知らないと死ぬ、経営戦略の本質的な「大前提」
「戦略って大目的のことですよね?」
先日、とある経営者と戦略の話をしていて、こんなことを聞かれました。
これを聞いて、皆さんはどう思いますか??
戦略は大目的?
「戦略はただの方針じゃないんだよ」ということは
以前の記事でも書きましたが、
恐らく、冒頭の
「戦略 = 大目的(もしくは、戦略 ≒ 大目的)」
というのは、なんとなく
「うんうん、そんな気がする」
と思っている方が多いのではないでしょうか。
戦略コンサルを名乗る方でも結構多い印象です。
(別に貶めるという意図はなく、ただの事実です。)
「目的」ってなんだ?
そもそも「目的」とは、それ自体が求める結果になるものです。
例えば男女ともにままある「結婚が目的」だと、
結婚した時点で満足しきって後が怖い、というのはなんとなく分かりますね。w
よく言われる「目的とプロセスを間違えるな」というのも
なんかしらのやり方(プロセス)自体を求めるモノとしてしまうと、そのやり方をした時点で満足して本当の目的を叶えられないという話ですね。
では、「大目的」とは?
恐らく「目的」よりも「スケールが大きい!」ものでしょう。
意味的には「目的」と変わらないはず。
「戦略 = 大目的」は本当か?
では、それらを踏まえて考えてみましょう。
例えば「新作おもちゃを出して、市場シェアを取る戦略」があったとします。
これが「目的」だとしたら、
「市場シェアを取ったら目的達成」
↓
「作戦終了、続きは無い」
ということですよね。
果たしてそれは正しいのでしょうか??
もし「市場シェアを取る」こと自体が目的だとしたら、
「このおもちゃが今年のおもちゃ売上ランキングNo.1に輝いたぞ!
部門を挙げて祝福しよう!やったー!
このおもちゃで市場シェアを取ったから、あとはこれだけガンガン製造して売ればいいよ!他の商品は今回の目的には無いから作りません!終わり!
以上、新おもちゃ戦略部門、解散!」
となるはずですが、この違和感、分かりますか??
(ちょっと乱暴ではありましたが、ズレてはないはずです。)
普通、戦略通り「新作おもちゃで市場シェアを取った」ら、
更に違うおもちゃとの掛け合わせでクロスセルをかけたり高品質なおもちゃでアップセルをかけたりするはずです。
(人形だったら、お風呂セットや髪色が変わるバージョンなどを作りますよね)
なぜなら、
「市場シェアを取る」ことは目的ではなく、
「市場シェアを取って、利益を上げるアクションを取る」ことの方が大事だからです。
今回の例で言うと
「新作おもちゃを出して、市場シェアを取る戦略」
↓
「利益を上げる別アクションを取って、更に利益を伸ばす」
ということをやりたいはず。
が、こーゆーことを言うと
「今回は戦略の設定が間違っていたんだ!もっと考えた戦略にすべきだ!」とか戦略屋に否定されそうですが、
そんな話ではなく、
そもそもの大前提が抜けているがゆえに
「戦略 = 大目的」という
大いなる誤解が生まれているんです。
「戦略 = 大目的」という誤解を解くための魔法の大前提を知る
戦略には大前提があります。
War Strategyであれば「戦争に勝つ」。
Market Strategy であれば、「市場で勝つ」。
「市場で勝つ」という大前提があり、
「市場で勝つ」ためにその戦略が存在します。
つまり「市場で勝つ」ことが大目的であり、そのための方針の一つが戦略です。
「戦略が大目的というのは有り得ない」ということです。
この大前提は戦略ごとに違っても構いませんが、必ず何かしらの大前提が存在します。
この前提自体が大目的であり、戦略はそのプロセスを方向付けるための構造体にすぎません。
本質の抜けた戦略は、「必ず」失敗する
長々と定義してきましたが、
イチャモンつけて「はい、論破」という話をしたいのではありません。
これが分かっていないと、必ずその戦略は失敗するからです。
経営戦略に携わる方には「戦略の本質」をちゃんと知ってもらい、
正しく無駄なく勝ち続けて欲しいと心から願っています。
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