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ゴミ屋敷ダンジョンマスター、ミニマリストへジョブチェンジする
ちょっと「なろう」風のタイトルにしてみました^^
私の人生で定期的にやってくる断捨離熱。
またやってきました。
久しぶりですね、お元気でしたか。
この熱は波のように満ち引きがあります。
ある程度片付くと「もういいかな」と思う。
人はそれを妥協と言ふ。
しかし今回は今までで一番大きな波、ビックウェーブ!
この調子ならもしかしたら憧れのミニマリストになれるかもしれない。
私は飽き性なので色々なブームがやってくるのだけれど、その都度まずは関連書籍を読みます。
断捨離の時には、断捨離はもちろん掃除や整理整頓のハウツー本、ミニマリストのエッセイや断捨離関連の小説も読む。
前回の断捨離ブームの時に読んだ本はちょっと極端でした。タイトルは忘れたけれど、印象的だったのは
「輪ゴムは5本しか残さない。余ったら即捨てる」
「ゴミ出しの日の朝、タイマー10分かけて、ゴミ袋を持って、いらないと思ったものを15個捨てる」
という内容だったような。
残念ながらできなかったです。
実際やってみたんですけど、輪ゴム5本だけだとすぐになくなって困りました…やる前から「え?すぐなくなるんじゃない?」と予想してたけれど、やっぱりすぐなくなりました…でも実行する素直な自分が好きです。
ミニマリストしぶ著「手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択」と「手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法」を今回読みました。
これは最初の数ページ、失礼だけれど冗談だと思って笑ってしまいました。カーテンもないフローリングのワンルーム、テーブルやお布団もなくて。食事は出窓で食べ、床の上で毛布にくるまって寝るとか。やりすぎではないかと心配になりましたが、でも2冊読んでとても勉強になりました。読んでよかったです。
特に物を所有することがどういうことか、とことん考察されていました。まず私は「捨てる」前に「買う」選択方法を考え直さないといけなかったです。そして自分の物に対する執着を手放すことが真の幸福であると。仏教に通じる哲学がそこにはありました。
何度も断捨離熱がやってくるということは何度も捨てるほど物が増えているということです。私はメルカリなどのネットフリマをしているのですが、名前に「○○断捨離中」というお名前の人や、プロフに「絶賛断捨離しています!」と宣言している人が私の出品物を買ってくれる時、ちょっと矛盾を感じていたけれど、断捨離歴10年以上の私が言えた話ではないのでした。売るそばから買う、この矛盾した行動をしていたのは私も同じ。そして買ったものは使用しないといけないという謎の焦燥感に駆られていた私。物の奴隷です。
しぶさんはミニマリズムのメリットを心理学や行動経済学の研究や書籍なども引用しながら解説されていて、非常にわかりやすかったし説得力がありました。(ちなみにしぶさんはメルカリを倉庫として利用しているそうです。必要な時に買って、不要になったら売るというシンプルな考え方。参考になります)
私がまず注目したのは「30%余白を作る」という考え方。
とりあえず部屋の床が30%見える状態にする。
「そんなこと当たり前では?」と思うなかれ。
ガラクタに溢れて暮らしていたら、あっという間に床なんて見えなくなっちゃうんですよ。
お友だちに教えてもらったゴミ屋敷を片付ける動画とかでは天井近くまで物が積み重なっていたし、将来私もそうなっていたかもしれないです。
まずは30%の床を出す作業を開始。
えい!と、思い切ってコタツ敷布団とドレッサー、キャビネット、テレビ、本棚を処分。何となく使っていたのです。よく考えたらここ数年テレビをほとんど見ておらず、PCとスマホで十分。コタツ敷布団は2メートル四方で大きく、一人暮らしで座椅子使用の私にはいらなかったのです。ニトリで可愛かったから何となくセットで買ったけれど、いらない。気になるなら床に足が付く部分だけひざ掛けを敷けば十分だということにようやく気付きました。
しぶさんも書いておられましたが、床にスペースができると、なんと断捨離がかなり捗るのです。今までで一番捗った。例えば衣類はすべて広げて見る。戦場を俯瞰して作戦をたてる軍師さながら(うそ)。1年使用しなかったもの、似たようなもの、傷んでいるものは処分。もったいないから取っておいた新品は古いものを処分して置き換え。迷ったら捨てる。物置きや押入れ、天袋、中に詰め込んでいたものをすべて出して、1年以上使用していないものを処分。お客様用の布団もほぼ未使用だけれど思い切って処分。スーツケースや姿見の大きなミラー、あれこれ大物もばんばん処分。するとタンスの中も、物置も、押入れも、棚も、30%余白ができました。目当てのものがすぐ見つかる!取り出しやすい!片付けも「まずはスペースを作る」という工程がなくなるのでフットワーク軽くなる。あと、目に入るものが全部お気に入りとか、最高です。そして捨てた物が入っていた収納ケースやキャビネット、空き箱や空き缶、空きビンなどすべて処分。特に衣装ケースは最も危険、ゴミ屋敷ダンジョンのコアです。みなさま気を付けて。
あとしみじみと感じ入ったのは「物惜しみ」しない心を育てること。
しぶさんは経済的な不安があると人は思考力が低下するという話の引用として、「MIND OVER MONEY 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実」という本を紹介していて、気になって読んだのですが(たくさんの心理学の研究内容が多く学術的で難しかったので拾い読みですが)、
人は「得したい」という欲よりも「損したくない」という欲のほうが強いそうです。つまり自分の持ち物の価値を高く見積もる傾向にあるのだとか。
捨てることに躊躇う気持ちはどこから来るのか考えていたのですが、「もったいない」という言葉に尽きるのかも。まだ使える。まだ価値がある。今捨てるのは損失だ、と。行動経済学では「シンクコスト」というのかしら、それを手に入れるまでの時間、労力を含めて、結果が出るまで投資する、元を取らないともったいないと感じてしまう心理。これが理性的な判断を阻害するのだとか。しぶさん曰く、物を過剰に持っているほうが余程損失だそうです。
ここひと月、色々な方法でものを処分しています。
知人に使ってもらう、フリマで売る、ジモティーで無料で譲る、寄付する、粗大ごみに出す。
数年前の断捨離ブームで読んだ本の著者たちはフリマで売ることを否定していました。なぜなら売れるまで処分できないからです。そして出品までの手間ヒマも考えると断捨離のスピードが落ちる。これは本当にそう。しぶさんも売れることを想定して購入しなかったものは捨てるべきであると。フリマも配送するには人手不足の運送業者への負担、トラックなどCO2排出による環境負荷を考えれば、品物にもよりますがあまりむやみに利用してはいけないかなと。良いサービスなので好きなんですが。あと、売るつもりで検索したら次からおすすめとして表示され、自分の好きなジャンルだからつい買ってしまうという恐ろしいループに嵌ります。まんまと踊らされます。
あとは寄付。
古着をアフリカなどの発展途上国に送るNPOがいくつかありまして、今回は「ワールドギフト」というところに寄付させていただきました。2900円の寄付と120㎝サイズの段ボールいっぱいの古着、シーツ、文房具、アクセサリー、バッグ、タオル、石けんなど雑貨類を詰め込んで。新品だけでなく、まだ使えるものはOKなのがありがたいです。寄付できるのは受け取ってくれる人がいるからこそなので、心から感謝しています。
古本はブックオフの「キモチと。」という取り組みを通して、私は「グッドネイバーズジャパン」を支援しているので、そちらへ寄付してもらえるよう手続きしました。
ジモティーは知らない人と対面でやりとりするのでけっこう気疲れしますし、粗大ごみは申し込みや費用が必要。
結論として、ものを処分するのはとても大変!
捨てる作業はとても疲れる。
だったら最初から買わないこと!
でもそれだと生きていけないから、買い物は手放す時のことを考えて購入することが大事と、断捨離して実感しました。
ものが減ると掃除も捗ります。
特にがんばったのはベランダ。風で飛んできた土をヘラでこそぎ、ブラシで洗い、ぞうきんで拭いてピカピカにしました(張り切りすぎて翌日寝込みました^^)あと、浴室は天井までメラミンスポンジで磨いたり。
ミニマリストへの道のりとして、デジタル面も。プロバイダーをモバイルwifiに変更したり、スマホやPCのデータ、特に写真やメールを整理したり、インフルエンザで寝込んでいた時もスマホのアプリを厳選してフォルダに整理しました。ミニマリスト道、邁進中です。目標はもっと物を減らしてワンルームに引っ越しして、鴨長明の方丈記みたいなこじんまりした生活がしたいです。
お釈迦様は「すべて置いて去らなければいけない」とおっしゃいました。
生命は死ぬと、所有した物も家も土地も肉体も地位も名誉も知識も記憶も人間関係も何ひとつ持っていくことはできません。
Put everything beside, anyway you have to go.
いつか手放すもの。
だったら気持ちよく送り出しましょう。
そのほうがかっこいいです。