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ベンチャーデット【FlexCapital】の活用ケースについて( #起業のデットファイナンス )
概要
年間500名以上の起業家から資金調達の相談を受けるINQの若林が運営する番組「起業のデットファイナンス」に株式会社Fivot代表の安部匠悟さんにご出演いただきました。
今回は2025年2月4日に「起業のデットファイナンス」で配信された『ベンチャーデット【FlexCapital】の活用ケースについて』について記事にしましたので、ご覧ください。
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■ 出演者
若林哲平(株式会社INQ 代表取締役)
デットファイナンスのハンズオン支援を中心に、様々な領域のスタートアップの資金調達を支援。累計1,200件87億円超の資金調達を支援するチームを統括。
https://my.prairie.cards/u/wakaba
安部匠悟さん(株式会社Fivot代表取締役)
メリルリンチ日本証券(現BofA証券)の投資銀行部門にて、主に金融法人グループで銀行・保険会社への助言・引受業務を担当。その後、新しい金融を創るという想いから株式会社Fivotを創業。
Flex Capitalを活用している企業とは?
INQ若林:
1回目は「ベンチャーデットとは一体何なのか」について、前回は、Flex Capitalのサービスコンセプトや具体的な商品について詳しく伺いました。3回目の今回は、Flex Capitalがどのような企業に、どのようなシチュエーションで活用されるとより効果的なのかという活用ケースを伺っていきます。まずは成長モデルという軸で、スタートアップ企業が対象か、それともSMB (中小企業) が対象か、成長モデルで合う合わないがあるのかを教えてください。
Fivot安部さん:
前回説明した通り、Flex Capitalには3つの商品があります。1つ目がRBF(レベニューベースドファイナンス)、2つ目がベンチャーデット、3つ目が「Invoice」と呼んでいる請求書の立替払いのサービスです。RBFとベンチャーデットについては、スタートアップ企業に限定して提供しています。ここで言うスタートアップ企業とは、将来大きなリターンを取るために、足元では積極的な投資活動を行い、収益がまだ出てない状態であっても成長投資をし続け、最終的には急速な成長により収益を出していく企業を指します。RBF、ベンチャーデットについては、そのようなスタートアップ企業に適した審査モデルを用いた商品性になっています。3つ目のInvoiceについては、スタートアップ企業ではない、いわゆる中小企業のお客さまであっても幅広くご利用可能な商品になっています。Invoiceは、企業が支払う請求書をFlex Capitalが立替えて支払い、お客様は後払いで4回に分けて弊社にその代金をお支払いいただくというものです。足元の資金繰りを滑らかにするもので、大きな仕入代金や突発的に発生した大きな出費をそのまま支払ってしまうと「どうしても現預金が心許ない」というときに、利用いただくのが一番のユースケースになっています。つまり、Invoiceはスタートアップ企業、中小企業に関わらず、かなり普遍的な資金繰りのニーズにお応えできるものです。
若林:
Invoiceは、例えば季節性の資金需要に効果的であると思います。これを収録しているのはちょうどクリスマス時期になりますが、バレンタインや春の商戦、夏の観光旅行など、さまざま季節性のある商品・商戦があります。一度に仕入れることにより、商機を取り逃さないというシーンで利用することによって、一気にキャッシュが出ていく部分を滑らかにできます。また、大きいロットで仕入れをすることで、原価が抑えられるというシーンでも活用できますね。
安部さん:
ボリュームディスカウントが効く状況であっても、手元の現預金だと心許ない場合や、1ヶ月で全部支払うには大きいという場合には、それを分割支払いできるとすごく嬉しいときがあると思います。そのようなときにInvoiceを使っていただくと良いと思います。
若林:
仕入れが発生したり、広告を出稿したときには、売上計上から実際のキャッシュインに転じるまでにタイムラグがあるため、支払う分のキャッシュを滑らかにしつつ、売上の入金を待つことができるのは非常にありがたいと思います。これはEC、D2C、成長中のスタートアップなどさまざまな業種で利用できると感じます。
次にフェーズという軸では、Flex Capitalの商品はどのようなフェーズに対応できるものですか?
安部さん:
まずInvoiceについては、スタートアップ企業でなくても利用可能なものですので、フェーズという考え方にはまらないものとなっています。。つまり、対象はオールフェーズということになります。一方で、RBFとベンチャーデットは、フェーズによりご利用いただけるタイミングが異なります。
RBFの方がよりシードアーリー期の若いスタートアップ企業を対象とした商品性になっているとお考えいただくとよいと思います。ベンチャーデットと比べると、金額も少し小さく、期間もおおよそ1年いないと短めの商品です。売上が立ち始めて、ここから伸ばしていきたいというタイミングで、ご利用されるケースが多いかと思います。
ベンチャーデットは、そこから少し成長が進み、顧客基盤や事業基盤ができ始め、もう少しでPMFが見えそうと言うタイミングでご利用されることが多い印象です。期間としては1年以上3年以内となっており、金額も3億円までご提供できます。
若林:
RBFについて、月商の規模でいくら以上でないといけないなどの制約はあるのですか?
安部さん:
実は制約はありません。基本的にご支援する金額が100万円からになるため、月商規模で数千万ないといけないなどは全くありません。実際に月商規模が100万円から200万円のタイミングでご利用いただくケースもありますので、そこはあまり気にされなくて良いと思います。
ただし、6ヶ月以上の売上計上実績はどうしても必要になります。そこさえクリアされていれば審査は可能です。
若林:
創業融資をしっかり使っていただき、サービス・プロダクト作り、売上が半年以上しっかり出てきたというタイミングで、まだPMFに達していない状況、まさにシリーズAの手前くらいのタイミングでRBFによる調達をすることが良いかもしれないですね。
安部さん:
Fivotもそうでしたが、シードからシリーズAまでの間はエクイティ調達などが思ったようなスケジュールで進まず、プラン通りにいかないことが多いです。そのタイミングでデットファイナンスも含めた多様な調達手法を活用できると良いと思います。Flex Capitalのデット商品は無担保・無保証となっており、借りることにあまりデメリットがないと思いますので、「このデットであれば使っておくと便利」と思っていただくことが多いと思います。
より細かいデータを連続的、かつリアルタイムに取り続けることにより評価
若林:
創業融資の活用期が終わった後に、銀行融資で調達しようとなると、ある程度決算書に結果が現れていないと審査も通りにくいことが多い。成長しているのはわかるが、なかなか期中の試算表、月次推移表だけでは評価がしづらく、審査する側の銀行も困っているところだと思います。、Flex Capitalはこの評価の部分でしっかりと対応していると思っています。
期中に伸びている企業で、前期まではプロダクトを作っていたり、人を採用したりと先行投資をしており、売上がついきていない。ようやく今期に入って「PMFしてきた香りがするが、前期決算書が厳しく、銀行融資が難しい」といったケースにおいて、Flex Capitalに助けていただいていることが多い印象ですがどうでしょうか?
安部さん:
結果的にそうなっていることが多いと思っています。私たち自身としてはあまりそのような見方をしておらず、そう評価いただけるのが嬉しく、新たな発見でもあります。Flex Capitalでは決算書をベースに審査をしておらず、より細かいデータを、連続的かつリアルタイムに取り続けることによって、会社を評価していくという手法を取っています。よって、「前期までの1年間の区切りで見るとそこまで売上も立っておらず、実績も出ていないように見えるが、直近の数ヶ月の数値を見るとしっかりと伸びている」、このような会社にしっかりと機動的に、必要な資金を提供できていることは、まさにFlex Capitalが強みとしているところです。結果として、なかなか銀行融資を受けられない層に融資ができているのではないかと思います。一方で、銀行の視点で見ると、月々伸びているのは分かっていても支援ができないのは、おそらくその売上の中身が分からなかったり、実際にそれが連続的・継続的なものであるかどうかが分からない、それを判断するだけの材料を持っていないということだと思います。Flex Capitalは、売上推移のデータを時系列で販売先情報も含めてすべて取得しています。これにより、販売先との取引の継続性や今後の予測を立てていくことができる点が、銀行と一番大きく違う部分であると思います。
若林:
前回お話しされたデータの粒度について、銀行は年単位、月次単位くらいで見ているところ、Flex Capitalでは日次単位くらいでデータを見ることができるので、そのような審査や意思決定ができるということですね。
15分のお手間で審査資料を提出いただき、10営業日後に審査結果がわかる
安部さん:
最後に申し上げておくと、そのようなとても細かいデータを取得しているというと、「たくさんの細かいデータを要求され、そのためにいろいろ準備をしないといけない」と思われる方もいると思います。しかし、実際はFlex Capitalでは資料提出はとても簡単です。会計ソフトとしてfreeeを利用してされている企業だと、API連携でアカウント連携ボタンを押すだけで、データ連携が完了します。また、銀行口座のデータも全部API連携で対応していますので、早い会社だと15分くらいで、データ連携の作業が完了します。その後は結果を待つだけとなり、Flex Capitalの場合は、10営業日以内で必ず結果をお伝えするというスピード感で対応していますので、15分のお手間で審査資料を提出いただき、10営業日以内に審査結果がわかるということになります。銀行融資の対応が大変だったという体験をお持ちの方は多いと思いますが、そこの体験とは全く違うものをご提供できていると思います。現状資金ニーズがなくても、これから発生しそうであれば、保険的な位置付けとし、今どれぐらい借りれるのかを一度ぜひ見ていただければと思います。実際に必要なときに再度申し込んでいただき、その審査結果が良さそうであれば使っていただければと思います。まずはお気軽にご相談いただければと思っています。
若林:
弊社にご相談いただくスタートアップ企業でも、一旦Flex Capitalの審査は受けていて、融資可能というのをお守りのように持っていらっしゃる、そんなエピソードを前回お話ししましたが、経営者としてはとてもありがたいことだと思います。
最後に
若林:
概要欄にFlex Capitalのリンクを貼っておきますので、ぜひご相談いただければと思います。
最後に安部さんからお知らせを2点いただきたいと思います。
安部さん:
ありがとうございます。
1点目がまさにFlex Capitalの拡大中のサービスを支えていただける人材募集となります。重点をおいて採用中となっているのが、細かいデータを見て、しっかり判断をしていく審査のポジションです。本当に様々なスタートアップ企業のビジネスモデルや数字を収集し、それをまずは機械的に分析し、最終的に機械では測りきれない部分を人が見ていくという、人と機械の融合の審査モデルになっています。とても先進的で面白く、エキサイティングなポジションとなっていますので、興味があり、チャレンジしたいという方がいらっしゃればご応募ください。また、機械と人間の融合の審査モデルをデータ側から支えるデータエンジニアの募集もしています。データ基盤の整備や与信モデル自体の開発にお力添えをいただける方がいらっしゃいましたらご応募ください。
■ 採用情報
https://fivot.co.jp/recruit/
2点目が先ほど申し上げましたが、スタートアップ企業の皆さま、本当にいつでも何でも、お気軽にご相談いただければと思います。直近、とある会社から「融資を借りたいという相談ではなく、銀行からお金を借りるのを迷っており、資本政策上どうなのかをいろいろ相談したい」と言われ、対応させていただきました。「Flex Capitalの商品はこういう性質があるので、こういう時に使っていただいて、こういう順番で、こういうタイミングでまたご相談いただければいいんじゃないですか」というようなお答えしたりしています。我々Fivot自身もスタートアップ企業で資金繰りに何回も苦労していますので、スタートアップ企業の皆さまに寄り添って、しっかりと意味のあるサービスをご提供できればと思っています。本当に何でもご相談いただけると嬉しく思います。
■ Flex Capitalについて
https://flex-capital.jp/
若林:
私も安部さんはじめFlex Capitalのメンバーの皆さまとお付き合いさせていただいてますが、人柄的にも素晴らしい方々で相談しやすいと思いますので、ぜひ概要欄からチェックしてください。
全3回にわたり、ありがとうございます。番組概要欄にFivotさん、Flex Capitalさんのリンクとともにお便りフォームをご用意してますので、ぜひご活用ください。企業のデットファイナンス、次回もどうぞよろしくお願いいたします。
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