第1章:FXを知る 2.取引数量とレバレッジ
さて、今回はFXの世界で重要な「取引数量(Lots)」と「レバレッジ」について詳しく見ていきましょう。
「なんだ、そんなの知ってるよ」と思う方もいれば、「何それ?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
でも一度ここで、きちんと整理しておくのは大切なことですから、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
2. 1 取引数量(Lots)とは?
まずは「取引数量(Lots)」から説明していきましょう。FXの取引では、一度に多くの通貨をまとめて取引します。この「まとめた単位」を「ロット(Lots)」と呼びます。例えば、卵を一つ一つでなくパックで買うのと同じように、通貨も一定の単位でまとめて取引するのです。FXでは、この「まとめ」の単位が「ロット」となります。
一般的に、1ロットは10万通貨単位を表します。つまり、1ロット取引をするということは、10万ドル、10万ユーロ、あるいは10万ポンドといったように、取引している通貨ペアの基準通貨で10万単位を取引することを意味します。
ここで例を挙げましょう。ドル円(USD/JPY)で1ロットを取引すると、10万ドル分の取引をすることになります。もしドル円のレートが1ドル=100円の場合、10万ドルの取引は100円 × 10万ドル=1,000万円分の取引となるわけです。「えっ、1,000万円も!?」と驚くかもしれませんが、これは実際に取引される額を表しています。
実際には多くのFX業者が0.01ロットから取引できるシステムを提供しているので、そんなに大きな金額を動かす必要はありませんよ。例えば、0.01ロットだと1,000通貨単位、つまり1,000ドル分の取引ということになります。少額から始められるのがFXの良いところです。
さらに、FXの便利なところは、取引数量を自分で細かくコントロールできることです。取引を行う際、MT4(MetaTrader 4)というソフトを使うことが多いのですが、このソフトでは注文時に「取引数量」や「Lots」という欄があります。ここで希望の数量を設定するだけで、すぐに取引を開始できます。たとえば、0.1ロットと入力すれば、1万通貨単位の取引が可能です。
2. 2 レバレッジとは?
次に、FX取引の中でも特に重要な「レバレッジ」というものについてお話ししたいと思います。
レバレッジって聞くと、ちょっと難しそうに感じるかもしれませんね。でも大丈夫です。一緒にゆっくり理解していきましょう。
まず、レバレッジとは何か、簡単に説明します。
レバレッジというのは、実はみなさんが小学校で習った「てこの原理」とよく似ているんです。覚えていますか?小さな力で大きなものを動かす、あの仕組みです。FXのレバレッジも、まさにそんな感じなんですよ。
FX口座を開設するとき、通常はレバレッジの上限が決められています。例えば、最大25倍とか。これは口座の設定段階で指定することになります。
ここで大事なのは、このレバレッジの設定方法や変更の可否は、使用する取引プラットフォームや証券会社によって異なるということです。
今回の「Sign-REXシステム」で使用している、MT4(MetaTrader 4)という取引プラットフォームでは、このプラットフォーム上でレバレッジそのものを直接変更することはできません。MT4では、レバレッジは証券会社側で設定されるものなんです。
一方で、証券会社によっては、自社の取引プラットフォームや管理画面で、口座のレバレッジ設定を後から変更できるところもあります。ただ、これはMT4とは別の話になりますね。
でも、ここで重要なのは、実際の取引では、このレバレッジの設定をそれほど意識しないということなんです。
特にMT4を使っている場合は、設定されたレバレッジの範囲内で取引することになりますが、日々の取引ではあまり気にしません。
むしろ、みなさんが注目すべきなのは前節の「Lots(ロット)」という単位です。これは取引量を表すもので、実際の取引ではこのLotsを調整することで、自分の資金管理を行います。
具体的には、MT4の取引画面で注文を出す際に、「取引数量(Lots)」の欄に、取引したいロット数を入力します。例えば、「0.1」と入力すれば1万通貨単位の取引、「0.01」と入力すれば1,000通貨単位の取引が行われます。
ここで重要なのは、ほとんどのトレーダーは、レバレッジを直接意識してこのLotsを決めているわけではないということです。代わりに、自分の資金量や、1回の取引でどれくらいのリスクを取るかという資金管理の観点からLotsを計算しているんです。
例えば、「口座の資金の1%以上はリスクにさらさない」というルールを決めている人がいるとします。その人が10万円の口座を持っていて、今回の取引で100円の損失を許容できるとしたら、0.1Lots(1万通貨)までの取引が可能ということになります。
このように決めたLotsが、結果として「実行レバレッジ」として現れるんです。つまり、レバレッジを意識して取引量を決めるのではなく、適切な資金管理を行った結果として、実際のレバレッジが決まるというわけですね。
初心者の方々は、この「資金管理」の概念をしっかり理解することが大切です。レバレッジを高くしよう、低くしようと考えるのではなく、自分の資金量に対して適切な取引量(Lots)はいくらなのか、を考えることが重要なんです。
私からのアドバイスとしては、まずは小さな取引量から始めることをおすすめします。例えば、口座資金の0.5%か1%程度のリスクから始めるのがいいでしょう。そして、取引に慣れてきたら、徐々に自分の許容できるリスクに合わせて調整していくんです。
覚えておいてほしいのは、多くの経験豊富なトレーダーでも、通常は自己資金の5%以上を1回の取引でリスクにさらすことはないということです。これは一般的なリスク管理の指針として広く認識されていますね。
FXの世界は本当に奥が深くて面白いものです。でも同時に、きちんとした知識と経験がないと危険も潜んでいます。ですが、大丈夫です。しっかり勉強して、慎重に取り組めば、きっと楽しく取引できるようになりますよ。
最後に一言。「急がば回れ」ということわざがありますよね。FXも同じです。焦らずじっくり取り組むのが、結局は一番の近道なんです。みなさん、頑張ってくださいね。何か質問があれば、いつでも聞いてくださいよ。FXの世界、一緒に楽しんでいきましょう!