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元自衛官がワークマンを斬る その1 なん~でか? 海自の人材難にせまる


おしゃれな作業服店から
作業服も売っているファッションウエア店

そんな業態転換で急成長したワークマンに
成長の陰りが見える・・・
おためごかしはきらいないので
結論を先にもうせば
ワークマンには
しまむらのような販売能力と
ユニクロのようなデザイン性が
欠けているから!

踊っているのか?
もがいているのか?
どっちでしょう?

専門外の小生が・・・
なぜワークマンを斬れるのか?
その第1回目 海自の分析能力が・・・



ワークマンの2024年3月期業績

が発表されました。
新規出店効果で収入は増加しましたたが
利益は減少
物価高こそ安価な商品展開の
同店には追い風のハズですが・・・
そうはならない・・・
次回でその理由を解き明かします。

さて今回はそもそも論として

なぜ自衛隊出身の小生が
「原価計算や商品・企業分析」

をときたま記事にするのか?

小生にそんな能力は・・・ない
でも分析手法は知っている。
いぶかしむ方がおられるのもごもっとも!

「防衛省なんてどんぶり勘定でMHI&IHI・KHI※
 にいいように高い装備を買わされている」

 #MHI 
  Mitsubishi Heavy Industries
  三菱重工業

      IHI
  Ishikawajma-Harima Heavy Industries 
  旧石川島播磨重工業から2007年改称

  KHI
  Kawasaki Heavy Industries
  川崎重工

そんなマスコミ主導の思い込みで
海自の原価計算や原価監査部門出身者は
正当な評価を得らていません。

小生の能力なんて・・・
みなさんご存じのとおりトンチンカンです。

しかし・・・
後輩たちが55歳で自衛隊を去る時
再就職で困らないように・・・

世間の風評を公平・正当にしなければ
OBが単純労働しか再就職先をあっせんされない
その現状を打開できません。

政治家や官僚には自衛官の早期退職問題を
改善する能力も意欲も見られない。

不評は自ら晴らす必要がある・・・
わが海自の分析能力は・・・
出来損ないの小生でもこの程度は・・・と
時たま分析記事を書いているわけです。

マスコミは知っているのに取り上げて
くれませんが・・・過去に

原価不正や工数不正を

指摘された防衛産業大手は・・・

良心の呵責で・・・
自らの不正を公表したのでしょうか?
「どうせ見抜けないだろう」
と高をくくっていたが・・・
原価監査や原価計算で・・・
精緻で巧妙なはずのロジックがくずされ
ごまかしきれなくなって・・・

そんな解説が紙面におどり・・
テレビで取り上げられることは
ありません。

自衛官にも原価分析や
製品評価・性能試験・品質監査

そんな分野を専門とする者が存在します。
その分野がきちんとしていなければ

霞ヶ関の役所や首相官邸の下の役所から
こっぴどく叱られます。

ただし日本の一部マスコミは

「防衛省は高コスト低能力」と言いたい。

それの宣伝の逆効果で
若年退職制度による早期退職の
OB自衛官が犠牲になる。
その能力を生かせる再就職先ができない。

世間の評判がきわめて低い団体から
50代後半の人材を引き受ける企業はありません。

世界標準で軍隊は・・・
一般人
「ふつうの人材」を
鍛え上げ
社会に通用するプロフェッショナル
を養成する機関と見られます。

米軍が実施する
「満期除隊者教育プログラム」

はとても効率的です。
米国の産業界へ優秀な労働力を継続的に供給し
経済発展の原動力になったという評価です。
「日本では報道されません」
米軍は貶める対象で評価はもってのほか・・・

日本以外の国ではあまりにも当然の話で・・
話題にもならない・・・
当たり前の話です。
日本のマスコミは事実を知らない?
知っていても報道しない?
どちらでしょうか。

日本の自衛隊は
米軍のような教育が実施できているのか?
そんな疑問も湧いてきます・・・が

自衛隊の隠れた能力は教育にあります

小生のようなバブル期入隊の・・・
民間の雇用が旺盛で自衛官志望者が
絶滅した世代が・・・2000~2020年
自衛隊人材の主力を担った

その期間も・・・
自衛隊は過不足なく運営されていました。

小生の世代の自衛官には

「自分の名前が漢字で書けない」

「100×1/10が計算できない」

そんな同期も複数存在しました。

小生も・・・
書き順がめちゃくちゃで・・・
ひとさまの事をとやかく言える立場では
ありません。

決して有能な自衛官ではなかった・・・
小生が同期のなかで昇任が早かった・・・ので
正当な評価システムが機能していないかもしれません。

 ※評価はすべて上司がするもので
  自分の評価は数字でしか知りません。
  なぜ同期の中で昇任が速かったのか
  口先で上司を煙に巻いたせいでしょうか?

陸自にくらべると

空自は専門職種が多く
職域が極めて多岐にわたります

海自は
「船も飛行機も持っている」
そのため空自より更に職種が多く
細分化も激しくなります。

多種多様な専門職を
海上自衛隊はどうやって養成するか?

技術海曹や技術幹部として
一般社会で専門性を持った人材を
登用するそんな制度もありますが・・・
たいがいは部内養成です。

その時活躍するのが
「適性試験」
民間企業でも適性は当然考慮されています。
一般社会では「外注化」が進むこの分野で
自衛隊は保全の問題もあるため「ほぼ内製」です。

心理適性やカウンセリングなどを専門とする職員が
・・・数百名
病院や研究機関以外でこのボリュームの人材を必要としている理由は
「細分化された職種※へ必要十分な素養を持った隊員を充てなければ国家的損失になる」
その意識からです。

海上自衛隊には
射撃、水雷、掃海・機雷、航海・船務、航空管制、航空機整備、経理・補給、施設、通信、機関、潜水、飛行、情報、衛生、気象・海洋、音楽など約50種類の職種があります。

50種類くらいなら大手の民間企業でも
当然存在するでしょうが・・・
その職種のなかで
更に細分化が凄まじい・・・

例えとしてわかりやすいので
航空機の整備を取り上げます

航空機の整備には
列線整備と恒常的な点検整備
メーカーや航空機修理隊※で実施する
オーバーホールや修理などの
整備に分類されます。

※海自の修理専門部隊
 第1航空機修理隊(鹿屋)
 第2航空機修理隊(八戸)
 メーカーと同程度の修理を自衛隊の部署で実施する。

列線の整備員と整備隊の整備員は
同一の職種ですが・・・
関与度合いが違います。

配置が換わる場合は当然研修が必要になります。
整備できる程度や分野で
さまざまな資格が存在するからです。

海自には固定翼と回転翼航空機が存在します

両方の機材に応じた専門職が必要になります。

回転翼航空機の場合
①機体整備
②武器整備
③電子機器整備
と大まかに分野がわかれます。

機体整備の分野にも
①エンジン
②機体
③計器類
の整備にそれぞれ特化した人材が
必要となります・・・

エンジン担当なら・・・
すべてのエンジンに精通※している・・・
とは当然なりません。

※汎用護衛艦に搭載された哨戒ヘリコプターの
 エンジン担当者は2名程度で・・・
 その人数で列線整備と通常整備を実施します
 少人数部署では奇跡のような運用を行っている
 特例もあります。

熟練の度合いに応じて・・・

何度も何度も教育を受け
故障診断や不具合探求のために更に教育を受け・・・
ひとつの職種に様々な枝番・・・
特技職明細書に主特技に付随して
特化した分野が複数プラスされて行く・・・

ではその職場の上長なら
すべての分野のオーソリティー・・・
とはならないわけです。

ひとつの職場に専門家を多数抱える余裕は
海上自衛隊にはありません。
①大卒幹部などをもって充てる
ジェネラリストの幹部自衛官
②全体をマネジメントできる
整備部門出身の幹部自衛官
③現場で全体を掌握できる
エンジン部門の職長である
上級海曹
④各専門分野に特化した専門職の整備員
⑤その手伝いをする若手の整備員

この五段階が・・・
あらゆる職種で展開されています。
その人数が確保されて・・・いない。

海自が欠員だらけになる要素は
多職域多職種が原因でもあります。

この構成が
エンジン以外に機体や機器・・・
電子機器・武器・・・

航空機整備員と
おおまかに分類される職種が
実際には極めて多彩な専門家の集団で
構成されているわけです。

小生に話を戻せば・・・

自衛隊に入った時は
調理員でした。

その後専門職の学校で教育
初級・中級・上級と
程度が上がっていくに従い

その存在も知らなかった
企業のバランスシートや
原価の構成
契約原理

少しづつ専門に特化し
分析技術は実務とOJTで修得しました。

分析は・・・
業者さんと面談で鍛えるしかない!
日常会話の延長戦・・・世間ばなし
そこににヒントが隠されていることを
先輩や同僚から教えをうけました。
当然ですが

「感じの良い担当者」

となるべく努力しました。

話の潤滑油として・・・
専門以外の分野でも知識は不可欠です。
教養がない自衛官に
誰が本音を話すでしょうか?

世間の動向や売れ筋商品・・・
注目があたる分野

そんな素地がなければ
原価計算や監査・契約・商議
の場面で相手方の業者さんは
「心を開いてくれない」
22歳から55歳まで33年間に
実務でお役にたてた期間は
10年あったのか?
そんな感じです。

教育機関へ入校している期間だけで

合計4年弱
そのほか実習中の期間を含めると
教育を受けるだけで10年以上はかかっています。

そんな人材が・・・各種部門にいる
でも海自のOBがそんなにいろいろな
教育を受けて
鍛え上げられていることを

世間一般のみなさまはご存じではありません。
企業で人材採用を担当される方がおられたら
ぜひ・・・
海自の定年退職者を考慮に・・・

20年近くを費やし・・・
ひとりの専門職を育てあげながら
専門家としての賞味期限は10年程度
そして・・・
定年退官後はまったく関係のない
単純労働者としてスタートラインから出直し

莫大な国の予算で教育を受けながら・・・
勿体ないとはおもいませんか?

このミスマッチングを解消したら・・・
日本の人材不足解決に役立つと思うんですが・・・

小生は・・・
乗物評論家としてがんばります
再就職はもうこりごりです。

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