PMSモニターという仕事

PMSモニターという職業はご存知ですか?
大手CROでは、新卒からPMSモニターに配属されるケースが多く、治験のCRAを目指して(本音はとにかく建前は)就活をしている皆さんには、あまり馴染みがないかもしれませんね。
最近、ネタがないので、このPMSモニターについてつらつら書いてみようと思います。転職や就活中の方の参考になるかな?

私がPMSモニターになったのは、とあるCROに入社してから半年後のこと、研修などが終わり、正式に配属先が決まってPMS部門に配属されました。
一応、配属先の希望は聞かれたのですが、なんか忙しそうでストレス多そうな治験のCRAは嫌だな。ということで消去法でPMSモニターを希望しました。

超簡単にPMSについて説明しておくと、治験って、限られたデータしかないですよね?例えば、こういう疾患をもった人にのみ治験薬を投与をしていた・何歳以下の人にのみ投与をしていた・・・ など。
なので、市場に出てきた薬に対して、厚労省の指示のもと、製造販売後調査(PMS)が実施されます。PMSでは、勿論、添付文書に沿って医師が薬を処方しますが、治験ほど厳しい処方の縛りはないので、より幅広い安全性や有効性のデータが拾えます。最近はドラッグロスが問題になっており、その対策として治験が簡略化されていくようなので、より重要性が増すかもしれません。

んで、PMSモニターって何してんの?と言われると、大まかに次の仕事をやっています。
1 医師に調査の説明
2 病院と調査の契約
3 医師に調査票入力の依頼
4 調査終了手続き

ざっとこんな感じです。
書き出すととても簡単そうですね。いや、実際、相手が良い人だとスムーズに進みます。ところがどっこい、忙しい医師がこーんな調査に構ってくれると思います?
CROをただの委託先と見ている製薬会社(依頼者)のMRが優しいと思います?
優しい医師やMRももちろんいます。医師と全然アポが取れず、MRに相談したら、代わりにアポをとってくれた人もいました。ただ、そういう優しい方は3割ほどですかね。あとの人は、高圧的だったり、「お前、普段どうやって仕事してんの?」と聞きたくなるような人がいらっしゃいますね。

さて、順番に説明しますと、
1医師に調査の説明:PMS対象薬が使われるぞ!となると、製薬会社のMRから連絡が入ります。初回の医師とのアポはMRがとってくれる場合が多いので、それについていって、こんな調査やりますよ、よろしくね。というのと、契約に必要な情報を聞き出しておきます。
たまに、医師のメアド共有するから自分でやってねみたいなMRもいます。
まあそれはそれで気が楽に進めます。

2病院と調査の契約:金銭が発生するので、契約を締結します。
この部分は、医師やMRがほぼ介入してこないので、気が楽です。
(契約窓口の人が高圧的でなければ)
しっかりしている病院では、契約窓口の薬剤部が、調査について説明してほしいとおっしゃるので、その場合は、1で医師に説明したのと同じものを説明します。

3医師に調査票入力の依頼:さて、契約締結したら、いよいよ調査開始です。
まずは患者登録をしてもらうのですが、対応してくれない医師だと、いきなりここで躓きます。メールしてもダメ、電話も繋いでもらえない、手紙でなんとか。
それでもダメなら、MRに相談して面談に同行させてもらいます。
これが、登録・調査票入力・再調査と続きます。ストレスストレス・・・。

4調査終了手続き:終了になる段階は、調査によって異なります。
全例調査という、対象薬を使用した全ての患者について調査票が発生する場合は、
厚労省が定めた調査期間は終了になりません。なので、終了手続きに携わるのは、あまりないんじゃないかと思います。
金銭支払いし、書類を提出して終了です。特にストレスない。

一番ストレスがかかるのは、やはり契約締結して調査開始したところでしょうかね。これもちゃんとやってくれる医師なら別に、MRと連絡取る必要もないし、ストレスないんですが、冒頭で書いた通り、多忙な医師がこんな調査に時間を割いてくれることの方が少ないですし、なんなら逆ギレされたりします。
いや、私が頼んでるんじゃなくて厚労省のお達しや・・・
優しい医師とかまめな医師なら時間はかかってもやってくれるので、ストレスフリー。アサイン運をどれだけもっているかです。

PMSモニターに向いている人は、とにかくストレス耐性がある人。これに尽きる。
注意点や怖い話は、有料版に書いておきますので、息抜きにでもどうぞ。

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