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詐欺かと思った

オフィスの固定にかかってくる電話って、だいたい営業電話。応対は正直めんどくさいし、中途半端に受け答えしてしまうと、「見込みあり」フラグが立ってしまって、1ヶ月後ぐらいにまたかかってくる。「先日お話し聞いていただきまして、また新しい情報があれば連絡をと言われてましたので」とかなんとか。

私もテレアポ営業してたことあるから、よくわかる。第一関門(電話に出る人)突破して、本丸(担当者とか社長とか)に繋いでもらうためには、「ひょっとして営業電話じゃなくて社長マジで商談してるんかな」と思わすようなリアリティが必要なのだ。

なので私は用事がないと判断できたら口調は丁寧だけど、もう掛けてこないでね、とちゃんと伝えて着拒する。その日の電話も、その類と思っていたのだ。

こんな電話でした(固有名詞仮名です)

株式会社ABCDの山田と申します。ご担当の鈴木さまお願いします。

えーと、鈴木という者はおりませんが。

いらっしゃらないですか?
当社のABCDサービスのパートナー契約をしていただいてるのですが、退職されたのなら後任の方をお願いできますか?

いや、鈴木という者は在籍していたことがないのですが。

え?在籍していたことがないのですか?

はい、我が社の歴史に鈴木の名はありません!

え?? おかしいですね。確かに契約いただいてるのですが。

怪しいな🤨

この辺りから、ちょっと怪しみを感じつつ、ただ、万が一ウチの会社の担当者を騙って訳のわからない契約書にサインされてるとしたら困る。ということで探りを入れる(周りの同僚たちも、なんだなんだ、と気になり始める)

ちなみにですね、その契約というのはいつ締結してるんですか?

昨年の11月17日です。ご契約から1年近く、何もご利用がないのでご連絡させていただきました。

なるほど。その契約書というのは紙ですか?それとも電子的な何かですか?

電子契約です。弊社のサービスサイトからWEB経由でご契約いただきました。

ってことは、サイトにアクセスして、名前やメールアドレスを入力して、それで締結、みたあなボタンを押して契約した、ということですか?

そうですそうです!(ここ、担当の営業さん嬉しそうで面白かった)

なるほど、ではですね、そのメールアドレス、教えてもらえますか?

はい、
suzuki@xxxxxxxxxx.co.jp です!

謎が解けた

営業さんが教えてくれたアドレスのドメインが、うちの会社の社名のフルスペルだったのだが、ウチは創業当時、フルスペルのドメインが取得できなかったので略称の英字3文字にしたのだ。

つまりは、19年前にドメイン取得をした時に、

ちぇーーーーっ使われてるやん!!

と、みんなで落胆した、あのドメインということだ。

ははーん、わかりましたよ山田さん!

え?何がですか?

ウチの会社のドメインは、xxxなんですよ。xxxxxxxxxxの頭文字からとった3文字。

はぁ。

社名違いですよ。xxxxxxxxxx.co.jpは、別の会社です。社名同じですけどね!

あああああ、電話番号、うちの本部スタッフが調べて登録するんですけど、そこで間違えたってことですね。すすすすみません!

いえいえ!こちらこそごめんなさいね。よくできた詐欺がなんかだと思って最初めっちゃ感じ悪かったでしょう。

いえいえ、全然関係ない話にこんなに付き合わせてしまってすみません!

いやー、スッキリしたので大丈夫です。では、これで。失礼しますねー。

はい、ありがとうございましたー!

xxxxxxxxxxドメインは、今は使われてないようだ

電話を切って、ふと思う。

本部の入力担当の人、電話番号調べるために社名で検索したんやな。そこで、メアドのドメインと異なることに気づかなかったんかな。

試しにxxxxxxxxxxco.jpを叩いてみると、そのドメインは使われてなかった。ということは、ドメインを手放したのか。会社もないのかな。まぁ、19年も経つのだから、それも不思議じゃない。

そうかー。つぶれちゃったんかな。もうひとつのxxxxxxxxxxさん。

うちはなんとか19年目に突入。ってことは、けっこうがんばってきたんちゃう?私たち。ドメイン取得は先越されたけど、まだまだしぶとくやってますよ、私たち。

営業電話かと思ったら詐欺?かと思ったら手の込んだ間違い電話をくれた山田さんに、ちょっと感謝した、出来事でした。

山田さん、営業、がんばってね!

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