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マリオルイージRPGブラザーシップをクリアした

マリオルイージRPGブラザーシップをクリアしました。
色々と思うことがあったので、色々と書きたいと思います。

始めに

前書き


あらかじめ注意しておきます。
この記事では、作品の良いところも悪いところも素直に記します。何故そう感じたか、可能な限り正当性を持って解説するよう心がけます。それでも批判的な内容を含む為、人によっては不快かと思います。そういった方にこの記事はおススメしません。
逆に、「自身も思うとこがあったので他の人がどう思ったかを詳しく知りたい」等、そういった人には向いた内容です。
また、基本的にクリア済の人向けに書いてる為、ネタバレもフルで記載してます。

それと、単純に長いです。全部書いたら凄い事になる為、大分選別しましたがそれでも長いです。
このゲーム、不満点の一つ一つが瞬間的なモノではなく、不満点Aによって新たな不満点Bが発生し、その不満点Bが更に不満点Cを誘発させる…といった連鎖が発生してます。不満のぷよぷよです。
その為、不満点一つ一つを丁寧に解説すると長くなるのです。

その辺の覚悟が決まった方のみ、どうぞ読み進めてください。

このゲームについて


一度滅びたシリーズがまさかの復活という事で、界隈でも話題になりました。
自分は1と2はプレイしましたが、1が楽しかったのでそれなりに気になっていました。

今作を敢えて短い言葉で表現するなら
「贅沢な食材を安物の皿にぶちまけてマヨネーズで過剰に味付けした料理」でしょうか。
「スペックは凄いが、痒いところが無限にあってその全てに手が届かない存在」でも良いです。
この表現から少しでもイメージが共有出来れば幸いです。
次から細かく解説していきます。
不満点と良かった点の、不満点から先に挙げていきます。

不満点

不満点その1
ストーリーのテンポが遅い

今作はメインクエだけをプレイしても、クリアまで相当時間がかかります。
それだけボリュームが凄いとも解釈出来ます。
しかし、かけたプレイ時間に対して得られるモノ、体験が少ないのです。
大まかなゲームの流れを説明すると
①島を見つける
②その島で発生したトラブルや事件を解決する
③島の灯台を照らし、船島と繋いでクリア
基本的にはこれだけです。では何故そんなに時間がかかるかというと、いくつか理由があります。

島内のイベントにおつかいモノが多く、だれる
島自体の大きさはそれほどありません。島なので。そこで必然、イベントを長くさせる為に何度も何度も島内を往復する必要が出てきます。
また、そういったイベントへの導入がやや不自然(動機が不十分だったりマリオ達に全任せだったり等)である為、移動する必要が感じないのに移動を強要されます。
そのせいで、キャラの言動に違和感が生じ、イベントそのものの魅力も感じづらくなり、だれる要因となってます。
そしてその往復移動が次の問題を発生させます。

・雑魚敵戦が長い為、だれる
本作はシンボルエンカウントシステムです。このシステムの特徴は、戦闘を避けるか否かプレイヤー側に選択の余地がある事です。
しかし本作ではその選択の余地がほぼ無く、避けれないシンボルが多数配置されております。
更に、マリルイでは戦闘中にアクションを行い、敵の攻撃を避ける、或いは反撃するという事が出来ます。
それ自体は非常に画期的でユニークなシステムです。
ただ、今回はこのシステムのポテンシャルを活かしきれておりません。
このシステムは裏を返せば、プレイヤーが上手く捌けば全ての攻撃を回避する事が出来てしまうというものです。なので、難易度を調整する必要が出てきます。
その難易度調整の一環として、敵の攻撃回数がやたらと多くなってます。
更に本作には先制攻撃システムもついてます。
これはフィールド上で攻撃を仕掛けた側が先手をとれるというモノで、マリオ側にも敵側にもチャンスがあります。
するとどうなるでしょう。先に挙げたように、襲撃回避不能なシンボルが多数配置されており、先制攻撃を受けての戦闘開始が多いです。
そうなると、先制攻撃によりやたらと長い回避ターンを強いられるケースが非常に多くなり、結果的に雑魚敵戦がだれてきます。

・そもそも雑魚敵戦自体がだれる
雑魚敵戦が半強制的である事は説明しました。
とはいえ、そもそも戦闘が面白ければ強制されようが問題ないのでは?と思います
ボス戦に関してはアクションコマンドに加え、ルイージセンスというシステムにより、楽しめるものとなってます。
しかし戦闘そのものもいくつか問題があり、プレイ体験に支障が出るものとなってます。
問題点を簡単に列挙すると
・時折処理落ちによるアクション失敗が発生する
・敵の攻撃によっては一度のミスによるリスクが大きく、特別なリターンも無い。
・攻撃→攻撃間の緩急が一定でない為、ミスを誘発させやすい
といったものがあります。
下二つに関しては、難易度調整という名目があるかと思いますが、"難しい"というより"理不尽"という感情が上回ってしまいます。
処理落ちに関してはアクションコマンドシステムの根本を揺るがしてしまう部分なので、擁護出来ないです。
ここのコンボが完成すると、処理落ちでワンミスしてしまい、リスクの大きい攻撃だった為、そのままゲームオーバーと繋がる事まであります。

以上の理由から、島探索での体験は半分以上がだれる戦闘になっており、島攻略に魅力を感じづらくなってます。

不満点その2
キャラクター達の言動に筋が通ってないモノが多く、歪になってる。

キャラクターの言動の所々から違和感を覚えます。
先ほどイベントの時も書きましたが、不自然な導入のおつかいイベントが多く、キャラクター達の言動がおかしなものとなってます。
その現象が、特定のイベントに留まらず、ストーリー内の大半で発生しています。
その結果、「キャラの性格が変わったように感じるが、この展開にしたかったからこういう台詞を言わせてる」という、良くないメタ的な感覚へと陥ります。

また、原作マリオキャラに対する解釈も違いました。
マリオキャラクター達は、シリーズによって多少性格やノリに誤差がある為、一概に言う事は出来ませんが、それを考慮しても違和感が勝りました。
その辺について解説していきます。

・クッパ
今回のクッパ様及びクッパ軍ですが、異常なレベルでマリオ達を敵視してます。DNAに刻まれてるレベルです。
従来のシリーズだと、敵対する事は多いですが、目的次第で協力する事も珍しくありません。
何ならシリーズ初代のマリオルイージRPGでは、ピーチ姫の声を取り戻すために協力関係にあったくらいです。
それを考えると、作中における「マリオ兄弟はいついかなる時もクッパ軍の敵」という台詞に違和感が出てしまいます。
しかも、今回のクッパ軍は極悪非道な存在なのかというと、そうでもありません。
クッパ軍はコネクタルランドの某島を支配し領地としてますが、支配下にある住民たちの評判は結構良いのです。
その結果、何故かピンポイントでマリオ達にだけ敵意が向いてる為、余計に違和感が加速します。
更にはピーチ姫に対して全くの無関心です。これもシリーズによって違いますが、最近のトレンド的にはクッパはピーチに対して特別な感情を抱いてるのが主流です。
シナリオがほぼ無い横スクロールアクションとかならともかく、これだけテキストのある作品で全くの無関心というのは違和感がありました。

・ピーチ姫
ピーチ姫に関しては、クッパと比較するとそこまで違和感はありません。
ただし、良くも悪くもという感じです。
頑張ろうとしてるイベントは多数ありますが、実際に何かしたかと言われるとイマイチぴんと来ません。
にも拘わらず、周囲のピーチ姫への評価が異常に高くなっており、その様は一種の宗教的な何かを彷彿させます。
最初の方こそ、積極的に作戦を提案し本編に絡む姿勢を見せてましたが、中盤以降はグズグズ団というキッズの集いに気に入られてしまい、彼らとの活動がメインとなります。
しかし、グズグズ団は主に島の調査でマリオ達の役に立とうと頑張ってはくれるのですが、実際そこまで役立っておりません。
何故なら、調査で発覚したトラブルは結局マリオ達が解決する事になるからです。更に加えるなら、マリオ達はどちらせよ島内でのトラブルは基本的に解決するので、グズグズ団が調査しようがしまいが、ユーザー側の行動に変化が現れません。
その一員であるピーチ姫も、何だか頑張ってはくれてるけど結果が伴ってない印象になってます。
また、クッパはピーチ姫に対して無反応ですが、ピーチもまたクッパに対して無反応なのです。他人かな?
クッパ初登場時、ピーチ姫は不在なのですが、後に再会した時ですら、クッパに対して特別なリアクションがありません。マジで全くありません。襲われたマリオ達を労う事もしません。何も言わずにグズグズ団のキッズ達と共に立ち去ってしまいます。
クッパに襲われ安否不明だったマリオに対してこのリアクションはどうしても違和感が残ります。そんなにグズグズ団の居心地が良いのでしょうか。

・イエロースター
前作から続投してるアシストキャラですが、今回はピーチ姫の添え物です。添え物の添え物です。
自分はシリーズを2までしかやっていないので、このキャラの性格を知りませんが、キャラの解説は一切無く「当然皆さんご存知ですよね?」というノリで会話してくるので、新規ユーザーとしては謎の存在のまま話が進みます。
シリーズとしての新作が久々ですし、そもそも新作が出るかも危ういシリーズだったので、既存キャラの説明はある程度あった方が良いとは思いました。
本編に絡む事も無い為、別に知らなくても問題は無いんですが、彼女の態度が何といいますか、非常に馴れ馴れしくかつ若干の上から目線で絡んで来る為、リアクションに困ります。タップーも彼女の事をさん付けで呼んでおり、心なしか距離を感じます。

・コネッタ
本作のヒロイン枠であるコネッタもちょっと危ういです。
問題児が多い本作において、数少ない善良癒し枠として普段は活躍してくれます。
ただし、最後のイベントでとてつもない闇を爆発させてしまいます。
ラスボスであるボッチアーニが消滅する直前、突然コネッタが姿を現し、瀕死のボッチアーニに対して持論を展開し、一方的に捲し立てた後、「消えてしまいなさい!」と言い放ちます。
あまりに攻撃的な態度で、これまでのコネッタからは想像も出来ないような発言です。何なら敵の事を心配する方がイメージとしては合致します。
ただ、このボッチアーニはコネッタの大好きな先生を洗脳し、悪事を強要してたので、それに対して内心で滅茶苦茶憤慨してた可能性はあります。
とはいえ、それについての解説も特にありませんし、仮にそうだとしても、私怨を正当化して相手を攻撃する行為は、対象の罪に関わらず褒められた行為ではありませんね。
更には、持論の中で絆の大切さを説いてるあたりに質の悪さが出ています。絆を真に重要視するなら、ボッチアーニのような存在にこそ手を差し伸べるべきではないでしょうか。それをせずに敗北が確定した相手に持論を展開し暴言を叩きつける行為は結構な問題行動です。所謂死体蹴り行為であり、少なくとも善良ヒロインの行いではありません。

・グズグズ団
キッズ達です。
結成理由も謎、普段どういう活動してるかも謎なので、近所の仲良い子供たちが集まって名前つけたのかなって感じです。
ピーチ姫の項目で軽く触れましたが、島を調査する事でマリオ達を助けてくれようとしてくれます。
ただ、その理由が結構謎というか、ふわふわしてるし、何をどう調査してるかも謎です。
そしてやたらとピーチ姫に憧れを抱いており、ピーチの活躍を目撃する事でコンプレックスを刺激されるシーンまであります。(なおピーチはそこまで大活躍してません)
その結果、「自分たちは力不足だから」という理由で、ピーチ姫をグズグズ団へと勧誘してきます。この思考プロセスも違和感を覚えます。
自分たちの力不足を認めたなら、そこを補う為に頑張ってから憧れの人に認めてもらいたい、というのが真っ直ぐな姿勢ではないでしょうか。弱いから力を貸せというのは理屈としては通ってますが、子供の内からそれ一本だと成長を妨げる要因足りえます。
ピーチ姫も満更ではない感じで加入してしまうので、彼らの将来が若干心配になります。
しかも、「グズグズ団」という名前はメンバーの頭文字から一つずつとったものなのに、ピーチ姫(とついでにイエロースター)加入後も特に変化が無いところも、拘りの弱さが浮き出てしまいます。
そのくせ重要な会議で発言数が多かったりで、所謂"生意気な子供"ではないのですが、どこかマリオ達に対するリスペクトが弱く、自分たちと同列だと内心思ってそうな言動が端々から出てきており、傲慢さを感じます。

・ギミルダ
今作における発明家のお姉さんです。
実験や発明が大好きな少し変わり者の方です。
ギミルダさんに関してはそこまで変な言動は無いのですが、アダップルというライバルが出現してから雲行きが怪しくなります。
とあるサブクエで、ギミルダさんが過去にアダップルと発明家コンテスト決勝で敗北して凹んだ事が判明します。
しかし彼女は、「天才でなくとも人の役に立つ発明が出来ればそれで良い」と気付き、立ち直りました。
その筈だったんですが、再度アダップルと再会した時のギミルダさんは、明らかにアダップルに対抗意識を燃やしてきます。
そうなってくると、結局心の底から納得した訳ではなく、自身を慰める言い訳としてそういう理論を持ち出しただけだったのではと疑ってしまいます。
特に酷いのが、アダップルの発明品を見せた時、勝手に拝借し、無断で改造した上で「不具合があったので直しました」と言い放ち、アダップルの名前がついた発明品を自身の名前がついたモノに変えるというモノです。
これはモノづくりをしてる方なら直観的に分かりますが、とんでもない行為です。
これまで変わり者だけど気の優しい人という印象のギミルダさんでしたが、このイベントによって、抱える闇の片鱗を見せてしまいます。その辺を追求するエピソードが無いことも気になりました。

・パパミール
行方不明で定期的に手紙だけを残して回想にのみ出現するおじさんです。準レギュラーであるセンサミールという子がいて、そのパパなのでパパミールです。
ボスステージで手紙を残し、情報を小出しで提供してくれます。
しかし、その手紙の内容が余りにも救世主頼みとなっていて、別の意味で心配してしまいます。
パパミール視点では救世主(マリオ達)の存在を全く知らない上に、この世界にそういった伝承があるとかも無いです。いるかどうかも分からない救世主に託して全力で手紙を残す変な人になってます。
更にはその手紙の内容も「怒りで爆発しそうになりながらいつか現れる救世主を信じてこの手紙を残す」とか書いてます。
自分は怒りで爆発しそうになりながら手紙を書いた事が無いので分かりませんが、そういう時ってもっと文章や文字が荒れるんじゃないでしょうか。
しかも爆発しそうになりながら縋るモノが、いるかどうかも分からない救世主というのは流石にどうかと思います。この世界の守り神はオムスビ様ですよ。オムスビ様に縋りましょう。
そんな序盤から終盤まで手紙と回想のみの出場で強いインパクトを残すパパミールですが、本編中に実像として登場する事は無く、エンディングの瞬間にしれっと登場するだけです。念願の救世主に手紙届いてた訳ですし、その辺のやりとり込みで、もうちょっと出番欲しかったですね。

・ゾケット
今作の大ボスです。正体は洗脳されたコネッタの先生です。
このキャラの問題点は、器が大ボスのそれではないというところです。
何故か名前を覚えるのが非常に苦手だったり、やたらと時間管理が細かかったり、設定はあるのですが、そこに至った理由が一切表現されてない為、設定だけが先行してる印象です。中学生の設定ノートを引っ張り出してそのまま採用した感じです。
更に、ゾケットは早い段階でマリオ達を認識してわざわざ現場に来て確認までしたのに「大した脅威ではない」と判断し、部下任せにしています。その判断の結果、マリオ達は無事世界を救う事が出来ますが、明確に存在したチャンスをふいにするというのは、上に立つ資質があるとは言えないでしょう。
また、部下であるボルドルド隊への態度も非常に悪く(名前を間違える、失敗に対し具体的な改善案も挙げず文句だけ言う、提案に対して聞く耳をもたない癖にその案に魅力を感じた瞬間掌を返す等)、ボルドルド隊がゾケットに従う理由もイマイチ掴みづらいです。
力による恐怖で支配してるのかと思いきや、ボルドーがゾケットに対して強めのツッコミをいれるシーンもあるので、そこまでビビられてる感じでもありません。
結果的に、"名前を覚えるのが苦手な癖に時間に対しては厳格で部下にも舐められてる悲しい上司"という印象になってしまいます。強いんですけどね。

・コトゼット
ゾケットの本来の人格であり、コネッタの先生です。
コネッタにやたらと慕われてた心優しい人らしいのですが、心優しいと判断するには聊か違和感のある人です。
コトゼットはゾケット時代の悪行を悔いて責任を感じ、黙って一人で書置きだけ残し、ボッチアーニのもとに向かってしまうのですが、その理由が「コネッタに心配かけたくないから」というものなのです。
プレイヤー視点では、コネッタがどれ程先生の事を心配してたかイヤという程教え込まれていました。先生が無事戻ってきた時のコネッタの心境は容易に想像できるでしょう。
にも拘らず、そのコネッタを残して一人でボスに特攻し、挙句の果てに「心配かけたくない」というのは、流石に大局を見る能力が欠如しているし、心優しい人の所業とは思えません。
自己犠牲を美談と捉えてる人にありがちな行いですが、子供にモノを教えれるタイプでは無いでしょう。

・ボルドルド隊
今作のズッコケ三人組です。
ゾケットに従い悪事を企む連中ですが、ゾケットの計画自体が極秘だったのに従ってた奇特な三人組です。
ゾケットの項目でも触れましたが、特別慕ってた訳でも恐れてた訳でもなかったので結構謎です。単純に悪事が好きな三人組なのでしょうか。作戦の種類も、「逃げる」「落とし穴」「変装での騙し討ち」等、姑息な行動が多いところからも、その可能性は高いです。
ただ、作中で本人や周囲がそこに言及するシーンが無かった為、「こいつら何で悪だくみしてるんだろう…」とずっと悩んだ末、最終的に「ああ、悪だくみが好きだっただけなのか」となるだけなので、プレイ中は終始モヤっとしたまま彼らの悪事を見守る事になってしまいます。

不満点その3
ミニゲーム全般


作中にはいくつかミニゲームが出てきますが、それらにも問題を感じました。

・ハンマーラリー
マリオとルイージがハンマーを使ってボールをラリーするミニゲームです。
ラリーを続ける毎にボールが速くなっていき、100回こなすと特別な報酬が手に入ります。
しかし、
処理落ちでラリーのタイミングがズレる
100回目を達成した瞬間、モニターの表示が「99」で止まる為、一瞬ミスしたのかと焦る
ボールを叩くタイミングでボールの軌道が変化する為、リズムに変化が発生する
といった理由で、プレイ体験がいまいちスッキリしません。
また、クリアに必須ではありませんが、配置場所が最序盤にある為、コンプ欲の強い人だとドツボにハマる危険性を含んでる事も気になりました。

・ダンス(リズム)ゲーム
こちらは本編でクリア必須なミニゲームです。
唐突にスタートする上に、ワンミスでもしてしまうとクリアにならない上に、本編中そこそこの頻度で現れます。
一応、ミスが続くとお手付きの回数を増やせたり、スキップする事も出来るのですが、提示されたミニゲームをクリアせずに進むというのは、ユーザーとしては出来れば避けたい事です。
その為、ワンミスもしてはいけないという基準は、強制ミニゲームとしては要求値が高いのではと感じました。

不満点その4
シナリオや設定の掘り下げが弱い


今作のシナリオや設定ですが、問題点を総て列挙すると、細かすぎるかつとんでもない量になってしまう為、特別不満が多かった項目に絞って説明していきます。

・ゼツエンタイの設定曖昧すぎ問題
今作を語る上で外せない重要な存在に"ゼツエンタイ"があります。
しかし、このゼツエンタイ、重要で頻出するにも関わらず、あまりにも設定がふわふわしてる為、ユーザー側としては結構混乱する要素となってます。
順を追って解説します。
初登場時のゼツエンタイ状態は、『この状態になると、他者との繋がりを猛烈に拒絶したくなる』というモノで、その威力は、種族の壁を乗り越えた婚約者同士の絆をも破壊する程、恐ろしいモノとして登場しました。
ゲームが進むと野生のモンスターがゼツエンタイ状態で出現するようになります。しかし、彼らは何故か仲間意識が従来のままであり、更には謎バリアー機能の追加と攻撃力アップを得た純粋強化状態となってます。この辺りから、ゼツエンタイの定義に違和感を覚え始めます。
また、ゼツエンタイ状態となったモンスターやクッパ軍は、何故か問答無用にマリオ達を襲ってきます。一応ゾケットがゼツエンタイ状態の者を操れるのですが、それが判明するのは物語終盤なので、判明するまでユーザーは何故か襲われ続ける理不尽さとも闘う事になります。更に言うなら、操られるというより本能的に襲われる感じなので、ゾケットの能力によるものなのか、ゼツエンタイの仕様によるものかも不明です。
他にも、「クッパは強力なので通常のゼツエンタイは通用しない」という新理論が突如出現し、そのまま流れるようにハイパーゼツエンビーム「クアッドン」が出現します(そのシーンでしか登場しません)。このゼツエンタイ状態になると、狂暴化とバリアー機能に加え浮遊機能まで搭載されます。羨ましいですね。
このような感じで、設定に一貫性が無く、最後まで出る割りに最後まで分からなかった謎の症状としてゼツエンタイは幕を閉じます。

クリボー軍団パタパタ軍団との戦闘
ストーリーの中盤くらいで発生するイベントバトルです。悪夢です。
まず最初にクリボー軍団(6体)と戦い、その後パタパタ軍団(パタパタ5体ノコノコ1体)との戦闘が連戦で行われます。
この戦闘は、同時に全ての敵を倒さないと、残った敵が仲間を召喚し続けるという地獄のような仕様となってます。
問題点として、
①優秀な全体攻撃が少なく、その技も処理落ちによってダメージを与えづらい
②敵の攻撃をカウンター出来る為、ダメージを均一にしたくてもダメージを与えてしまうケースが多い
③仲間を呼ぶ数が倒された数よりも多い場合があり、ミスればミスる程攻略が困難になっていく
④パタパタ軍団でゲームオーバーになっても、クリボー軍団からのスタートになる
⑤そもそもシステムとして面白いのかが懐疑的
といったものが挙げられます。
一つずつ詳しく説明していくと

①優秀な全体攻撃が少なく、その技も処理落ちによってダメージを与えづらい
この時点で憶えてる均一全体技が、ルイージのダイナモサンダーしかありません。(他は多少のバラつきが発生する)
しかしその技は処理落ちが確定で発生しており、コマンドを成功させる事が困難になってます。
その為、ルイージのターンまで粘る必要がある上に、うまく回せてもコマンド失敗でダメージ不足によりリテイクしてしまうケースが多発します。

②敵の攻撃をカウンター出来る為、均一にダメージを与えることが難しい
アクションコマンドシステムについては既に説明済ですね。これによって敵のターンでも上手くいけばこちらが反撃出来るというのは、コンセプトとしては非常に魅力的です。
しかし、この戦闘に置いてはそれが逆転してしまい、反撃が出来るのに反撃すると損するという理不尽さが発生します。
自ら用意した魅力的なシステムを自ら破壊するというのは、勿体ないですね

③仲間を呼ぶ数が倒された数よりも多い場合があり、ミスればミスる程攻略が困難になっていく
これについては仕様がよく分からないのですが、敵を一体だけ倒すと、二体仲間を呼ばれる事が結構ありました。
そもそも、敵を倒す時は単体で仕留めるケースが多いので、一体だけ倒して二体補充されるというパターンはむしろ多いです。
その結果、ミスればミスる程敵の数は増えていき、攻略がどんどん困難となり、ゲームオーバーでやり直した方が良いという風になってしまいます。

④パタパタ軍団でゲームオーバーになっても、クリボー軍団からのスタートになる
③で説明したように、ゲームオーバーになった方がいいという状況が発生しがちなのですが、その際やり直しがクリボー軍団からというのも不満です。
苦労してクリボー軍団を倒したのに、パタパタ軍団討伐の際に敵を倒してしまい、そこからどんどん敵が増え続け、ゲームオーバーで再びクリボー軍団から…という状況が、たったのワンミスで発生してしまうのはあまりに不健全です。

⑤そもそもシステムとして面白いのかが懐疑的
これについてはもうそのままなんですが、「これ、面白いか?」って、感じです。
自分は面白くなかったですが、面白いと感じる人もいるのでしょうか。まあ主観としての感想なので、掘り下げる程のものはないです。

こういった理由で、このイベントバトルは非常にストレスの高い体験となり、このゲームにおける不満要素の一つとして脳裏に刻まれました。

・砂漠に生息する強すぎるサメ
砂漠の島に、攻撃を受けたら即死レベルのダメージを与えてくるサメがいます。
原住民が警告はしてくれますが、足場の悪いエリアで出現する為、全て回避するのは難しく、エンカウントは避けれません。
しかも、ユーザ側としてはエンカウントを回避したい為、エンカウントするのは相手に襲われる時、つまり先制攻撃を受ける状態で始まります。
攻撃をくらえば即死なので、サクサクによる再開も意味がなく、回避に成功するまでやり直すしかありません。
結局ゲームテンポが悪くなり、プレイ体験にストレスを付与するだけのシステムとなっています。

嘘をつくUI
このゲームはスタートのメニューからシナリオの現状を教えてくれる文章が見れます。
しかし、この文章なんと嘘をつくのです。
ゾケット戦前の解説文が「いざ最後の戦いへ! キツくなったらこまめに回復しよう。」となるんですが、この戦いは全然最後でなく、どちらかというと最終章への入り口って感じです。
メタ的な話になりますが、ナレーションは嘘ついちゃダメです。
最後の戦いだからといって、コインを余らせずに使い切ったり、アイテムを贅沢に使った人もいるのではないでしょうか。私の事です。このようにユーザーの行動を左右させる可能性があります。
ナレーションが真実を告げるべきなのは、ゲームに関わらず、創作全般のマナーなので、守って欲しいです。

・オムスビ様
このゲームの諸悪の根源もとい、コネクタルランドに伝承される神様です。マリオ達をこの世界に呼んだ張本人です。
この神様、初登場時に「実在してると認知されるのを避けたいので姿を見せなかった」と言いますが、本編で存在が仄めかされるのが一瞬だけなので、実在云々の前にどちら様ですかという感想が先に出てきます。
原住民のパパミールですら、守り神であるオムスビ様の名前を出さずに、見ず知らずの救世主に頼ってました。恐らく信仰度も認知度も低いです。
マリオ達を呼んだ理由は教えてくれますが、ピーチ姫やクッパ軍まで連れてきた理由については言及してくれません。
オープニングムービーを見た感じ、巨大なワープホールを召喚してたので、恐らく細かい調整が苦手かと推測出来ますが、それならそうと言ってほしいです。貴方の呼んだクッパ軍、結構皆に迷惑かけてますよ。
更には、マリオ達を呼んだ理由が「強い絆の持ち主を探しており、お主らを見て確信した」と言った直後に「お主らの絆を証明してみせよ」と言い、戦闘を仕掛けてきます。お爺ちゃんボケたの?
しかも、その絆の確認方法も疑問です。マリオとルイージを片方ずつ分離し、偽物を召喚して従来のモーションと同じ動きをしてるヤツを当てろという、ミニゲームのような戦闘が始まります。
そこまではギリギリ良いとしても、その後カップを被せてシャッフルしてきます。絆関係ないです。お爺ちゃんボケてます。
絆の証明というより年寄りの道楽に付き合わされた気分になります。お爺ちゃん寂しかったのかな。

不満点その5
必要性を感じない分岐システム


ゲームの進行中、プレイヤーの二択によってシナリオに変化が発生するイベントが存在します。
しかしこの分岐が中々に歪となっており、公平な二択でないケースが多い為、選ぶ事にストレスが発生します。

ケース1 ルイージとピーチ、どちらを攫わせる問題
これは敵が誘拐した人々をどこへ連れ去ってるかを突き止める為に、囮としてピーチかルイージを誘拐させるというものです。
ピーチを攫わせた場合、誘拐場所での行動幅がせまいが、マリオ側での行動に支障がない。ルイージを攫わせた場合、誘拐場所での行動幅は広いが、マリオ側での行動が難しくなる。という選択です。
しかし実態は、どちらを選んでも誘拐場所での行動範囲に大きな差は無い上に、ストーリー的にも変化は起きず、ルイージを選択したところでほぼマリオがつらくなるだけというモノとなってます。

ケース2 結婚式に必要なアイテムをどこで手に入れるか問題
本編の重要なイベントとして、現地民の結婚式があります。
彼らの式に必要なケーキとドレスを、何故か当然のようにマリオ達が調達する事になるのですが、ここでも選択肢が出てきます。
しかし、片方は仲間が提案したもので、もう片方はボルドルド隊の悪だくみにより誘導された場所となってます。ユーザー視点では明らかに罠と分かった上で選択する為、興味本位でないと選ばない選択肢となっており、公平とはいえずモヤっとします。

ケース3 ギミルダとアダップル どちらの案を採用する問題
ゲーム終盤で、敵本拠地のバリアを突破する為に、ギミルダとアダップルのどちらのプランを採用するかという選択に迫られます。
既に仲間として十二分に活躍してたギミルダが、解決案を出せない状態になり、ギミルダ以上の天才と噂されてるアダップルに助けを求めます。
しかしこの二名、ギミルダの項目でも触れましたが、とても深い因縁があるのです。
何とかアダップルを説得し連れてくる事には成功しますが、何故かギミルダが「プランが固まったので貴方の助けは要らない」と言い、ギミルダとアダップルが非常に険悪なムードとなります。困ります。
ここで問題なのが、"そもそもギミルダが解決出来ないからアダップルを呼んだ"という事です。プレイヤーとしては付き合いの長いギミルダに何とかしてほしいけど、無理だから仕方なくアダップルを呼んでるんです。
なんならギミルダチームにはピーチ姫にもいるし、私情で選ぶなら間違いなくギミルダチームとなります。
しかし、最初に出来ないという態度を示しながら後から掌を返すのは、明らかにギミルダ側の落ち度です。そこを無視してアダップルを追い返すのは、非常に失礼です。
更なる問題として、何故か選ばれなかった方が船島を出ていくという条件までついてきます。マジで何で?
ギミルダを選んでアダップルが帰るのは自然ですが、アダップルを選んだ場合にギミルダ達が出ていくのは違和感しかありません。
アダップル曰く「作業の邪魔だから」だそうですが、作業場に近づかなければいいだけです。船島は広いので。私怨が混じってるとしか思えません。
結局埒が明かない為、マリオが選ぶのですが、どちらを選んでも遺恨を残します。そのような選択権をマリオ(プレイヤー)に託されるのは、ストレスでしかありません。
実際、アダップルを選んだ際のギミルダは「マリオさんが選んだことなので…」と言ってますが、とても納得してるようには見えません。ピーチ姫も内心で絶対切れてるし、追い出された後に皆でマリオの悪口で盛り上がる事間違い無しでしょう。


不満点その6
ターゲット層がイマイチ分からない

娯楽やサービスにおいて、どの層に向けて発信するかは重要です。
野球選手のグローブをサッカーのゴールキーパーが装着してクレームを言うのはおかしいですよね。
勿論、少しでも幅は広い方が良いのですが、ここだけは曲げないという芯の部分は必要です。そういう意味で、今作はイマイチそこが掴みとれませんでした。
今作のストーリーは、ところどころにテーマ性こそあるものの、基本的にはシンプルな勧善懲悪モノです。言ってしまえば子供向けです。
因みに、子供向けだからダメという事は全然ありません。大人だって童心は備えてますし、子供向けながらも大人の心を打つ名作はたくさんあります。
ただ、今作がそうかと言われると微妙です。所々に大人向けのような要素が含まれてる為、完全な童心として没頭出来ないのです。
今作のテーマは恐らく「絆VS孤独」ですが、そこの表現が中途半端です。
ボッチアーニ自身は、「孤独こそ最高」と言いながら積極的に介入してくるせいで、"孤独が好き"ではなく"孤独を強要するのが好き"なキャラになってます。
ボッチアーニがそういうキャラなので、孤独の善性を体現するキャラが作中にいません。
絆VS孤独と見せかけて、絆が孤独を一方的に迫害するモノとなってます。普通にいじめなので童心的にはキツイです。
一応作中で定期的に「孤独自体は悪ではない」と補足されますが、台詞のみのとってつけたような表現しかない上に、発言者はバリバリ絆パワー満載のキャラです。下手したら嫌味になります。
もしも子供向けならもっと分かりやすい悪党が欲しかったし、大人向けなら掘り下げて欲しかったです。

番外編 クッパの当たり判定


これはゲームについての不満ではあるのですが、そもそも単純な設定ミスと疑ってるので、おまけとして書いておきます。
クッパ戦でクッパが行う攻撃にブレスアタックがありますが、これの当たり判定がおかしいというモノです。
あまりにおかしく思いスロー再生で確認した結果、炎が届く前にダメージを受けてました。
しかもクッパって二戦目あるので、その時も炎の当たり判定おかしいままなんですよね。

空間を無視しないでください

以上で不満点については終わります。
続いては良かった点について挙げていきます。

良かった点

良かった点その1 映像と音楽(ムービー)


制作者インタビューでも、高い3D技術を持ってる事を理由として、アクワイア様との共同開発にあたったと述べられてます。
その思惑に関しては非常に上手く行った事かと思われます。キャラクターのグラフィックも綺麗で、フィールド上の操作感も楽しく、アクションコマンドを成功させた際の爽快感は、非常に良いプレイ体験として心に響きます。
この辺りを重要視するユーザーならそれだけでゲームに対する満足度は高いモノとなる事でしょう。
また、作中ではいくつかの重要イベントでムービー映像が流れます。そこのクオリティも非常に高いです。大灯台をクリアした後にコネッタが舞うシーンは美しさと壮大感のあまり、このままスタッフロールが流れるんじゃないかと思いました。流れませんでした。
中盤で発生する結婚式イベントも今作の目玉です。このイベント自体が”今まで繋いできた島の重要人物たちが一同に集う”というイベントなので、プレイヤーとしても感慨深いモノがあります。流れるムービーもハイクオリティで、プレイヤーの感動を後押ししてくれます。

良かった点その2 ボス戦全般


ボス戦は全体的に趣向が凝らされており、今作に置ける魅力の一つとなってます。
アクションコマンドシステムという性質上、特別な戦闘はそれだけでやり応えがあります。
更に今作にはルイージセンスというシステムがあります。
フィールド上でルイージが何かを閃き、仕掛けを突破するというシステムですが、これが一部のボス戦でも発生します。閃きと言いながらシンプルに力業だったり、「そうはならんやろ」とツッコミを入れたくなるようなやつもあったりでバラエティ豊かで魅力的です。
BGMも非常に良く、テンションが上がります。
ゲームオーバーを繰り返し続け、後半のボスに関しては2時間以上闘い続けるケースもありましが、それでも面白く感じれました。

良かった点その3 ボルドルド隊の絆


シナリオ終盤で様々な人達から絆の力を回収するシーンがあります。
そこで、今まで敵だったボルドルド隊が協力してくれるイベントが発生します。
目的のために敵と共闘するのは、王道的で胸が熱くなりますね。
彼らのやりとりもユニークなものが多く、所謂”憎めない小悪党”を高いレベルで表現しており、今作の見所の一つです。
作中を通して腐れ縁的な仲の良さも一貫してるので、ストーリーの流れとしても違和感がありません。
グズグズ団ですら絆の力は簡単には出せませんでしたが、ボルドルド隊は「俺らに絆?ある?まあ試すだけ試すか…」ってノリであっさり溢れてきます。相当仲が良いです。
エンディング前にも船島に来てくれており、改心した彼らと会話するのもほっこりします。
彼らのおかげでこのゲームを楽しめたというユーザーは少なくないのではないでしょうか

良かった点その4 ボッチアーニのイベント全般


今作のラスボス、ボッチアーニ。彼はあらゆる世界を放流し、そこの住民達を孤立させる事で、その世界を崩壊させる怪物です。
しかし、ゲームのイベントとして彼の計画は見応えがあり、プレイヤーの感情を刺激してきます。
彼の生み出す植物が捕らえた者は、自身の欲望に塗れた幻影の世界へと没頭します。
端から見ると悍ましい光景ですが、捕まってる本人は非常に幸せそうというギャップが、プレイヤーに強い恐怖を植え付けます。
最終戦手前では、マリオ達も植物に捕まります。そこで出現する幻影のクッパは非常に友好的で、シリーズ屈指のユニークさとなってます。
ラスボス戦へと突入する際のイベントも爽快感のある仕上がりとなってます。

乙女ゲームのSSかな

良かった点その5 エンディング


ラスボスを倒してエンディング〜スタッフロールです。
異世界に迷い込んだ身分として必ず発生するお別れ。こればかりは避けようがないし、それだけでも心が打たれるものです。
このゲームは、普通に進行しても40〜50時間はかかる為、なんだかんだで愛着が湧く部分もあります。
フレンとクッパJrが別れるシーンも、シンプルに感慨深いです。こういった王道はそれだけで人を惹きつけるのです。

オマケ


ゲーム外における期待値

ユーザーには、ゲームに対する個々の期待値があります。前評判で絶賛されてるゲームと、酷評されてるゲームをプレイする際、全く同じテンションで臨める人は稀でしょう。
ゲームの出来が期待値で影響する事はありませんが、ゲーム体験には少なからず影響を及ぼします。
そういった観点を考慮した場合、今作はどうでしょうか。
そもそもマリオシリーズのRPGは、文化として一度滅んでます。
マリオRPG→マリオストーリーと続き、初代マリオルイージRPGやペーパーマリオRPGといったカタチへと発展しました。
しかし、ペーパーマリオシリーズは、スーパーペーパーマリオからRPGでは無くなり、独自路線での展開となります。マリオルイージRPGに関しては、開発会社が無くなりシリーズが途絶えます。
そういった状況下で発表されたマリオRPGリメイク。そのままバトンを託すかの如く、ペーパーマリオRPGのリメイクが発表されました。
新規ユーザーも従来のファンも驚く怒涛の展開でしたが、これら2作はあくまでリメイクです。
その点、本作はマリオRPGシリーズの完全な最新作として発表されました。
ファンとしての期待値は非常に高くなってたかと思います。ここで良い作品を作れてたら、マリオRPGシリーズ最大の名作として称えられるチャンスは十分にありました。
それ故、非常に勿体なく思います。
何故なら、今作は土台としてはむしろ高水準であり、不満点はほとんどがUI面やシナリオによるものなのです。こういった要素の改善に必要なのは、高い技術ではなく微調整の繰り返しなので、時間さえかければ比較的改善しやすいのです。(勿論凄い作業量となる事には違いありませんが)
期待値に見合った傑作にならず、残念に思います。

最後に

以上が、筆者の感じた今作の感想です。
長文でしたが最後まで読んでいただきありがとうございます。
繰り返しになりますが、筆者個人の感想ですし、何かを貶める意図もございません。
マリオRPGシリーズに活気が戻る事を切に願っております。


ボッチアーニ デザインかっこいい


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