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壺屋の子孫

創作?改作?「壺算」からの「テレビ算」。

「壺算」は、誰のを聞いたんだったかなぁ(過去ログ調べておこう)。小狡い知恵者と、まんまと騙される番頭さんとのやりとりが可愛らしくて好きなネタ。談笑さんの「テレビ算」は、それを現代に置き換え同じカラクリで値段以上の買い物をしようというお話で、秋葉原の家電小売店とのバトルだった。

以前は、聞いたことあるネタだと、あー、知ってる話だな、と思ったりしたけど最近は、同じネタでも違う風にするんかなとか、違う人がするとまた違うのかなと楽しめるようになった。

そして今日のは、始まってから「あ、コレあれや!水瓶をなんだかんだ言って値切って買うやつや!」と気づいてめちゃくちゃワクワクした!

話の筋は同じでも、時代が今で商品がテレビで、やりとりも現代なので違う。でも、同じ。だまくらかそうとする買い物客と、売りたいがために言いなりになる態度を見せつつ損しないように警戒する店員さん。

筋はわかってても演る人によって全然違うから楽しい。今日は特に、あれ?このままいったら、客側が仕掛ける「からくり」に店員気づくんじゃね?て思った時に、談笑さんが、

みなさん!時と時代を超えて店側が勝つ時がついに来ましたよー!!!!

と言って、めちゃくちゃ笑った!

おー、待ってました!な感じ。いいぞいいぞ!店長がんばれ!て思うぐらい盛り上がった。

それもあり、なのが落語。

落語って、何を見に(聴きに)行ってるんだろう。話の筋でもないし落ちでもない、結末変わっても構わないし、通しでしても、端折ってもいい、なんなら、よくわからん筋書きでも要所要所が面白かったり、上手いなぁと感激すれば大満足する。不思議だ。

そういえば今日の一席目の枕ですらそうだ、30分以上の、長い長い枕だった。それもきっかけは一匹のハエだった。

ハエが顔にたかるのを、

また談志がきましたよ

と言い出して、それからひとしきり談志の話をし続けて。私たち(観客)のノリが掴めなかったのか、思っていた客入りと違って掛けるネタを決めかねたのかわからないが、どこに向かっていくのかわからないまま、進んでいく様はなんだか、スポーツのようだった。

落語に行く時はある程度の「こういう風に楽しみたいな」を抱いて行く。思っていたとおり(それを超えていただける)で満足することもあれば、思ってたのと全然違って超満足ってこともある。今夜は後者たつた。

思ってたんとは全然違って、ホント面白かった。

どこに向かっているのか、よくわからん。それが楽しいと思える時は、存外幸せなのかもしれない。

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