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【プレイ日記#2024 ~盆のある日~】

それは盆のある日の事だった。
高校から付き合いのある友人と遊ぶことになった。
待ち合わせ場所は、昔からあるファミリー向けのラーメン屋である「幸楽苑」だ。
そこで、彼と、彼の奥さんと、彼ら夫婦の二人の娘ちゃんたちと昼食をとった。

日常に戻ってから、ふと自分が途轍もなく貴重な体験をしていることに気付いた。
友人の家族と一緒にご飯を食べる――向こうはフルメンバーだ。
例えば僕にも子供がいて、子供繋がりで交友があるならまだ理解できる。
しかし、こちとら生憎ソロである。(絶望)
友人一家とこんな関係性を築けている人間は、世間を見渡してもごく少数なのではないだろうか。
そして、その日は、”家族愛”とも、”親愛”とも違う、言葉では言い表せない”何か”を密かに胸に抱いた日でもあった。

僕はいつ死んでもいいと思っているし、何なら早死にしたいと思っている。
煙草をいつまでも辞めないのもそのためだ。
だけど今は、二人の少女たちが、将来どんな大人になるのか見届けたいと、部不相応にもそう思っている自分が、己の中に同居している。

もう、夏も終わる。
だから、遊んだゲームもまとめる。

【Hookah Haze】

2024年7月プレイ開始
総プレイ時間:約5時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★★★☆☆ 3
【キャラクター】★★★★★ 5
【音楽】★★★★☆ 4
【総評】80点

シーシャ(水煙草)を題材にしたヒューマンドラマ・アドベンチャーと銘打たれた本作は、個性豊かな3人のヒロインたちとの交流を、シーシャバーのマスターである主人公を通して楽しめるゲームだ。
ゲームデザインは完全に『VA-11 HALL-A』や『コーヒートーク』を意識していることが窺え、作中に漂う雰囲気や空気感も似たものになっている。
また、温かみのあるピクセルアートで描かれたビジュアルも美しく、煙を吐き出すアニメーションに至っては芸術的ですらある。
総じて、退廃的な世界観・美少女とシーシャという組み合わせによる背徳感・シーシャを通じて交わされる会話の脱力感が非常に心地よい作品となっている。

しかし、ゲームの難易度は低く、奥行きが余り感じられない点が非常に残念である。
値段を考えれば妥当ではあるのだが、ゲームというカテゴリーで見た際の物足りなさは、やはり否めない。

ちなみにシーシャを吸ったことは、ない。

【プリンセスメーカー2 リジェネレーション】

2024年8月プレイ開始
総プレイ時間: 約8時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★★★☆☆ 3
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★☆ 4
【総評】77点

本作は、1993年に発売された『プリンセスメーカー2』の30周年を記念して発売されたタイトルだ。
本作は、星から授かった娘の父親となり、10歳から18歳までの8年間の子育てを体験するシミュレーションゲームとなっている。
自分の娘には、武芸や魔法を仕込んだり、アルバイトに精を出してお金を稼がせたりと、かなり自由度の高い行動を取らせることが可能で、プレイヤーの行動次第で千差万別のエンディングを迎えることになるのが、本作の大きな特徴である。
かなり古い作品ではあるが、まるでソシャゲのようなテンポの良さがあり、意外とサクサクと進行していくのが不思議である。

しかし、新規要素やシステム面での改良はほぼ無いに等しく、やはり古臭さや不便さを感じる瞬間が多く、人によってはストレスを感じるだろう。

【Neverending Nightmares 】

2024年8月プレイ開始
総プレイ時間:約3時間

【ストーリー】★☆☆☆☆ 1
【ゲームシステム】★☆☆☆☆ 1
【キャラクター】★☆☆☆☆ 1
【音楽】★☆☆☆☆ 1
【総評】20点

この点数には理由がある。
僕は本作をゲームとは思っておらず、今現在の自分の精神状態が、正常か異常かを確かめるツールだと思っているからだ。
恐らくだが、正常な精神状態で本作を遊んだのであれば、多くの人が僕と似たような感想を抱くことだろう。

だが、もし本作から何かを感じ取ることが出来たとのだとしたら――

それは実際にプレイした者だけのお楽しみだ。

ちなみにホラーが苦手な人や、心臓が弱い人は絶対にやらない方がいい。
と、強心臓の僕から忠告だ。

【エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~ DX】

2024年8月プレイ開始
総プレイ時間:約60時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★★★★☆ 4
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★★ 5
【総評】87点

これと言って特に遊びたいゲームが無い時、どうするか。

そう、アトリエである。

本作は、2013年に発売されたオリジナル版に、新規要素などを追加した完全版である。
水が枯れ、大地が荒れ、空が濁る黄昏の影響で緑は失われ、作物は育たなくなり人類に滅びの時が近づいている、という異色の世界観で展開されるのが本作の特徴だ。
本作では、リンゴ園で育った錬金術師の少女・エスカと、同じく錬金術師の青年・ロジーのどちらかを主人公に選択することで、やや違った視点で物語を楽しむことが出来る。

様々なスキルを使用して行う調合は慣れるまでが大変だが、一度仕組みを理解してしまえば時間を忘れて没頭すること間違いなしである。
また、ビンゴカードを用いたメインストーリーの課題は、目標がわかりやすい上に達成感を得やすく、視覚的にも非常に面白いアイディアだと感じた。
全体的に遊び易いシステムになっており、初心者向けに本作の名が挙がることがあるのも頷ける。

そして『アトリエシリーズ』の醍醐味といえばハイクオリティな音楽であるが、もちろん本作でもその期待は裏切らない。
オルガンとエレキギターが暴走する『Don't Panic』や、楽器の玉手箱とでも言いたくなる通常戦闘曲「Updraft」、まさかの杉並児童合唱団が歌唱する驚異の11/4拍子の楽曲『蜂群崩壊症候群 -Colony Collapse Disorder-』など、挙げればキリがない。

残念な点として、主人公を変えてもメインストーリーに大きな違いが無く、せっかくの主人公選択制がイマイチ機能していないのが非常に勿体ない。
ちなみに本作は時間制限のあるタイプの『アトリエ』であるため、好みはわかれるだろう。


【逆転検事1&2 御剣セレクション】

2024年9月プレイ開始
総プレイ時間:約80時間

【ストーリー】★★★★★ 5
【ゲームシステム】★★★★★ 5
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★☆ 4
【総評】90点

オリジナル版は、2009年、2011年にDS用ソフトとして発売されており、長年移植が望まれていた本作が、ニンテンドーダイレクト上にて突如発表されたのが記憶に新しい。
移植に伴い、グラフィックが一新されたのも嬉しいポイントだ。

かの有名な『逆転裁判』のスピンオフ作品である本作は、主人公を弁護士・成歩堂龍一ではなく、検事正・御剣怜侍に据えたのが特徴であり、被告人を守るのではなく、追い詰めていくという全く違った遊び方を楽しめる。

基本的なゲームシステムは『逆転裁判』を踏襲しているが、最大の違いとして「捜査パート」の存在がある。
「捜査パート」では、御剣を第三者視点で動かすことが可能で、自分の足を使って様々な場所や証拠品・遺留品を調査することができるようになっており、まるでプレイヤー自らが捜査をしているような感覚を得られる。

個人的に特に『逆転検事2』の完成度が凄まじく、10年以上前のゲームだとは到底思えないような感覚でプレイすることが出来た。
やや頼りない男として描かれる成歩堂とは打って変わり、頼れる男である御剣が主人公だからこそ生まれるドラマには、何度胸打たれたことだろうか。

もし本作を遊ぶつもりであるなら、先に『逆転裁判123 成歩堂セレクション』をプレイしておくのをオススメしておきたい。


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