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イチオシ
初めてのお店で何を注文するか。私の場合は、特に「これが食べたい!」というものがなければ、そのお店のイチオシをいただくことにしている。
イチオシがわかりにくければ定番を頼む。お好み焼き屋さんなら「豚玉」をお願いするし、ラーメン屋さんなら醤油ラーメン。蕎麦屋ならもりそば。中華料理なら酢豚か麻婆豆腐。ピザはマルゲリータ。パスタはペペロンチーノかポモドーロ。とにかく、初めての場合はそのお店の「得意なもの」をいただきたいなぁと思っているからだ。
店内やメニューを見て、イチオシを感じ取れなければ質問もする。
でも、最近は多様性の世の中だからか、何を美味しいと感じるかはアナタ次第という感じで、「それはお客様のお好みで」と答えてくれないお店もある。オーダーのおしゃべりもレストランの楽しみだし、もし、好みと違ってもいいからどんどん推してほしいなぁと思うが、難しい。お客さん側にも問題はあるのかもしれないけど。
とある日に初めて入ったパスタ屋さんは、ボロネーゼだった(たぶん)。メニューに記載の名称は、正式名称の「ラグー・アッラ・ボロニェーゼ」とあるし、通常メニューの他にパックされたソースも買うことができる。つまり、毎日たくさん作ってるってことで、これはこのシェフのお得意料理に間違いないってことでオーダー。
自分がイメージしていたボロネーゼは、もう少しお肉の油分がきつくて、味も濃厚で、ソースを食べてる感じが強いんだけど、こちらのお店のはシツコさがなく、味も優しい。
パプリカやナスを強火でさっと焦げ目がつく程度に焼いたものを一緒に和えてあるので、煮込んだ玉ねぎセロリの香味野菜のトロトロと、焼き野菜の生食感が組み合わさって飽きなかった。
すごく美味しくいただいた。
カウンターに通していただいたので、お料理のことやワインのことをお話したり、お店に置いてある飾りのことを聞いたりした。おしゃべりな方ではなかったので、もう少しお話してくれてもいいかなぁ(カウンター席だし)と思いながらお店を後にしたのだけれど、あれから数日経って、ハッと気づいたことがある。
ボロニェーゼめっちゃ食べたい。お店やシェフの印象は(申し訳ないけど)そんなに強く残ってないのだけど、そのせいか、ボロニェーゼの記憶がめっちゃ濃い。
そうか、正しいイチオシの推し方は、おしゃべりじゃないってことか。
なんでもかんでも、主張すればいいってことじゃないんだな。そんなことを考えさせられたボロニェーゼ、でした。
あー、ボロニェーゼ、食べたい。