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外国とは、ドキドキ
今年もシンガポールで開催されるACFというジョブフェアにスタッフとして参加させてもらった。
毎年1月末〜2月中旬に、旧正月などの休暇を避けて開催するのだが、ついに3年目となった。
イベントスタッフとしての仕事は、毎年異なる役割を与えてもらい、常に緊張感とプレッシャーと、そして、あぁ、また今年も英語力をたいしてつけずに来てしまった、という後悔にまみれながら、なんとか役割を果たしている。
が、それ以外のことについては、新鮮味も緊張感も薄れてくる。もちろん、治安的にも環境的にも安全な、シンガポールという国だからと言うこともあるが。
今回も、一緒に参加したみなさんのおかげで、さまざまな楽しいことがあった。とても美味しいレストランにも連れて行ってもらった。
けれども、いちばん、「あ、外国に来てるなー」と感じたのは、1日だけあったOFF 日の朝、1人で街を散歩した、2時間だった。
Googleマップもあるし、いざとなればGRABでタクシーを呼んで帰ることもできる。シンガポールは安全な街だし、そもそも、今は日曜の朝8時。なんの危険があると言うのか。
それでも、それでも、である。
いつも誰かと一緒に行動している(まぁ、仕事なので当然だ)日常がら離れ、一人の街歩きは刺激的だ。行き先も決めずに思いつくままに歩いて行くと、知らぬ間にインド街に入り込み、寺院や、レストランや、貴金属店や、何かわからない店が、たち並ぶ。
周りには自分と同じ形状の顔つきは1人もおらず、みな、堀の深い思慮深い顔をして歩いている。
日曜日だから、礼拝の日なのだろう。寺院の前には100を超すような靴が脱いで並べられ、みな、裸足で中に入って行く。
顔から布巾をかけ、額と目のあたりにお化粧を施している。
ズカズカと入って行くことはしないが、歩いてるだけでも、ちょっとドキドキする。
ひょっとしたら、このまま歩いて行くと、入ってはいけないエリアになったりして。
この日のこの時間帯は、外国人が立ち入るのは超タブーだったりして。
この服装自体、ナンセンスで顰蹙を買ってたりして。
自分の常識と知識では補えないもので作られているかもしれない文化の中にいるからこそ、あぁ、いま自分は外国にいるのだ、と、実感する。言葉が通じない人々しかいない中に紛れ込んでしまった事実が、ドキドキを生む。有名な観光施設でも、世界遺産でもないけれど、知らない場所にいる実感を得ることが、外国に行くということなんだと思った。
とは言え、危険を犯したり、危ない場所に行きたいわけではないし、何かが起きた時には最低限のコミュニケーションは取れるよう、やっぱり英語力はあげなくては、とは思ったのだが。
今年の発見は、シンガポールからフェリーに乗れば、1時間ほどでインドネシアのビンタン島という素敵なリゾートアイランドに行けるということ。来年は、シンガポールから日帰りで「海外旅行」を計画するとしよう。