明るいバンギャル奮闘日記
ありがたいことに、仕事でヴィジュアル系に関わる事が出来るようになってきた。
今の会社に転職してきたときは「こんなことが出来たらいいな」とまだぼんやりとした夢だったけど、
3年働いて色々と出来ることも増えてきて、希望の部署異動も叶えた。
ぼんやりだった夢も、実現手段がなんとなく分かってきて、
形に出来るようになってきた。
嬉しいはずなのに、嬉しくてたまらないはずなのに、
なぜかずっとモヤモヤしてた。
頭の中ではなく、心の中に何かモヤっとしたものがずっとあった。
今日、なんとなくその正体が分かった。
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10歳頃から好きになり始めたヴィジュアル系は、
私の人生において、
一番楽しくて、かっこよくて、尊くて、可愛くて、
歴代のどんな彼氏よりも大好きな”世界”。
いつだって心を躍らせてくれて、
いつだってドキドキが止まらなくて、
いつだってときめいていられる、
大好きで、神様みたいな存在。
そんな神様を、
「あの人はいくらの利益になるだろう?」とか
「あのグループのファンは年齢が高そうだから、チケット代を上げても購入してくれそう」とか品定めするのが、すごくつらい。
私が好きじゃないバンドだって、神様みたいに愛してるファンがいるし、
たとえファンが全くいなかったとしても、好きな音楽を好きに歌い、奏でて、いつか誰かに届けって声を上げてる人も、全員尊いと、私は思ってる。
演奏力が~とか、顔が~とか、好みはそれぞれあるだろうけど、
私は、
ビジュアル系の世界すべてを、愛してしまった。
だから、すべてが尊いし、すべてが愛しい。
今の仕事に就く前までは、ゴリゴリの営業職だったから、
企業がどうやってお金を生み出すのか、ある程度分かるようになってきている。
目標やゴールがあればそれに向かって逆算して、人・金・時間をどうやって使ったらよいかなんとなくは描ける。
ゴールを作ってしまえば、ある程度の道筋を立てることは出来るけど、出来る、、けど、、、
自分が愛してやまない世界そのものや、その中の人たちのことを、
数字や社会的評価をするのがつらい。
何より、
小さいころからずっと好きで、全然売れてこなかったバンドを、
「売れてこなかった」って位置づけするのもいやだし、
ビジネスの世界でいったら「売れてない=最悪の評価」を、
一生かけて愛してる自分自身の感覚も、
最悪の評価された感覚になる。
私は大学時代(美大で油絵描いてた)に、
「好きなもの、描きたいものを描く人」と「売れる絵が描ける人」はどちらが正解なのか考えたことがある。
大学だって事前事業ではないので、
先生は「賞にノミネートする作品」だとか「教授やスポンサーに気に入られないと生きていけない」だとか言っていて、
芸術家を目指している子たちは頭を抱え、心が病んでく子も結構見てきた。
私は早々に芸術家の道は諦めてたから、それに悩むことはなかったけど、
「お金があることを前提に、好きな絵を描く」が正解なのかなとぼんやりと思っていた。
芸能の世界は、大きなお金が動く。
TV番組でも、音楽でも、美術でも、そこはビジネスの世界。
その中で、勝負に参加しない選択肢もあるが、
それはビジネスの世界を降りたのも同然。
だから、ビジネスの世界視点でいくと、
参加しないやつはただの敗北者なのである。
私がビジネスの世界において、
成功を収めたいと思うのならば、
私が好きだった、売れなかったバンド、人気がなかった人たちを、
「ビジネスの世界における敗北者」と結論付けてしまうことになる。
彼らだけじゃなくて、
私の中の数えきれないくらいの想い出や、
「すごい!すき!かっこいい!」と思ったあの、純粋で、
最高に弾け飛んだ感情の数々も、敗北者に加担した感情になってしまう、
ような気がする。(まだちょっと認めたくない)
念願叶って入った新しい部署で、
早くチームや上司に認めてもらいたくて、
結果を出しにいく。
向き合うのはつらいけど、
ビジュアル系の市場がもう少し大きくなって、
演者には、もうすこし余裕のある生活をおくってもらえるようになりたい。
私の夢は「職業:バンギャル」になること。
今までの、営業職で身につけたビジネススキルをすべて糧にして、
なんとかビジュアル系の市場拡大に貢献できるといいなと、思ってる。
好きなものを好きだと言い続けたいし、
好きなものが少し変わっていたとしても、
誇りを持てるほど愛せるものがある時点で、最高じゃないか。
部署異動して早くも心が折れそうになったけど、
何とか立て直した夜でした。
2024.08.27