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『マインドセット やればできる!の研究』やらなきゃ何も変わらないのは、確かだ。

ひとつ前に読んだ『自己否定をやめるための100日ドリル』と、今読んでいる『選択の科学』と、そしてこの『マインドセットの研究』と、期せずして同じようなことを別の角度から諭されているような、そんな内容の本になった。

買った時期も違うし、1冊は半年ほど前に読み始めたものの、なんとなく頭に入らずに止めてしまっていたもの。それが今は、スルスルと身体に沁みてくるように入ってくるのだから、不思議だ。

積読しなけりゃ読むこともない、とは誰が言った言葉だったか。まさにまさに、だ。

マインドセットとは

要するに「考え方」だ。その人に舞い込む出来事や、環境、人間関係、仕事や学業の成果、他人の目、言葉、外部から訪れてくるものすべてを、「どのように考えるか」「どのように捉えるか」で、全ては変わる。

そして、その「考え方」は、2種類。

しなやかマインドセットか?
硬直マインドセットか?

硬直マインドセット

硬直マインドセットは、言い換えれば運命論者とでも言えるだろうか。人間には持って生まれた資質があり、才能のある人は努力しなくとも人より秀でた結果を出すことができ、才能のない人は努力しても無駄という、硬直的な考えだ。

極端だな、とも思ったが、この本で示される様々なケースの中の、特に芸術的な才能については、自分も硬直マインドセットに近いかもしれない、と思った。ピアノや歌などの音楽や、絵画や工作などの美術。または、足の速さや球技などの器用さ。これらは持って生まれたものに、さらに上乗せすることで開花するもので、元々の才能がない分野では、努力しても難しいのではないかと考えていた。

しなやかマインドセット

一方しなやかマインドセットは、すべては努力次第でなんとでもなる、という考え方だ。何かに向き合って、うまくできなかった時でも、「うまくいかなかった理由はなんだろう?」「どうすればできるようになるだろう?」と考え努力を継続でき、いつしか向上している、という人たちだ。また、たまたまうまく出来た時でも、「自分には才能がある」と過信せず、うまくいった理由を考え、過去の自分の行いと結びつけて受け止め、努力あってこその結果と受け止める。

硬直的であるか、しなやかか、この2つを比較しながら、子どもの教育、アスリートの鍛錬、ビジネスで成功した、または失敗したCEOの実例が紹介されるため、とても分かりやすい。

人間関係におけるマインドセット

また、事業や学業だけでなく、人間関係においても、マインドセット次第で、うまくやっていけるか、行けないかが変わってくる、という例もケースが出てくる。

事業学業に関しては、硬直マインドセットの人が信じているのは「才能」だが、人間関係においては「相性」だ。相性がよければ、パートナーは自分の考えを当然のように理解してくれるし、賛成してくれる。もし反対されたり、賛同を得られない場合は、付き合い始めた時にはわからなかったが、実は相性が悪かったのだ、と落胆する。相性が悪いのなら、もうどうしようもない。別れるしかない、と極端に言うと、そう考えてしまうのだ。

実際には、別れるまではいかなくとも、仕方がないと諦めて自分の思いを引っ込めたり、強く自己主張して、こちらの考えを押し付けたり、もしくは、意見対立の場面を避けるために、コミュニケーション量を減らしてしまうのだろう。

私なりに言い換えると、諦めないかどうか、かもしれない。言われた通りのやり方では、今の自分の力量では出来ないが、他の方法はないだろうか? 誰かの力を借りればなんとかなるだろうか? 時間をかけたらできるかもしれない、全く違うアプローチで、同じものが手に入るかもしれない。見方考え方をアレコレ考え、これならいけるかも!にたどり着いた時は、早く試してみたくてワクワクすしてくる。

日々日々襲ってくる、ネガティブな感情を引き起こす出来事に対して、嫌だな、やりたくないな、なんで私が…と思ってしまう時はある。硬直マインドセットで、つい受け止めてしまうのは仕方がない。でもその後で、いやでも、「一度しなやかマインドセットで考えてみようかな?」と、思考実験のように、受け止め方を書き出してみると、案外、マインドセットは変わるかもしれない。

それで人生が好転するなら、やってみようと思った。

そうか、だから、「やればできる!」なんだな。やらないことには、何も起きないし、変わらないものね。

2025年の100冊 009/100

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