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聖書タイム2021年5月:「5月はキリストのイメージ」

by 山形優子フットマン

いのちのことば社」翻訳本:
マイケル・チャン勝利の秘訣」マイク・ヨーキー著
コロナウィルス禍の世界で、神はどこにいるのか」ジョン・C・レノックス著

「エッサイの株から一つの芽が萌えいで
その根から ひとつの若枝が育ち
その上に主の霊がとどまる」
―― 旧約聖書イザヤ書11:1-2節

今月は聖書の中から「5月」にちなんだ、爽やかなイエス・キリストのイメージを紹介しましょう。冒頭聖句は、預言者イザヤがBC約700年頃にキリストの誕生を預言した箇所です。エッサイとはイスラエル2代目の王様ダビデの父親の名。「エッサイの株」とは彼のルーツを指し、そこから出でた芽が美しい若枝(キリスト)となり、ぐんぐんと成長するというもの。イスラエルの砂漠気候を思うと、萌え出でる若芽のイメージが、新鮮さと溢れる「命」のみずみずしさを伝えてくれます。

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ところでエッサイの職業は羊飼い。その息子ダビデ王も少年時代は羊飼いでした。つまりイスラエルの人々の稼業は伝統的に羊飼いだったのです。次のくだりでは、この職種を熟知したダビデが、キリストのイメージを完璧な「羊飼い」に重ねています。

「主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。
主はわたしを青草の原に休ませ
いこいの水のほとりに伴い
霊を生き返らせてくださる」
―― 旧約聖書詩篇23編

羊飼いの仕事は群れを野獣や盗人などの外敵から守り、水のある緑の牧草地に導くことです。乾燥したイスラエルの土地で羊たちを肥やし、増やすのは羊飼いの知恵と腕と愛情にかかっていました。

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キリスト自身も次のように言います。

「わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。
その人は、門を出入りして牧草をみつける。・・・
わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる」 
―― 新約聖書ヨハネによる福音書10章9、11節

弱い羊を優しく細やかに追ってくださる….そんなキリストの姿が浮かびます。

一方、日本の5月と言えば「こどもの日」。キリストも子供たちを大切にしました。

「子供たちを、わたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。そして子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された」
―― 新約聖書マルコによる福音書10章13-16節

子供の日といえば、5月の風を受けて大きな鯉のぼりが、天高く悠々と泳ぐ姿が目に浮かびます。実は魚もキリストのイメージです。ギリシャ語で魚はイクテュスです。「イエス・キリスト」、「神の子」、「救い主」という信仰告白をギリシャ文字で書き、その頭文字を並べると「イクテュス(魚)」という綴りになるからです。自由な風に吹かれ、空を豪快に流れる鯉のぼりを見るたびに、キリストの言葉を思います。

「真理はあなたがたを自由にする」
―― ヨハネによる福音書8章32節

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十字架の苦しみの先には、命の泉、豊かな牧草地、めくるめく光の道である真理が隠されています。5月の英国、緑の丘が延々と続く牧草地には仔羊達が跳ねまわっています。冬の間にモコモコになった羊毛の毛刈り(シープ・シアリング)が始まるのもこの頃。魂を癒す、おおらかな光の中、あなたも心の奥で、キリストのイメージを膨らませてみませんか?