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【雑談】"オニプリン"から考えるパラドックス
寒すぎてちゃんちゃんこが手放せない雑談⛄
アニポケHZ80話ではいよいよリコ達がエリアゼロに入り最後の六英雄であるエンテイを捜索する…と思いきや、リコ達を尾行しているEXPのサンゴが「オニプリン」もとい「サケブシッポ」をゲットするという予想外な展開となった。
サンゴがエリアゼロで出会った「オニプリン」こと #サケブシッポ をゲット❗️✌️
— 【公式】ポケモン情報局 (@poke_times) January 18, 2025
サンゴとオニプリン、なんだか似てるかも……❓🤭https://t.co/5ubqBN3MhC#アニポケ pic.twitter.com/hUvViEU4lC
サケブシッポはエリアゼロに生息する「パラドックスポケモン」の一種だ。パラドックスポケモンについてはエリアゼロで研究活動をしているブライアが次のように説明している。
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ブライア:ここには現代では見られるはずのない未来や古代の姿のポケモンがいる。それがパラドックスポケモンだ。
パラドックスポケモンについては原作の『スカーレット・バイオレット』においても未知の存在とされており詳細な生態などはほとんど明らかになっていない。ポケモン図鑑ですら信憑性の低いオカルト雑誌である「月刊 オーカルチャー」を情報源としているほどだ。例えば「サケブシッポ」は次のように説明されている。
目撃歴は過去1件のみ。古い探検記に記された謎の生物に似たポケモン。(『ポケットモンスター スカーレット』より)
10億年前のプリンとオカルト雑誌が紹介した謎のポケモンに似ている。(『ポケットモンスター バイオレット』より)
このテキストはサケブシッポという生物について何一つ確定した情報を教えてくれない。「古い探検記に記された謎の生物に『似た』」、「10億年前のプリンとオカルト雑誌が紹介した謎のポケモンに『似た』」ポケモンを紹介しているだけだ。
情報の確かさを抜きにしても、未来/過去にいるはずのポケモンが何故現代のエリアゼロにいるのかという根本的な疑問が残る。これに関しては先のブライアがテラスタル現象の仕組みと関係があるのではと推測していたが、これも確かな論拠があるわけではなさそうだ。
さて、成り行きでサケブシッポをゲットしたサンゴは当然パラドックスポケモンについての知識は持ち合わせていない。それ故シンプルに「オニイケてたプリン」を「オニプリン」と呼ぶことにしたのだ。
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この「オニプリン」という呼称はシンプルながら世間の評判も上々なようだ。
現実世界でもサイズが大きい生き物のことを「オニ〇〇」(例:オニヒトデ、オニヤンマ)と呼ぶことを思えば、サイズの大きいプリンを「オニプリン」と呼ぶのは理にかなっている。…まあサンゴは大きさではなく「イケてる」という尺度で「オニ」を使ったらしいけれど。
サンゴにとってはあくまでもプリンの一個体として認識していると思われ、「パラドックスポケモン」という括りの中では把握していないはずだ。
話をパラドックスに戻そう。そもそもパラドックスとは何か。例のごとく辞書で語義を確認してみる。
パラドックス〘 名詞 〙 ( [英語] paradox )
① 一見、不合理であったり矛盾したりしていながら、よく考えると一種の真理であるという事柄。また、それを言い表わしている表現法。逆説。
② 論理学で、ある命題と、それの否定命題が共に成り立つと結論され、その推論の中に誤りがあることを明確に指摘できない二命題。逆説。
③ 常理に反する説で、その説に反する正当な論拠を見いだしがたいもの。逆説。
サンゴじゃなくても「オニイミフ」と言いたい単語のオンパレード。雑談記事で扱うには正直手に余る概念だが出来るだけ噛み砕いて解釈してみよう。
有名なパラドックスに「クレタ人のウソつき」というものがある。「クレタ人はウソつきであるとあるクレタ人はいった」という命題に対して、我々はどのように解するべきか。
<クレタ人がウソつきである>という前提が正しいならばそのクレタ人の「クレタ人はウソつき」という発言が正しいものとなり成立しない。<クレタ人がウソつきである>であるという前提が間違っているならばそのクレタ人の発言がウソになり成立しない。
この膠着状態を抜け出すには<クレタ人にはウソつきも正直者もいる>というようなファジーな前提条件を当てはめる必要がある。かように正反対の命題が同時に成立しあるいは成立しないのが「パラドックス」という言葉が表す状況…のはずだ。
では、パラドックスポケモンのどこが「パラドックス」なのか。様々な見方があると思うが、一つの例として「『サケブシッポ』はなぜ『サケブシッポ』と呼ばれるのか」という問題が挙げられる。
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先に引用したポケモン図鑑の文言を信用するならば、サケブシッポは「10億年前のプリン」に似たポケモンである。ならばなぜそのポケモンを「プリン」と呼ばないのか。
そもそもプリンではないから?確かに「似た」という記述からは両者は同じ個体ではないという仄めかしがあるかもしれない。しかし、両者が全く別種という根拠も同じくないはずだ。
姿かたちが違うから?では、リージョンフォームのポケモンはなぜ同じ名称で呼ばれるのだろうか。ましてや『レジェンズアルセウス』で登場した「ヒスイのすがた」はかつてのシンオウ地方…すなわち現代とは時間軸が異なる場所で特異な変化をしたポケモンだが、これも同一種と認められている。
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さらに『スカーレット・バイオレット』においては、リージョンフォームではなく別種ながらその相似性から一つの括りに纏められるポケモン達がいる。「ディグダ」に対する「ウミディグダ」が代表的だ。
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両者はタイプも分類も違うがディグダに似た見た目をしているという理由でもじった名づけがされている。サケブシッポにも同様の名づけシステムが適用されるのが普通ではないだろうか?
要はプリンに似ているポケモンならそのポケモンを「プリン」ないしは「オニプリン」のようにもじった呼び方をしてもよい…というかそちらの方が自然なのにそうしないのがパラドックス的問題なのだ。
「サケブシッポ」は「プリン」に似たポケモンだが「プリン」ではない。一見成立してそうだが実は確定していない命題。サケブシッポとプリンを隔てるものは何なのか、それは明らかに人間の恣意的な都合によるものである。
これはメタ的な話をしたいのではなく、作中世界の人間にとって「サケブシッポ」と「プリン」を区別する理由があったのだろうという推察だ。そしてそれは当のポケモンにとっては全く関知しないこと。彼らにとって重要なのは自分にとって価値のある人間が自分のことをどう呼ぶかということだけだろう。
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日曜なのにオニダルい記事を書いてしまった…。ともあれ「オニプリン」とサンゴのこれからに期待!To Be Continued.