「すべてが苦手」という伸びしろ
学童期、私はなにも得意なものがない子供だった。
「天は二物を与えず」という諺があるが、それどころかひとつも無かった。とりあえず5教科はすべて苦手。走らせればクラスで最下位。絵も描けず、楽器を演奏することもできない。歌も歌えない。昭和の辛口な成績表には、すべての教科に「2」がならび、人物評価も「積極性・責任感が足りず、引っ込み思案」というダメっぷりだった。友達もいなかった。
クラスメイト達は、苦手なことはあっても、それを補い、自分の立場を確保できるだけの特技を持っているように