り上げ演出かな、と思っていたら、捉えた直後にサッサとスピードを上げ、あっという間にトップに出てしまい、減速することもなく、そのままフィニッシュ。
なんなん、この人。
細身の体に、ローズピンクのシャツ👚。ヘルメットから金髪がピョンピョンとはみ出ていて、ゴール間近の激坂では、苦しそうな表情どころか笑みを浮かべてフィニッシュ。
めちゃくちゃ苦しいコースで、めちゃくちゃシンドイはずなのに、全然苦しそうに見えない軽やかさ。
どんな人よ!
25歳のスロベニアの青年で、20歳の頃から活躍してるらしい!いつもレースではヘルメットとグラスをしてるので!顔は写真で初めて見たけど、なんか想像通りだった。なんというか、図書館で静かに一日中本を読んでるのが似合うような感じというか。
「強さ」って何だろう?
もちろん、筋骨隆々で色黒メキメキな感じだからといってスタミナがあるとは限らない。
覇気に満ちた顔つき、感情の昂りを表情に出ているからと言って、力がみなぎっているとは限らず、むしろ、冷静で穏やかで落ち着いた精神でいる方が、力は発揮できるのかも。
こういうタイプのアスリートが、あっさりと凄い記録を出すのを目撃すると、自分が、いかに見た目から受ける印象に左右されているかに気づく。
とにかくすごい選手だ。
最強ポガチャル。
こちらがレースのハイライト。
おまけ。
ジロ・デ・イタリアの公式チャンネルに行ってみたら、ポガチャルがフィニッシュした後のお祝いムードのロードの上を飛び越えていくスノーボーダー2人がいてびっくり(4:35ぐらい)。
あらためて、このコースの地理的特徴を読んでみると、ここってスキー場になっている山の山頂だとか。そういえば実況の人が「ふつうはスキーリフトに乗って登ってくる場所です」と。サイクリスト、マジですごい。