「すみません」の意味は?(返報性)
店前で集客をする店員さん
みなさんも見かけたことがあると思います。
声をかけるだけの人もいれば、ティッシュのような品物を渡してから話す人もいます。
わたしも先日ショッピングモールで同じような店員さんに遭遇しました。
話しかけられるだけなら通り過ぎたのですが・・・。
なんと!バッチリ申し込みました。
その店員さんは話す前にお菓子を配っていました。
「話を聞いてほしいからもらってください。」
ではなく、「おひとつどうぞ。」と声をかけられました。
せっかくくれるのだからと、快くもらいました。
ここが今回の事件です。
・そそるお菓子だった。
・誘い文句が非常に巧妙だった。
・申し込めばさらに魅力的な特典がありそうだった。
すべて違います。
これは「返報性」と言われる罠です。
返報性とは、「相手に何かをしてもらったら、お返しをしたくなる。」
といった心理のことです。
日本語では何かをしてもらったとき「ありがとう。」と伝えます。
しかし、アメリカでは「I owe you one.」と言うそうです。
この意味は「すみません。」です。
少し詳しく訳すと、「このままではすみません。」となります。
つまり、「受けた恩を返さなくては」という想いが込められた言葉なのです。
「恩を受けたから少し気持ちが揺らいで行動を起こしてしまった。」
これが店員の利用した返報性です。
恩返しをするという人間の根付い考えがあるからこそ、この法則が自然と行動に出てしまうのです。
「鶴の恩返し」や「恩を仇で返す」など、日本には昔から「受けた恩は、恩として返さなければいけない」という考えが強くあります。
これは相手が好きか嫌いかに関係なく作用します。
さらに自分が欲しいものでなかっとしても効果があります。
相手にイエスと言わせるための非常に効果的なテクニックとして、
「譲歩的要請法(ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック)」というものもあります。
はじめに確実に拒否されるような大きな要求を出し、
それを拒否された後、それよりも小さな(元々受け入れてほしい)要求を出す。といった方法です。
この返報性の法則を知ることで、ついつい買ってしまうものを減らすだけでなく、自分からは見返りを求めない行動ができると気持ちがよいですね。