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【ドラえもんのどら焼き屋さん物語】レビュー+感想(ネタバレ有)

 さて今回やるのは「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」だ。藤子・F・不二雄生誕90周年の企画のひとつとして発表された、カイロソフトのゲームだ。

 今回はプレイ日記というよりは紹介と感想になるな

🐦カナリア:
ところでウィルはドラえもん……
っていうか、藤子作品には詳しいのか?

❆ウィル:
いや、キャラが多少わかるくらいだな。
だが、わからなくても特に問題はなかった。

💙シラユキ:
わかってもわからなくても面白かったのは事実だわね。

ウィル:
まあな。


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≫どら焼き屋もとい和菓子屋

 さて、今回はタイトルにもある通り、どら焼き屋を経営していくことになる。
 ……もとい、途中から大福だの団子だの作れるようになるから、どら焼き屋ではなく和菓子屋を経営していくことになるんだが……。

とはいえ最初はどらやき作りから。
作ったら仕上げに飾り付けをして試食してもらう。
試食によって

 もちろん、ただ買って終わりの店じゃない。カイロソフトおなじみのシミュレーションだからな、これは。客席や装飾品を配置して、客の好感度を上げたり、Fポイントを貯めたりしていく。
 また、客の好みやランク上げのための審査にも「好きな雰囲気」がある。周囲の配置物によって、客室の雰囲気を和風やカフェ、SF(すこしふしぎ)風などに変化させることができる。

ここは洋風にしてあるスペース。
客やもてなす相手によって雰囲気の好みがあるので、
各雰囲気のスペースは作っておいた方が楽かもな。

 中盤以降には客室だけでなくラーメン屋だのコロッケ屋だの本屋だの建てれるようになるから、正直言うともはや和菓子屋でもないんだがな……。

💙シラユキ:
敷地を広げていくと、周囲の街も無くなるものね。

ウィル:
せめてツッコミを入れてくれ。
周囲が森やら山ならともかく、街だぞ。

🐦カナリア:
でも、ここまでだと普段のカイロソフトって感じだな。

❆ウィル:
そうだな。
だがいつもと違うのは、ストーリーがあることかもしれん。
普段と違うところも見ていこうか。



≫普段のカイロソフトと違うところ

 まず最初に、「ゲームの一区切りが1年である」ことかな。カイロソフトはゲームの一区切りとしてポイントが集計される期間があり、通常は8年とか10年とかいう単位でプレイする。今回はそれが1年に凝縮されている。もちろん、1ヶ月は4週分あるから短すぎるということはない。
 ただその分、めちゃくちゃにやることが多い。
 トリックを前提とした殺人犯並にやることが多い。
 カイロソフトは特に初期の作品だと「見ている時間」っていうのも結構あるんだが、今回はほぼ無いと言っていい。というか次々にやることが増えるので、ちょっと見回ったらやることが増える。和菓子を開発し、素材を集めに行き、金が貯まったら客の要望に応え、そして要望で作られた装飾品を立てて……まさに1年に凝縮されている。
 それなのにとあるひみつ道具を買うとミニゲームまでできるようになる。どうなってんだ。ボリュームも凄い。
 もちろん、区切りがきた後も続けてプレイは可能だ。また、二周目に引き継げる要素は選択式なので、すべて引き継ぐもよし、選んで遊ぶもよしだ。

 ただそれよりも更に大きく違うところ……というか珍しいのは、「メインストーリーがある」ことかもしれないな。

冒頭。オープンしたばかりのどら焼き屋が閉まっている。

🐦カナリア:
「腕を怪我したおじいさんの手伝いをする」ってのが、
始まりだったよな?

❆ウィル:
原作でも和菓子屋の爺さんの代わりに宣伝する、
みたいな話があるようなので、
このときはそれを題材にしているのかと思ったがな。

 しかしだんだんと、「本」の秘密や未来世界でのミステリートレインの話から、何故か近くに落ちていたミステリートレインの切符と、次第に「おじいさん」がただのどら焼き屋の店主ではないことが判明していく。

果たして彼の正体は……という、結構凝ったストーリーに。

 そして、最後には……。
 ゲーム中で明言されるわけではないが、この世界においてあらゆる世界と繋がる本を作る人物といえばもう一人しかいないだろうな。色々な世界の人々と旅をしたかった……という願いも、かなり洒落た言い回しだ。



≫Fキャラが客としてやってくる

 そうそう。色んなFキャラが客としてやってくるのも、少し凝った作りになっているな。
 原作では世界観が繋がっていることもあるが、今回は他の漫画のキャラクターは本の形をした異世界から本を繋げてやってくることになっている。F作品とは重荷漫画のことだし、こうやって本で繋げるのか、という風にスルーしていたが……。まさかそれがメインストーリーとがっつり絡んでくるとはな。

「本」はいわば異世界。ゲートを繋げると、
Fキャラクターが客候補として現れることになる。
ただしゲートを繋げるにはFポイントが必要だ。
いやまず拾うな、こんなものを。

 ただし、ドラえもんの大長編(映画)はその限りじゃないけどな。
 もちろん、繋げただけでは客にならない。発見したキャラクターは好みの和菓子が存在するか、あるいは金かFポイントを消費してもてなすことで正式に客になる。場合によっては力試しをしないといけない場合もあるな。

 もちろんメインだけではなく、特定の施設を建てたりすることで、関連作品のFキャラ同士が会話するストーリーが発生することもある。

はじめてリサイタルを開催することで発生するストーリー。
そりゃツッコミもしたくなるよな。

 もちろんこうしたネタが拾われているのはストーリーだけじゃない。結構細かいところでも原作のネタが拾われていたりする。

今回の業界新聞でもこんな内容が。
こいつは客としてのパーマンが全員揃うと出てくるものだが、
本来はバードマンがパーマンに対し、
同じことを聞くシーンが下敷きになっている。

💙シラユキ:
知らなくても楽しめるけれど、
知っていればもっと楽しいって感じかしらね?

ウィル:
その通り。
読んでからゲームをしてもいいし、
気になったらキャラがいたら読んでみるのも手だ。

最終的にこうした。
よく考えればなんだこの配置!



≫気になるところ

 とにかく忙しい。まあこのあたりは好みの問題だろう。まったりやりたい、という人間には少し忙しすぎるかもしれないな。意外というか、和菓子作りが一番面倒になってきたりする。後回しになりやすいし、二周目以降とかだと結構飾り付けが面倒になったりするんだよな。
 それと、キャラクターが個人だったり場合によっては三人一組みたいなのもあるのだが、長編の有名どころは個人扱いでも良かったのでは……と思うな。ただそこまでやるとちょっと大変かもしれんが。

 また、アイテムをキャラクターに渡すことができるんだが、例えばパーマンキャラにはパーマンセットを渡して変身させたり、キテレツにはキテレツ大百科を渡すとコロ助を作り出すなどがある。こうしたアイテムのバリエーションが他の奴等にももっと欲しかったところだ。だいたいそうしたアイテムのほとんどは、後半はほぼ「空を飛ぶもの」になってしまうせいでもある。

 とはいえ、ヒョンヒョロのウサギにヒョンヒョロを渡せるのはさすがだ。
 短編漫画もあまさず拾っているし、ネームドキャラ以外にもどうやらモブ客もほぼ作品内に出典があるらしい。……なんだ。どこまで本気なんだこの会社……。

一周目の客と記念撮影。
これ以上まだいそうなんだよな、これ。



≫感想

 というわけで全体的な感想だ。
 カイロソフトに藤子作品を組み込んだだけ……に見えると思うが、細かいところまで見ていくとストーリーや施設、端々の反応なんかに作品へのリスペクトというか愛を感じると思う。
 カイロソフトとして見ると、普段より結構ボリュームがあるというか、1年の間で結構サクサクと進んでいく気がした。ミニゲームも入っているしな。
 その性質上としては結構コンパクトだが、まだ自分の知らないネタが結構隠れていそうな気がするな。藤子作品を知らなくても全然いいし、ここで気になった作品があれば手を出してみるのもいいかもしれん。「これはこういう事だったのか」みたいな細かいネタがわかる可能性もあるからな。

❆ウィル:
二周目以降もやるつもりだが、
果たして全員集めきれるのかどうか。

💙シラユキ:
でもできれば、
全員集めて記念撮影はしたいのだわね。

❆ウィル:
とはいえ今回はここまでにしておこうか。

🐦カナリア:
それじゃあ今日は和菓子祭りだ!
ここに出てる和菓子みんな買ってこよーぜ!

💙シラユキ:
賛成~~!
それじゃあウィル君、荷物持ちお願いね!

❆ウィル:
はいはい……って待て、どれだけ買うつもりだ!?


 ……というわけで、ここまで読んでくれてありがとう。
 じゃ、また別のゲームで。


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