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今回の台風10号は「迷走していない」迷走したのは・・・お天気お姉さん/お兄さん

今回台風10号の針路は
「迷走した」といわれるが
「台風の順当な進路」とは
いったいなんであろうか?

気象予報士のお姉さんお兄さんは
「自分の力量で天気図を観察して・・・」


台風の進路を予想していると
皆さん思っているでしょうか?

気象予報士は
「ワインのソムリエやコンシェルジュと同じです。」

いろんなワインの特色や産地・特質などを
知っていて・・・
お客様の求める情報を提供する専門家です。

気象データーは
「あまりにも種類が多すぎて」

全部読んでいると・・・次の天気図が3時間ごとに
登場します。

皆さんが良く見かける地上天気図👇

気象庁地上天気図29日06:00


もう少し専門的なモノは👇


高層天気図850・750hPa

さて・・・
この天気図を見て


台風は6時間後12時間後どこにいるのか?

気象予報士や気象学者でも
「地上天気図だけで正確な天気を予報できる人はいない」

海尾がまた変な事を言ったと思っている「あなた」

「空気は高くなるほど薄くなるが・・・
地上付近だけにあるわけじゃない」

雲が沸いて・・・入道雲が立ち上がり
雨が降る・・・立体的な構造が存在するからです。

広い地域を立体的に見る方法として

皆さんが思い浮かぶのは・・・
「等高線の引いてある地図」でしょう。

専門的に言えば
「国土地理院発行2万5千分の1
または5万分の1の地形図」

が日本で発行される様々な地図の元データです。

現在は数値データとしても民間会社へ提供されています。

あの地図と同じように等高線を

「空気の固定した圧力」

たとえば750hPaという気圧が水面から
どの程度の高さにあるのか?
その天気図を「高層天気図」と呼びます👇

高層天気図は破線と実線が入り乱れ・・・
読み取るのが若干メンドクサイですが
破線はこの線より内側の気温の分布
実線は気圧が850hPaとなる高さを結んだ
等高線です。

気象庁の説明では

等温線(同じ気温のところを結んだ線)を破線で描き、
線上にその値(単位:℃)を整数で示しています。
等高度線(同じ高度のところを結んだ線)を実線で描き、
線上にその値(単位:メートル)を示しています。

となります。

「ああここに強い圧力の空気の塊=高気圧があるのか」
「台風の中心は935hPaなのか」
という情報はつかめますが・・・

空気の塊は平面ではなく立体的な構造で・・
台風という空気の塊は
「綿あめの上半分」ような立体の構造です。

中心部では温かい海水から
たくさんの水蒸気を貰って空気がほぼ垂直に
上昇しています。

海水なので・・・塩分を含んでいて
塩の核は雨粒の芯になる。
雲ができるためには雨粒や氷粒が必要ですが
芯がないと水蒸気を集めた粒ができにくいので

人間も芯がないと
「小生のようなふにゃふにゃな志では人徳がなく
人が集まってこない」
不人気な人間になります。
雨粒も芯が無いと水は集められません。

そして・・・
上昇気流で高空まで持ち上げられた空気は
周りの空気より重くなれば
「落ちるしかない」
そのため中心から空気が吹き上がり
周辺で下降する
「綿あめのような塊」ができあがるのです。

この空気の塊はどうして動くのか・・・

いろんな気象予報士が
「偏西風が・・・」
「太平洋高気圧が・・・」
とわかりにくい説明をしますが

空気の塊が移動する一番の理由は
「地球が自転しているからです」

地球は水平ではありませんが
レコードのターンテーブルや
ケーキにデコレーションする
「クルクル回る台」
中心より少し外側に
「綿あめやマシュマロ」などを
丸く形を整えて置いたらどうなりますか?

「下のターンテーブルほど高速には移動しない」
・・・けれど
テーブルが反時計まわりに回転すれば
「マシュマロも少しだけ反時計まわりに移動する」
のです。

その時・・・ターンテーブルが平面ではなく
陸地の凸凹や
重たい空気(空気が下降して気圧が高くなる場所=高気圧)
の壁などがあると・・・テーブルが回転しているのに
「マシュマロは動けない」

「重い空気の壁はどこにあるのか?」

その疑問は
地上天気図だけを見ても
「想像はできるが・・・
実際の立体的な形がわかりずらい」

その立体を見る手段が「高層天気図」です。

2枚ならんでいる天気図の下の図「850hPa」の
天気図をみると

日本列島の上空に「Sの字を描いたような」
1500mという太い実線があります。
その東(右)には高さの書いていない
1560mの線があり
その更に東には1620mと書いた実線があります。

このS字が「L(低気圧)1380m」の行く手を遮っていた
「空気の壁」です。

「L(低気圧)1380m」こそが
「台風10号」です。
この天気図は29日午前3時のものです。

「いろんな理屈をつけて・・・」
台風が動かない・・・
迷走している理由を
説明するより・・・

「あ重い空気が邪魔していたのか」
と立体的に見る方が
予想は簡単です。

そして
お天気屋さんたちはこの図を見て
「台風10号があまり移動しない」
理由を視聴者に
説明しようとする。

でも・・・地上天気図だけでは
「わかりづらい」

テレビの特質は
「わかりやすさ」です。


庶民が見て

「ああ台風とはこんな進路で進むものなのか!」


とわかりやすく納得させるために
「大型コンピューターが予想した進路」
などと言って
①気象庁
②各気象会社(ウェザーニュースなど)
③米軍
④米海洋大気局👇

のガイダンスを「テイスティング」して
ソムリエとして
テレビやラジオ・ネットで発表する。

ガイダンスは・・・少しずつ味付けが違い
予想も若干差があるので・・・
「迷走する」


「空気の塊」という立体構造と
「物理特性」なんていっても
「庶民は理解できない」と
多くの気象予報士は誤解しているので

「高層天気図を含めて・・・」
ブロックされている状況を説明すれば
迷走でもない
「8月後半から9月に発生した台風の進路」
としては標準的なものなのに・・・
と思ってしまいます。👇

https://www.exp-top.com/


庶民は・・・
「ムズカシイことを言っても喜ばない」


というテレビなどの思い込みは
今に始まったことではありません。

でも現代は・・・
ネットを用いれば自宅に居ながら
様々なデータがあっという間に収集できる。

そして

「ムズカシイことも簡単に解説してくれる」
便利なスマホをほとんどの国民は使っている!


わかりやすさだけではない
「ちゃんとした解説」をする
気象予報士を・・・
庶民は求めているのではと・・・
勝手に思う次第です。

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