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第55回作業療法士国家試験・第55回理学療法士国家試験の解説
※修正箇所があれば是非コメントでご指摘ください。
第55回作業療法士国家試験
第55回理学療法士国家試験
解説してみた。
問題51
自律神経系の機能をもつのはどれか。
1.視神経
2.滑車神経
3.三叉神経
4.迷走神経
5.舌下神経
模範解答: 4
【解説】脳神経、Ⅰ嗅神経、Ⅱ視神経、Ⅲ動眼神経、Ⅳ滑車神経、Ⅴ三叉神経、Ⅵ外転神経、Ⅶ顔面神経、Ⅷ内耳神経、Ⅸ舌咽神経、Ⅹ迷走神経、ⅩⅠ副神経、ⅩⅡ舌下神経の12対に含まれる神経の種類は、5=運動神経、3=知覚神経、2=副交感神経として、337585103101055(さーさーなごやのごとうさんとうとうゴーゴー)と覚える。
問題52
錐体路を含むのはどれか。
1.脳梁
2.大脳脚
3.上小脳脚
4.中小脳脚
5.下小脳脚
模範解答: 2
【解説】錐体路とは下行性伝導路(遠心性伝導路)のうち随意運動の伝導路で皮質延髄路と皮質脊髄路がある。同じく不随意運動の伝導路に小脳に関係する錐体外路がある。錐体路は大脳皮質中心前回から下り脳幹の前方を下行する。大脳脚は中脳の前方にある白質で錐体路である。脳梁は大脳髄質で最も太い交連線維(左右の半球を結ぶ)である。上小脳脚は小脳と中脳、中小脳脚は橋と小脳、下小脳脚は延髄と小脳を結ぶ神経線維であり錐体外路系に属す。
問題53
関節と関節構造の組合せで正しいのはどれか。
1.手のMP関節――らせん関節
2.橈骨手根関節――鞍関節
3.上橈尺関節――顆状関節
4.腕尺関節――蝶番関節
5.肩鎖関節――平面関節
模範解答: 4と5
【解説】腕尺関節は蝶番関節(1軸関節)、肩鎖関節は平面関節(無軸関節)である。手のMP関節は顆状関節(2軸関節)、橈骨手根関節は楕円関節(2軸関節)、上橈尺関節は車軸関節(1軸関節)である。まあ、国家試験なのだからMP関節と略さず中手指節関節と表記して欲しいところです。
問題54
手根管を通過しないのはどれか。
1.深指屈筋腱
2.浅指屈筋腱
3.長母指屈筋腱
4.尺側手根屈筋腱
5.橈側手根屈筋腱
模範解答: 4
【解説】手根管を通過するものは浅指屈筋腱、深指屈筋腱、長母指屈筋腱、正中神経である。橈側手根屈筋腱については疑義があり、手根管の外を通るものに長掌筋、尺側手根屈筋がある。
問題55
腰神経叢に含まれるのはどれか。
1.陰部神経
2.下殿神経
3.坐骨神経
4.上殿神経
5.大腿神経
模範解答: 5
【解説】腰神経叢(T12-L4)の筋枝には、腸骨下腹神経(T12-L1)、腸骨鼠径神経(L1)、陰部大腿神経(L1-2:鼡径管)、閉鎖神経(L2-4)、大腿神経(L2-4:筋裂孔を通る腰神経叢中最大)がある。仙骨神経叢(L4-S4)の筋枝には、上殿神経(L4-S1:梨状筋上孔)、下殿神経(L5-S2:梨状筋下孔)、坐骨神経(L4-S3:梨状筋下孔、人体中最大)、陰部神経(叢)(S2-S4:梨状筋下孔→小坐骨孔→陰部神経管[アルコック管])がある。
問題56
下大静脈に直接入るのはどれか。2つ選べ。
1.肝静脈
2.胃静脈
3.脾静脈
4.空回腸静脈
5.腎静脈
模範解答: 1と5
【解説】下大静脈の直接枝で壁側枝には壁下横隔静脈、腰静脈が、臓側枝には肝静脈、腎静脈、副腎静脈、精巣静脈、卵巣静脈がある。左右の胃静脈と幽門前静脈が合わさり胃冠状静脈となり門脈に入る。脾静脈も門脈に入る。空回腸静脈(空腸静脈+回腸静脈=小腸静脈)は上腸間膜静脈となり門脈に入る。
問題57
気管支について正しいのはどれか。
1.気管支には平滑筋がある。
2.左主気管支は右主気管支より短い。
3.気管支の内表面は平上皮で覆われる。
4.気管分岐部は食道の第1狭窄部にある。
5.気管の延長線に対する気管支の分岐角度は左より右の方が大きい。
模範解答: 1
【解説】気管支の膜性壁(部)には内輪外縦の平滑筋があり交感神経作用で弛緩、副交感神経作用で収縮する。左主気管支は右主気管支より細くて長い。気管支の内表面は多列線毛円柱上皮で覆われる。気管分岐部は第4・5胸椎の高さで食道の第2狭窄部(大動脈狭窄部)にあたる。気管の長軸方向に対する気管支の分岐角度は左45度、右24度で左の方が大きい。
問題58
後腹膜腔に存在するのはどれか。
1.胃
2.空腸
3.膵臓
4.横行結腸
5.S状結腸
模範解答: 3
【解説】腹膜後臓器は基本的に外膜(線維被膜)で被われ、十二指腸、上行結腸、下行結腸、直腸下部、膵臓、腎臓、尿管、副腎、腹大動脈、下大静脈、交感神経幹などがある。
問題59
上唇部~頬骨部~側頭窩を支配している感覚神経はどれか。【図の問題を言葉で表現しました】
1.眼神経
2.顔面神経
3.鼓室神経
4.耳介側頭神経
5.上顎神経
模範解答: 5
【解説】
問題60
線毛上皮があるのはどれか。
1.腟
2.子宮
3.尿管
4.膀胱
5.卵管
模範解答: 5
【解説】腟は重層扁平上皮、子宮内膜は単層円柱上皮、尿管・膀胱は移行上皮、卵管は線毛上皮である。
問題51
大脳基底核に分類されるのはどれか。
1.視床
2.上丘
3.被殻
4.下垂体
5.歯状核
模範解答: 3
【解説】大脳基底核には前障、レンズ核(内側:淡蒼球、外側:被殻)、尾状核(レンズ核の被殻と線条体を成す)がある。視床は間脳の灰白質で嗅覚以外の全身の感覚を中継する。上丘は中脳蓋(中脳後面)にあり視覚の反射に関与する。下垂体は間脳の視床下部にぶら下がる。歯状核は小脳髄質にある神経核の一つで最も大きく外側にある。
問題52
外胚葉から発生するのはどれか。2つ選べ。
1.乳腺
2.卵巣
3.甲状腺
4.松果体
5.上皮小体
模範解答: 1と4
【解説】乳腺はアポクリン分泌する皮膚腺の一つで、松果体は間脳の背面にあり神経系に属す。両者はいずれも外胚葉由来である。卵巣は生殖器系に属し中胚葉由来、甲状腺と上皮小体(副甲状腺)は内胚葉由来である。
問題53
中間楔状骨に接するのはどれか。
1.距骨
2.脛骨
3.舟状骨
4.踵骨
5.腓骨
模範解答: 3
【解説】中間楔状骨は足根骨のひとつで内側楔状骨と外側楔状骨に挟まれる。近位は舟状骨(楔舟関節の一部)、遠位は第2中足骨(足根中足関節[リスフラン関節]の一部)と関節する。
問題54
筋皮神経支配の筋はどれか。2つ選べ。
1.肘筋
2.棘下筋
3.三角筋
4.烏口腕筋
5.上腕二頭筋
模範解答: 4と5
【解説】筋皮神経が支配するのは、烏口腕筋、上腕ニ頭筋、上腕筋の上腕屈筋群である。肘筋は橈骨神経、棘下筋は肩甲上神経、三角筋は腋窩神経の支配である。
問題55
冠状動脈で正しいのはどれか。
1.大動脈弁の心室側から出る。
2.左右の冠状動脈は吻合しない。
3.左冠状動脈は房室結節に血液を送る。
4.右冠状動脈は前下降枝と回旋枝に分かれる。
5.左冠状動脈は心室中隔前方2/3に血液を送る。
模範解答: 5
【解説】左冠動脈は回旋枝と前室間枝に分かれ心室中隔前方を栄養する。冠状動脈が起始するValsalva洞(大動脈洞)は大動脈起始部にある。心臓の栄養血管である冠状動脈の終末には吻合が多数見られるが、太い動脈枝の間には少なく機能的終動脈である。房室結節(田原結節)は右心房の心房中隔付近にあり主に右冠状動脈が支配する。
問題56
動脈と触知可能な部位との組合せで誤っているのはどれか。
1.上腕動脈――上腕二頭筋後内側縁
2.橈骨動脈――前腕掌側面の外側遠位部
3.大腿動脈――Scarpa三角内
4.足背動脈――足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間
5.後脛骨動脈――外果後方
模範解答: 5
【解説】後脛骨動脈は内果下方の足根管を後脛骨筋腱、長趾屈筋腱、長母趾屈筋腱、後脛骨静脈、脛骨神経とともに通る。
問題57
胃について正しいのはどれか。
1.幽門は食道に連なる。
2.胃切痕は大弯側にある。
3.胃体の下端部を胃底という。
4.噴門は第1腰椎の右側にある。
5.胃の大弯は大網を介して横行結腸と結合する。
模範解答: 5
【解説】大弯は胃体の左側の弯曲で大網をここから大腸の横行結腸へと出す。幽門は小腸の十二指腸に移行する。食道には噴門で接続する。胃切痕は胃体と幽門部の結合する小弯側の遠位部にある。胃底は胃体の上方、噴門の左側で上方に突出し横隔膜直下にある。噴門は第11胸椎やや左側にある。
問題58
泌尿器について正しいのはどれか。
1.尿管口は膀胱尖に開く。
2.尿管内部には逆流防止弁がある。
3.男性の尿道は女性に比べて短い。
4.男性の尿道は前立腺を貫いている。
5.内尿道口は膀胱三角の中央に開く。
模範解答: 4
【解説】男性の尿道は前立腺を縦に貫いている。左右の尿管口は膀胱底(後面)に開口し、膀胱三角の頂点の二つである。尿管内部には弁がなく膀胱壁を斜めに貫くことで膀胱内圧が上がると弁の働きをさせている。男性の尿道は女性(約3cm)に比べて長く約18cm。内尿道口は膀胱三角の中央に開く。
問題59
内耳に含まれるのはどれか。
1.鼓室
2.耳管
3.キヌタ骨
4.膜半規管
5.アブミ骨筋
模範解答: 4
【解説】膜半規管は内耳にあり、平衡覚器の膜迷路である。鼓室、耳管、キヌタ骨、アブミ骨筋はすべて中耳にある。
問題60
Scarpa三角の内で触知できる筋はどれか。2つ選べ。
1.大腿直筋
2.恥骨筋
3.腸腰筋
4.内閉鎖筋
5.梨状筋
模範解答: 2と3
【解説】大腿三角(スカルパ三角)は鼠径靭帯、縫工筋内側縁、長内転筋内側縁がつくり、大腿静脈、大腿動脈(ここで大腿深動脈を出す)、大腿神経、鼠径リンパ節、腸腰筋、恥骨筋が通過する。