世間的な価値を保留にする
先日、10年以上も貸していた本が返ってきました。
もう、忘れていたのですが。
表紙を見て、ああ、そういえば読んだなと思ったのですが、その意味を忘れているくらいですから、正しくは読んだとは言えないでしょう。
購入した時は、わたくしには早過ぎた本だったのだと思います。
印象的だった箇所を探してみたのですが、本が厚くてすぐには見つからず。
何の気なしに偶然開いてみたページには
「誰かの地図に頼るな(中略)自分の中の変化に柔軟であることが大切です」(p.84)
「暗闇の中に保管されたものは、何でもゆがんでしまう(中略)あなたの内なる世界には、数えきれない記憶と、抑圧された衝動があります。あなたがそれらのものを解放することを拒めば、淀んでいくしかありません」 (p.227)
とありまして、ふうむぅ、と遠い目になりました。
みなさまのこれまでもしくは目下も、恐らくそうであるように、わたくしめも結構なハードな時間を過ごした経験があります。
ぬかるんでもぬかるんでもただひたすらに前に進むしかなかった時期や、岩山に軽装で登るしかなかった無茶、一瞬でバンジージャンプしちゃったよ、というようなアップダウン。(どんなだ)
無意識に息をつめて過ごし、呼吸の浅い毎日が続いたこともありました。
根が単純ですから、渦中にある時は状況がどうあろうと沈み込むということはなく、根気よくもがきつづけていたように思い出されます。
後からそれを知ったわずかなひとからは「よくもそんな事情で、あんな風に笑って飄々としていられたね」と仰天されましたが、きっとわたくしはマイペースなのです。(きっと?)
世間的な価値観と自分の状況は違う、とはっきりわかっていました。
距離を置くというよりは、今関係ないので保留、といえばよいでしょうか。
自身が何をどう受け取って解釈し、物事を暗闇に保管していくのかは無意識でなかなか気づけませんが、他人の地図に頼らず少しずつ自分の地図をつくることで、その未完の道を信じていこうと思えるのかもしれません。
この本でいう解放とは、そういうことでしょうか。
さらに
面白いのが、三回目に開いたページにあった内容と、全く関係のない分野で聞いた話しが同じだったことです。
NASAで最先端研究を率いた極秘人物(日本人故人)の後継者の方から少し教わったことがありまして、「宇宙は、地球やにんげんを通して問答を繰り返し、実験しつつ真実に近づいている」というものです。
つまり、宇宙は地球から情報を得続けて進化している、というのです。
”ふふ~ん、こうなるとこう反応するんだ、じゃ、これは?” というようなやり方で、善悪もなくただ純粋に知りたいだけなのが宇宙、というのです。
なんのこっちゃ、とぶっとんだ内容なのですが、お手上げになるほどの難解な知識に身をゆだねるのはとても楽しいものでした。
こちらの本ですと
「宇宙はあなたを通して思考する(中略)宇宙は別の誰かに操縦桿を握らせて、彼または彼女が何をするのか、眺めているのではないでしょうか」(p.322)
とありました。
とすると、世間とおなじ~、以下同文、という価値観や生き方では、宇宙にもろくな情報にもなれないですね。
以上、大変恐縮ながら文脈は割愛して、3回偶然に開いたページから大喜利のようにつらつらと考えてみました。
たまには、こんな読み方もアウトプットになってよろしいかもです。