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経験にお金を使いたい、と思う理由。


以前大学が同じだったメンバー男女4人で山に登ったことがある。

個々では仲が良かったけど、仲良しグループでも何でもない、珍しいメンバーだった。

登山の目標になったのは長野県にある燕岳、標高2,700m程の初心者にはまあまあ難易度の高い山だった。

深夜0時に集合して、早朝4時ぐらいに麓付近に着いた。

車から顔をだしてみた星空が、今までに見たことがないぐらい満点の星空で、興奮してみんなで騒いだら、隣の車の人に穏やかに注意され、申し訳なくなったのを覚えている。

その後星空を目に焼き付けて、登山に備えて車で仮眠をとった。

あのときの星空を鮮明に思い出すことはできないけど、初めてみた満点の星空の感動は今も忘れていない。

麓では晴天だったけど、登るにつれて雪が降ってくる中、「いや思ってたよりめっちゃ大変」と思いながら、先を行くみんなに必死についていった(というより、みんなが待っててくれた)。

確か頂上に着いたのは12時は過ぎていたと思う。
寒さに凍えながら登った頂上(正確に言えば頂上付近)からは、吹雪いていてほぼ何も見えなかった。

「頂上で食べるカップヌードルがめっちゃうまいんだよ!」と言っていた男友達だったけど、実際は寒すぎてそれどころじゃなかった。
確かに美味しかったけど。
それ以上に寒くて一旦室内に入りたかった。

ひとしきりの頂上を楽しんで、そろそろ降らないと暗くなってしまうので、下りに入った。

いつの間にか日が暮れてきて、ライトがないと降りれなかった。初登山のわたしは超びびって、「え?もしかしてわたしここで遭難?」と本気で感じたのをかすかに覚えている。

「もう嫌ー!」と大学4年生の女が叫んだのもいい思い出。もう1人の女の子の方がよっぽど心強かった。男の子は余裕そうだった。

そんなみんなのおかげで、何とか遭難することもなく無事に麓につくことができた。

ヘトヘトに疲れて、そのまま温泉に向かった。
登山の後の温泉最高!と思ったのかもしれないけれど、今記憶にあるのは温泉にあるシャンプーで髪の毛がゴワゴワになって後悔したことだった。

前日深夜から24時間も経ってたのに、車を走らせてお家まで送ってくれた男の子には本当に感謝している。

そして一緒に優しい言葉をかけてくれた女の子にも大変感謝している。

別に落ちもなにもない話なんだけれど、
今日たまたま御在所に行って、ふとこの出来事を思い出した。

こんなに記憶が鮮明だったことに驚くとともに、
経験ってものすごく貴重な価値のあるものなんじゃない?と思ったので、今この記憶があるうちに書いておこうと思った。

確かに生きるのにお金は必要。
お金があれば解決することは多い。
わたしもお金が大好きだ。

だけど、お金をどこに使うかもお金を稼ぐことと同じぐらい重要なんだと思う。

自分が欲しいものを買うでもいい、
趣味に使うのもいい。

だけど今までの経験上、わたしが満足しているお金の使い道は、
「人のために使うこと」と「経験に使うこと」だ。

自分の大切な人のために使うこと、
旅行やまだしたことのない経験をすること、
そういう使い方をしたとき、何年か経ってもこの使い方をしてよかった、と思える。

お金に敏感になってしまうことや
物欲に負けそうになることもたくさんある。

だけどそういうときこそ、今日思ったことを大切にして、良いお金の使い方をしたいな、なんて。

そんなことを思った夏休み初日。

おわり

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